妄想の館

なんて素敵にジャパネスク二次小説(鷹男×瑠璃姫)

恋しくて~鷹男視点1~

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画像は下記サイト様から。
https://www.beiz.jp/


ははうえ~~~~~~ははうえ~~~~~~~~~

こっちかな~ねえ~ははうえ?

子供が嬉しそうに母親に色々話しかけている姿が見える。

ふふ~~~そうですよ、東宮あちらのほうにあなたの大切な姫君がお見えなのですよ。

うわ~~~~~こっちに瑠璃姫がいるんだね~~~~~

早く会いたいなあ~瑠璃姫に・・・・・・・

まだまだ瑠璃姫には会えませんよ東宮

まだ赤子ですからね。

でもあなたのために生まれてきたのです。

あなたは瑠璃姫を幸せにしなければなりませんよ。

もちろんですははうえ。

早く瑠璃姫に会いたいなあ~~~~

 

 

 


何も知らないあの頃が私にとって一番幸せだった。

まだ何も知らないあの頃だけが私にとってもそして母上にとっても幸せだったはずだ。

だがあれからすぐに私の人生は狂ってしまったのだ。

母上の人生を背って。

 

 

 

 

私が東宮になれたのは母上のおかげだった。

母上は身分だけはすこぶるよかったが財産が乏しく

私が東宮になるには力がたりなかった。

だが母上は私のために内大臣である三条の大臣と

内密に話を勧め三条大臣の生まれてくる姫君と

私との婚姻を条件に、後ろ盾になってくれたのだ。

このおかげで私は東宮の位に上がることになった。

まだ生まれたばかりの瑠璃姫は

私のために産まれたといっても大げさではなかった。

三条の内大臣は野心家で出世意欲が高かった。

自分の姫君は出世のコマとしか思っていなかったのだろう。

まだ幼い私は、それに気が付いてはいなかった。

だが、私のために産まれてきたという母上の言葉を信じ

瑠璃姫を幸せにしようと思っていたのだ。

しかし、大人には大人の事情があったのだ。

ずっとこのまま幸せに過ごせると思ってたのに

少しずつ少しずつ、それが崩れていってしまったのだ。

 

 

 

 

 


ははうえ・・・・・・・・・ははうえ・・・・・・・・・・・

何度呼んでも返事はない。

以前は私に会いにははうえは来てくれたのに、訪れはなくなっていた。

幼い私にはどうしてなのかサッパリ分からなかった。

そして命婦の反対を押し切り私は自らははうえの元に駆けていった。

ははうえは端近に何故か佇み何かを眺めてる様子だった。

何度話しかけてもははうえは私に気がつかない。

そうして私の後を追ってきた命婦達に捕まり

自分の部屋まで連れて行かれるのだ。

それが毎回続いた。

ははうえは私が見えていないようだった。

何度話しかけても反応がない。

それが一体何を指すのか自分には検討もつかなかったのだ。

そんなある日、私はやっとははうえが何を見ているのかが分かった。

ずっとずっと先の風景を、母上はただ黙って見ているのだ。

同じところをずっと・・・・・・・

やっと気が付いた先には父上と見知らぬ女性が

楽しそうに過ごしているのを見つけた。

その光景が何なのか私にはまだ分からなかった。

それがどれほど母上を苦しめているのか知らずに・・・

 

私は自分が見たことをそのまま

素直にははうえに話してしまったのだ。


あれ?あそこにいるのはちちうえ?その傍にいるのは誰なんだろう?

ははうえは知ってる?

凄く綺麗な人だね~ちちうえも嬉しそう~~~~~~~

そう言った途端

ドン ドタドタドタ~~~~~~~~~~~~

私は一体何が起こったのかサッパリ分からなかった。

私は庭先に落ちていたのだ、数段の階から。

大きな音に驚いた命婦たちが近づいてくる。

東宮様~~~~~~~~東宮様お怪我はありませんか?

女御様何をなさるのですか!」

皆が大騒ぎをしている中、ははうえは無表情に私をただ見つめるだけ

そしてとんでもないことを発した。

「何もしておらん、勝手に東宮が落ちたのであろう」

なっ!

瞬間に周りが静まり返った。

ははうえはどうしてしまったのだろうか?

いつも優しいははうえの急な豹変に驚いてしまったのだ。

 

あの日から母上は変ってしまった。

優しく気さくな性格だった母上は、今では狂ったかのように

時々笑い、周りに八つ当たりするようになった。

聡明で周りからの評判も高かったのに、今では狂ってしまったのだ。

そして、私は母上が変ってしまったのは、

自分のせいだと思った。

周りは自分が悪いわけじゃないとそういうが

明らかに私が言った言葉に過剰に反応し、突き落とした、

その後変ってしまったのだ。

だからこそ自分が悪いとしか思えなかったのだ。

それから周りは母上を腫れ物扱いかのように

以前と違った対応へと変えていった。

そうして徐々に徐々に、母上は悪化していったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


それから母上とは距離を置いていった。

だが私もまだ幼い。

母上の愛情に飢えていたのだ。

そんな私にとっても大切な大切な、安らぎは瑠璃姫を思うことだった。

母上に瑠璃姫を大切にして幸せにしなさい、そういわれたこともあった。

自分が幸せだった日に言われた言葉は

私にとっても大切なことだったのだ。

瑠璃姫・・・・・瑠璃姫・・・・・・

早く君に会いたい・・・・・・・・・・・・・・

毎日毎日瑠璃姫のことを思うようになっていく。

彼女は今何をしているのか?

