妄想の館

なんて素敵にジャパネスク二次小説(鷹男×瑠璃姫)

人魚姫の涙13


写真素材 cg.foto

鷹男!さよなら・・・・・・・

今度こそもう忘れるわ・・・・・・・・

あたしは夢中で走り去った。

この場から早く抜け出したかったから。

でもそれは出来なかった。

「瑠璃さんお待ちなさい!」

この場にはあたしと鷹男しかいないと思っていたのに急に第三者が現れた。

あたしの前に急に現れ、前をふさいだのは高彬だったの!

「なっ!?高彬!!!」

「高彬!!!」

あたしと鷹男は呆然と高彬の姿を認める。

なんでこの場に高彬がいるの????

高彬があたしを右大臣邸に連れてきたんだから仕方がない。

でもなんであたしの前に現れて通せんぼのように立ちはだかるの?

「高彬、どいて頂戴!早くここからだして!」

あたしは早く鷹男から離れたかったのよ!

せっかく笑顔で別れられるはずだったのにこの場にいたら

叫んでしまう!

だからお願いよ!高彬邪魔しないで!

あたしがそういっても高彬は全然動こうとしない。

そして高彬はあたしと鷹男に向かってとんでもないことをいいだしたの。

東宮様この場所に呼び出して申し訳ございません。」

ええ~~~~~鷹男がここにいたのは高彬のせいだっていうの?

「高彬、そなたが謝る必要などない。

この場を作ってくれただけで感謝したいところだ。」

「それでよろしいのですか?このまま瑠璃さんと別れることになっても」

「・・・・・・・・・・・・」

「ではよろしいのですね、瑠璃姫は私が貰っても」

「「??????」」

いきなりとんでもないことを高彬が言い出した。

「ちょっと何を言って!」

「瑠璃さんはお黙りなさい!」

高彬は高圧的にあたしに釘を刺した!

あたしは混乱してしまって何も言えなかった。

鷹男と高彬の間に緊張が走る。

「高彬!それは一体どういうことなのだ!瑠璃姫が後宮を去る。私から離れる。

ただそれだけの話であろう。

なのに何故お前と瑠璃姫が結ばれることに繋がるのだ!」

「失礼ながら東宮様は瑠璃さんを手放されるのですよ。

でしたら私が瑠璃さんと一緒になってもいいとは思いませんか?

私は幼い頃からずっと瑠璃さんだけを思っていたのですから。

東宮様は別に瑠璃さんのことなどどうでもいいのでしょう。

自分が選んだ姫君ではないのだから。

別に瑠璃さんが後宮を去ってどうなろうと」

「馬鹿なことをいうな!高彬!私が一体どんな思いで

瑠璃姫を手放そうと思っているのかお前に判るわけがないわ!

私がどんな思いで・・・・」

「私は東宮様ではありませんから分かるわけもございません。

しかし瑠璃さんが後宮を出るのですから

東宮様に承諾されなくても結構です!」

高彬は今までお役目一番だったし

東宮様には尊敬の念を感じていたのは知っていた。

なのに恐いくらい高彬は鷹男に高圧的に話し出す。

鷹男は高彬から高圧的に言われてやや戸惑いを感じていたみたいだけど

段々声を荒げてとんでもないことをいいはじめる。

「私が瑠璃姫を開放するのはお前のためではない!

私は!私は!瑠璃姫のためを思って手放すのだ!

私は・・・・・・・・・・・私は・・・・・・・

本当なら瑠璃姫を離したくなどない!!!!

私は瑠璃姫を愛しているのだから!!!!!」

えっ・・・・・・鷹男・・・・・・・・・・あんたは一体何を・・・・・・

「ですが東宮様は瑠璃さんを後宮から出されるではありませんか?

だったら瑠璃さんが今後どうなろうと関係などありません!」

「そんなことなどない!私は瑠璃姫を愛しているのであって

お前に渡す為に開放するのではないのだ!

お前に渡すくらいなら瑠璃姫は離さない!!!!!!

瑠璃姫は私が一生を守る!

瑠璃姫だけを私は愛しているのだから!!!!!!」

鷹男は大声であたしを離さないと宣言してくれた。

「嘘・・・・・・・・・・鷹男・・・・・・・それは本当のことなの・・・・

あたしを愛してくれるって・・・・・」

「瑠璃姫・・・・・・・・・・それは・・・・・・・・・・」

東宮様・・・・・・・・・・・・素直になってください!

どうしてここで瑠璃さんを手放そうとなさるのです!」

「高彬・・・お前は・・・」

「ここで私を罵倒なさるべきではありませんか?

