妄想の館

なんて素敵にジャパネスク二次小説(鷹男×瑠璃姫)

人魚姫の涙(鷹男編)6


写真素材 cg.foto

二人が抱きあっているところを見た私は頭が真っ白になり

怒りだけが湧いて来てしまった。

その時、私の心の中で何かがはじけた。

その瞬間私は自分の気持ちを認めた、初めての瞬間でもあったのだ。

私に見られた二人は動揺をしていたが

瑠璃姫だけは一瞬驚いただけだったが

なんと梨壺との懐妊の喜びの挨拶をし始めたのだ。

それだけではない。

瑠璃姫はもう自分には用がないから後宮を出ると

いい出してしまったのだ!!!

自分の気持ちを認めた瞬間と瑠璃姫が私を拒否する瞬間が

同時だとはなんと皮肉な出来事であっただろう~

でも私はけして瑠璃姫を離すつもりはない。

私は瑠璃姫を愛していると認めてしまったのだから。

こんなに愛しい気持ちが溢れてくる状態で

彼女を手放すことなどできるわけがないのだ。

私の顔を見てはくれない瑠璃姫にやや苛立ちを感じた。

瑠璃姫はわたしのことなどどうでもいいのだとそう感じてしまう。

瑠璃姫は言いたいことだけ私に伝えて私の前から逃げようと駆けだしていった。

「瑠璃姫!お待ちなさい!」

私の声など振り切って瑠璃姫は逃げて行ってしまう。

私は慌てた。

このまま瑠璃姫を離したらあの方はもう二度と私の傍には戻らない。

それは予想というより確信に近かった。

私は彼女の手を取り絶対に離さなかった。

やっと瑠璃姫を捕まえた。

あなたを私はもう離しません。あなただけを一生愛し続けます!

そんな思いにふけていた。

私に捕まった瑠璃姫は私の気持ちに気付くことなく大暴れをしている。

「離してよ!離して頂戴!」

必死に私から逃れようとする姿をみても私は彼女を離すつもりはなかった。

しかし、瑠璃姫の必死の抵抗の末私の大切なお守り袋が私の衣からでていき

近くにあった池にぽちゃんと落ちてしまったのだ。

私は落ちた事に気がつけなかったがすぐに反応したのは瑠璃姫のほうだった。

急に私とは逆方向に離れたため油断した。

しかしまさか急に池に入られるなんて思いもよらなかった。

その瞬間なんと瑠璃姫は池の中に飛び込んでしまったのだ。

池は大人がせいぜい足が立つ位の深さではあるが

水に吸われた衣の重量は普段の10倍以上の

重さになっているだろう。

その時瑠璃姫はその重さに耐えられなかったのか

水の中に沈んでしまったのだ。

「瑠璃姫」「瑠璃さん」

私の声の他に高彬の声が聞こえたが

私はそれを無視して瑠璃姫を助けようと思った。

ざばん~私は池の中に飛び込み瑠璃姫の体を捕まえ

水の中から瑠璃姫を助け出した。

それなのに瑠璃姫はそんなことさえ気がつかずに私にこういったのだ。

「お守り袋は無事?鷹男の一番大切な」

嬉しそうな、ホッとしたような表情で

私に向かってお守り袋を見せてくれる瑠璃姫。

!?!?!?

どうしてそれが私の大切なお守り袋だと瑠璃姫が知っているのだ?

瑠璃姫には一度も見せたことも会話になった事さえなかったのに

どうしてそれが私のお守り袋だと思うのだ。

まさか、あの運命の初恋の姫君は瑠璃姫!あなただったのですか?

私の疑問に答える方はすでに気を失った状態だった。

すぐに私は人を呼び高彬にも瑠璃姫救出を手伝ってもらたのだ。

大切に瑠璃姫を抱き抱えながら私はもう迷わない。

瑠璃姫だけを愛し続けると再度心の中で誓ったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


私はしばらく瑠璃姫の傍から離れなかった。

案の定まだ寒い季節ではないとはいえ風邪をこじらせたらしく

高熱で瑠璃姫はうなされていた。

2,3日は高い熱のおかげで目もなかなか冷めない状態だった。

長時間水に入ったおかげで肺炎という大病になりかけだった。

命も危ないといわれるほど瑠璃姫の体調は悪かった。

私の犯した罪で瑠璃姫は苦しんでいる。

そんな姿を見て私は瑠璃姫から離れることなどできるわけがなかった。

政務以外は極力私は瑠璃姫から離れる事などしなかった。

絶えず瑠璃姫の傍にいたかった。

あまりにもぶしつけな態度に母上にお叱りを受けたが

私のせいで瑠璃姫は苦しんでいるのだ。

だからずっと傍にい続けたのだ。

瑠璃姫の手を握りながら。

瑠璃姫は私に気がついてはいないと思うが時々目を開ける。

しかし、まだ視線があっていないのを見ると

まだ意識が戻っていないのだろう。

多分私が傍にいる事を認識していないのだと思う。

瑠璃姫は私を認めると美しい笑顔を浮かべるのだ。

最近では見た事がない瑠璃姫の笑顔を。

私から離れようとしている瑠璃姫が

私ににっこり笑顔をしてくださるはずがない。

では一体誰に瑠璃姫は微笑み掛けているのか?

見知らぬ相手に嫉妬しながら私は瑠璃姫の手を握り続けていたのだ。

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