自分のことをどう思うようになっていくのか?

彼女こそ自分のためにうまれてきた女の子。

自分が幸せにしたい女の子。

会ったことがなくても、遠く離れていても、瑠璃姫の幸せを願う。

そう何年も何年も瑠璃姫のことを思い続けてついに

私の理性の限界が来てしまったのだ。

もうすぐ元服

私は更に身動きが出来なくなる。

そうなったら瑠璃姫に結婚するまで会えない。

もう自分の限界だった。

そして私は母上に内緒で吉野へと向かったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

瑠璃姫だ!!!!!

彼女に見られないように遠くから眺めるしか出来なかった。

可愛らしい瑠璃姫を見て早く自分の女御にならないかうずうずしていた。

瑠璃姫の前に出て一緒に遊びたくなってくる。

瑠璃姫~~~~~~一緒に遊ぼう~~~~~~

僕の事を好きになって!瑠璃姫のことが好きなんだから!

瑠璃姫が自分の元に来てくれるのを楽しみにしていた。

結局長いこと瑠璃姫を眺めることは、出来ず、すぐに戻ることになった。

そしてついに起こってしまったのだ。

最悪な事態に!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私は吉野から戻った。誰にも内緒で行ったことは秘密だった。

だから誰にも見つからないように行ったはずなのに

私の部屋には先客がいたのだ。

「母上?????」

そう、私の部屋には、もうあれから来てくれなくなった

母上が一人いたのだ。

どうしてなのかサッパリ分からなかった。

私に会いにきてくれたのだと素直に喜んでしまっていたのだ。

「母上来て下さってありがとう!」

そう、久々の逢瀬に喜んでいたのに、母上の様子はおかしかった。

東宮・・・・・・一体どこにいっていたのです?」

私は答えることが出来なかった。

母上があの綺麗な女性のことで気に病んでいることを知っていたからだ。

あの女性は瑠璃姫の母君である三条内侍だった。

彼女は父上の一番の寵愛高い女性だったのだ。

あの頃は全く知らなかった。

大人の事情のことを・・・

だが、母上の豹変によって命婦から少し教えられていたのだ。

だから瑠璃姫のことは母上に知られてはならないのだ。

だが母上には通用しなかった。

私は母上に、瑠璃姫に会いに行ったことを

知らせるわけには行かず、嘘をついたのだ。

「宗唯のところに遊びに行ってました。」

宗唯とは、母上の妹君である桐壺の女御様が産んだ私の弟だった。

妹君とは仲がよく、宗唯のことを可愛がっていたから

とっさに言葉に出ていた。

それにこの頃の母上は、部屋から滅多に出ないため

気が付かれないと思っていたのだ。

だがそう言った途端

ドン!うう~~~~~~~~

私は母上に押し倒されていたのだ。

そして母上は、私の上にまたがり、首に手をかけ絞めたのだ。

私は一体どうなってしまったのだ?

全く理解不能だった。

うう・・・・・苦しい・・・・・・苦しいよ・・・・・・

その時周りが気が付いて母上を止めたのだ

「何をなさっているのですか麗景殿女御様~~~~~」

ぷはあ~~~~~助かった~~~~~

その時母上は怒り狂ってしまったのだ

「嘘をいいや東宮!!!!どうして母に嘘を言うのですか!

あんな目狐の娘に会いに行くなんて、なんて酷い!!!!!!

母はこんなに苦しいのに、東宮は分かってくれないのですか!!!!!」

衝撃的だった。

あんなに聡明な母上がこんなに狂ってしまうだなんて。

東宮お願いです!三条内侍を、瑠璃姫を地獄に落としなさい!

あの二人は許さない!

二人が幸せになるなんて絶対に許しません。

東宮・・・・母のいうことをお聞きなさい。

お願いですからあの二人に復讐を!」

そういいながら母上は笑い、気がおかしくなってしまったのだ。

麗景殿女御が狂い、自我が壊れてしまった。

それから母上は麗景殿に監禁され、幽閉されてしまったのだ。

もう自我がないため、私のことも気が付くことはない。

母は壊れてしまったのだ。

私のせいで。

私のおかげで大切な母はおかしくなってしまったのだから。

そして、私はこれを機に、瑠璃姫を怨むようになってしまったのだ。

瑠璃姫が悪いわけじゃないのに。

瑠璃姫に非があるわけじゃないのに

私はこの怒りをどうぶつければいいのだろう・・・

母上のためにどうすればいいのか分からなかったから

瑠璃姫を犠牲にしようとそう思ったのだ。

瑠璃姫を・・・・・・・・瑠璃姫を・・・・・・

地獄に落とすために、そう毎日のように願っていったのだった。

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