妄想の館

なんて素敵にジャパネスク二次小説(鷹男×瑠璃姫)

人魚姫の涙4


写真素材 cg.foto

あれから泣き続けた。

幾度考えても絶望からは離れることなどできない。

東宮様はあたしではなく梨壺さまを愛されているのだから・・・・・

あの頃出会った東宮様はもういない・・・・・

そんなこと分かっている。

でもそのことを受け入れたくはなかった。

結局東宮様はあの頃出会った東宮様じゃないんだわ。

やっとそこまで考えがいくようになってあたしは段々冷静になっていく。

もう、東宮様はあたしを忘れてしまったんだと。

そう踏ん切りがついてきた。

だったら・・・・・・・

あたしはどうしたいの?

東宮様があたしを愛してくれないから・・・・・

だからこのままあたしは泣き寝入りをすればいいというの?

あたしはただこのまま黙って泣いているだけでいいの?

東宮様があの昔の頃を忘れてしまったから

だからあたしは東宮様を嫌いになれるの?

あたしはそんなに簡単に諦めれる人間だった?

少しずつ少しずつ本来のあたしを取り戻していく。

東宮様があたしを好きじゃないからといって

何もせずただ淑景舎に閉じこもっている瑠璃姫なんて

あたしじゃないじゃない!

何もしないで諦めるなんてあたしの柄じゃない!

だったらあたしは東宮様にあたしを見てもらい

好きになってもらえばいいじゃないの?

そう言う気持ちに段々なってきたの。

何もせずに嘆くのはあたしじゃない。

何かをして行動してそれからを考えればいいんじゃないの。

あたしは自分で未来を切り開く決心をしたの。

あの幼き頃の出会いを封印し、あたしは今の自分で勝負して見る。

過去より現在が大事だとそう思う。

あたしは東宮様にある提案をしたの。

それは・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 


東宮様、お願いがあります。あたしはこの後宮に来てここでの暮らしが

不安でいっぱいなのです。

ですから、あたしは東宮様をよく知りたい。

あなたの后になったのですもの、あたしのことも知って欲しいのです。

あたし達の仲を深めるためには呼び方をかえたらどうかとそう思うんです。

東宮様は東宮様ですがもっと呼びやすい名前だと親しみが湧くんじゃないかな。

だからお願いです、あたしと二人きりの時だけの名前を考えて欲しいんです。」

「名前・・・・・・・」

いろいろ考えた。

東宮様に自分を知って貰うにはどうしたらいいのかと考え続けた。

それで思った。

お互い身分があってそれが障害になって親密になれないんじゃないかと。

あたしは別に東宮様の身分に惹かれたわけじゃない。

東宮様の人柄に恋をしたの。

だったら呼び名が東宮様だと身分を考えないわけにはいかない。

だから、砕けた呼び名を教えて欲しいとそうお願いをした。

無茶なことを頼んだと思う。

二人の時だけの呼び名とはいえ東宮様という呼び名以外を考えろだなんて・・・

しばらく東宮様は考え込んでしまった。

馬鹿なことをいってしまったとつい後悔が頭に浮かぶ。

沈黙が続きそのあと東宮様はこう答えてくれた。

「桐壺・・・いや瑠璃姫・・・・あなたの考えは分かりました。

そうですね呼び名が違うのは

親しみが湧く気がするのは分かるような気がします。

私のことは・・・・・」

空を見上げた東宮様はある名前を囁いた。

「鷹・・・・そうです鷹男とでも呼んで下さい」

「鷹男?」

「はい、なんです瑠璃姫」

初めてだった。

東宮様があたしのことを照れくさそうに笑顔で呼んでくれたのは。

凄く嬉しかった。

名前の呼び名が違うだけでこうも違うのかと考えさせられた。

今は東宮様ではあるけど鷹男というただの一人の男の方なの。

これであたし達の仲が深まるのか、

それとも変わらないのかはあたしの行動しだいだと思う。

あたしは今度こそ東宮様、いえ鷹男の心をあたしに振り向かせて見せる。

そんな強い気持ちであたしは未来を見据えることになったの。

何が待ちうけようともね・・・

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