本当ならあなたと瑠璃さんは幸せにならなければならなかったのに

我が右大臣家のおかげでこんな苦しい思いをされなくてはならなかったのですよ!

それを何も言わずに瑠璃さんを手放そうとなさるだなんて・・・・・」

「高彬・・・・・・・」

高彬は一体何を言っているのか私には分からなかった。

高彬は辛そうな表情で鷹男に訴えている。

そうして高彬は急に鷹男からあたしの方に体を向けた。

そして話し出したの。

「瑠璃さん・・・・・・・・ごめんよ・・・・・」

「なんで高彬が謝るの?」

「瑠璃さんはずっと東宮様を待っていたんだろう?

見合いを内大臣さまから持ってこられてもずっと拒否して

本当は東宮様がお迎えになられることを待っていたんだろう」

「それは・・・・・・・・」

「瑠璃さん・・・・・東宮様が瑠璃さんを迎えにこなかったのは

大臣家が悪いんだ。」

「えっ!?」

「高彬・・・・別にそうでは・・・・」

東宮様は黙っていてください!真実を言わなければ!

東宮様は瑠璃さんを本当に探していたよ。

探していたけどそれを右大臣家は利用したんだ。

東宮様がお探しになっていた姫君は梨壺の女御様じゃないのに

東宮様の初恋の姫は梨壺さまだとそう嘘を言ったんだよ」

それって・・・じゃあ~鷹男はあたしを探してくれなかったんじゃなく

大臣家に騙されていたってことなの?

・・・・・・・・・・

・・・・・

なんとなくここまで来たらそうかなと思ってはいたけどやっぱりそうだったんだ。

あたしは薄々感ずいていた。でも真実をあえて言わなかった。

「瑠璃姫・・・・・・・瑠璃姫・・・・・・・・申し訳ありません」

「鷹男・・・・・・」

「私はずっとあなたを探して迎えにいくとそう誓った。

あなただけを愛するつもりだった。

初恋の姫君だけを愛するつもりだった!!!!!!!

なのに私はあなたを・・・・・・

愛した姫なのに気づく事ができなかったのです!!!!!

私は一人を愛することは許されない身だった。

平等に姫君を愛さなくてならなかった。

なのにあなたという姫に出会い私はあなたを愛したんです!

それなのに私は・・・・・・・

愛した姫を間違えた!間違えてしまったのです!

ははっ私は愚かでした。自分が真に愛した姫を間違えてしまったのですから!

そんな私があなたを傍に置いておけるわけなんてない!

愚かな私が幸せを感じるなんてそんなことを許されるわけがないんです!

あなたを苦しめた!苦しめ続けた私はあなたを幸せにする権利などない!!!」

「鷹男!!!」

「私なんて・・・・・・・・・私が全て悪いのです・・・・・

大臣家が悪いわけではない・・・全て私が悪い・・・・・・・・・」

鷹男・・・・・・・・あんた・・・・・・・・・・

鷹男が苦しんでいる姿を見て胸が張り裂けそうな気分になった。

鷹男は鷹男なりに初恋の姫君を愛してくれたはずだった。

なのに右大臣家に騙された。

それを鷹男は自分のせいだと追い詰めている。

鷹男は全てを自分のせいにして・・・・・・・諦めている・・・・・・・・

そう・・・・・・・鷹男は諦めているの・・・・・・・

だから諦めた表情をしていたのね。

やっとあたしは鷹男の表情の意味を理解する事が出来た。

でもそれって鷹男は苦しむだけで皆結局幸せになれないじゃない。

それでもいいって言うの?

「鷹男・・・・・・鷹男はあたしを諦めるの?」

あたしは思わず小さく呟いた。

その声に鷹男はハッとした表情であたしを見つめる。

「瑠璃姫・・・・・・私は・・・・・・・・」

・・・・・・

・・・

「瑠璃姫!!!!!!」

急にあたしは鷹男に苦しいくらいに抱きしめられる。

「瑠璃姫!!!やっぱり私はあなたを諦めたくなどない!

あなたをやっと抱きしめる事ができたんだ!

あなたを・・・私が愛した瑠璃姫を!!!!!!」

鷹男はあたしの瞳と正面を向いてあたしに言った。

「瑠璃姫あなたが好きです!あなただけを愛しています!あなただけを!」

「だったら・・・・離さないで・・・・お願い・・・鷹男・・・・・・・・」

あたしはそのまま目をとじた。

そして鷹男と口づけを交わした。

今までしたこともない甘い甘い口付けを・・・・・・・

鷹男からの愛情をあたしはやっと感じる事ができたのよ。

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