妄想の館

なんて素敵にジャパネスク二次小説(鷹男×瑠璃姫)

人魚姫の涙(鷹男編)9終


写真素材 cg.foto

まさかこのような場所で瑠璃姫と会えるとは夢にも思わなかった。

お互い驚きに満ちていた。

何故!?

その気持ちはお互いもったことであろう。

しかし、それが問題なのではない。

私は瑠璃姫にまだ会いたくなかったのだ。

まだ気持ちが整理しきっていなかったから。

このままの状態でいるなんてできないのに

会ってしまったら決めなければならなかったから。

私は瑠璃姫を正面向いて見ることが出来なかったのだ。

その姿に痺れを切らした瑠璃姫は私に質問を投げかける。

瑠璃姫がどれだけ私を待ち望んでいたのか必死で言ってくる。

その姿に、私を思い続けてくれた瑠璃姫に感謝するしか出来ない。

いろいろな気持ちが入り混じりながら瑠璃姫の言葉を聞いた。

複雑な気持ちで聞いていた。

私だって運命の姫君を、いや瑠璃姫をずっと追い求めていたのだ。

あの姫君が私の傍に一生いてくれたら幸せに違いないと。

ずっと姫を忘れる事なんて出来なかった。

毎日毎日姫のことを思っていた。

なのに!私は間違えてしまったのだ!

運命の姫だと、その姫しか居ないと思ったのに!

瑠璃姫が私に伝えてきた気持ちは十分に分かった事だった。

なのに私は瑠璃姫に嘘をついた。

瑠璃姫のことなんて忘れてしまっていたと。

忘れたという言葉自体嘘だとばれることは分かっていながら

愚かにもウソを重ねる。

本当なら一度も忘れたことなんてなかったのに忘れてしまったと。

その言葉を伝えた時の瑠璃姫の表情は一生忘れる事なんて出来ないだろう。

私は瑠璃姫と出会ったら別れなければいけないからこそ

瑠璃姫に出会えなかった。

私の愚かな行動でどれだけ瑠璃姫を傷つけてきたか分からない。

それなのに、自分の非を償いもせず

自分だけが幸せになるなんて出来るわけがなかった。

そして・・・・・・なんといっても梨壺のことが気になった。

あの姫は野心が強い。何としてでも自分が女として

最高の地位に付こうと考えるに違いない。

そう、中宮の地位を!

もし、瑠璃姫が後宮に残ったとしたら私は絶対に中宮には瑠璃姫を選ぶだろう。

一番傍にいて欲しい。危険だとしても求めてしまう。

梨壺のあの視線を見て、野心のためには瑠璃姫に危害を加える。

それを気にもしない。そう感じたのだ。

私を今まで欺いてきた梨壺。

彼女から私は瑠璃姫を守りきる事が出来るだろうか?

そう思うと瑠璃姫を私から解放した方がよいのだ。

そう思い、私は瑠璃姫に後宮を出ることを許可したのだ。

瑠璃姫の「さよなら」

その言葉にすぐにでも手を取って離したくない。追いかけたい。

そんな気持ちに支配される。

しかし、私は留まったのだ。

瑠璃姫との最後の別れのはずだった。

しかし、そこに高彬が現れてしまったのだ。

そしてなんと高彬は瑠璃姫の前に出たのかと思いきや

瑠璃姫を私から奪うといいだしたのだ!

その言葉に私は何も考えれなかった。

瑠璃姫が他の者と一緒にいる。

その姿を想像するだけで頭の中が煮えたぎってしまう。

嫉妬に支配されてしまう。

そうして、瑠璃姫を手放そうとしていたのに

自分の本当の気持ちを瑠璃姫にぶつけてしまったのだ。

愛していると、本当は離したくないと、瑠璃姫だけを愛しているのだと。

一生言うつもりなんてなかった。

私は愚か者だったのだから。

このまま瑠璃姫を幸せに出来る自信がなかったのだから・・・・・・・

でも、私は高彬の機転で瑠璃姫に告白をしたのだ。

その時の瑠璃姫の視線、姿に私はもう一度惚れなおしたのだ。

瑠璃姫と一緒なら私は何でもできると、

梨壺がなにかをしてきたとしても守る事は出来る。

そう確信できた。

瑠璃姫の視線を見て、私は自信がついたのだ。

私は一人ではないのだと。

瑠璃姫なら私に付いてきてくれると。

唯守られるだけの姫ではない。私の隣に立ち、

そして一緒に考えてくれるパ-トナ-なのだから。

そう考えることが出来たのだ!

私は自分の気持ちを告白して瑠璃姫と一緒に後宮に戻る事が出来たのだ。

 

瑠璃姫と気持ちが通じ合い私は今度こそ運命の姫君を幸せにして見せる。

そう誓った。

今まで泣かせ苦しめてきた分瑠璃姫をもう泣かせないと。

瑠璃姫には涙は似合わない。

笑顔全開の表情が一番似合うのだから。

私は毎日のように瑠璃姫に会いに行く。

それが習慣のようになっている。

私は思った。今まで瑠璃姫を苦しめてきた分何かをして上げたい。

しかし、その何かが思いつかない。

そして私は考え抜いた末瑠璃姫に今まで肌身離さず持っていたお守り袋を瑠璃姫に預けた。

瑠璃姫だけが私の愛する姫だと、そして一番の信頼者だと言う証のため

瑠璃姫に預けたのだ。

瑠璃姫は驚かれていたが大事にすると嬉しそうに抱き締めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれから私は瑠璃姫を守るために強い男になろうと努力した。

上に立つ者が一人の姫を寵愛するということは

周りからして見れば危険因子にしか見えないだろう。

東宮は跡継ぎをたくさん作る義務がある。

だからこそ後宮があり沢山の美しい女官がが集っているのだ。

一人の寵姫に寵愛が集まるとそこに権力が集中してしまうため

周囲は嫌がる傾向がある。

瑠璃姫を知る者ならそうは思わないだろう。

しかし殆どの者は知らない。

どちらかというと梨壺に同情の声が上がっているのだ。

結局梨壺が産んだのは内親王だった。

このまま親王を御生みしたら野心が強い梨壺の事。

自分は中宮になり、そしていずれは自分の御子を帝にして

摂政になり政治を動かそうとするだろう。

前まで私は梨壺の性格を見抜けなかった。しかし、今では違う。

そんな梨壺に権力を持たせるわけにはいかないのだ。

梨壺が内親王を産む前には瑠璃姫が懐妊された。

梨壺の魔の手から避けようと私は必死になった。

あらゆる面から梨壺は妨害してきたのだから。

そうして瑠璃姫はあれから親王を産んだ。

その頃病で体を壊していた帝が私に譲位し私は東宮から今上帝になった。

そして私は瑠璃姫を中宮に指名したのだ。

これにより右大臣は私に抗議してきた。

しかし、抗議しても意味がない。

その根回しは準備していたのだから。

瑠璃姫は内大臣家の姫君。

そして内大臣は何も言わない温厚な方。

それもあり私は右大臣には何も言わせずに

周りに瑠璃姫を中宮にといい渡したのだ。

こうして私は瑠璃姫と親王を全力で守ることにしたのだ。

私は瑠璃姫を離さない。

瑠璃姫を悲しませることはしない。

私は瑠璃姫と親王と幸せに暮らしたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

幼い若君は成長して運命の姫君と巡り合うことができた。

東宮の身であればこそ、愛する人と出会えないのではないかという不安。

それを吹き飛ばすほどの愛する姫を見つけた。

けれど運命とは移ろいやすいもの。

若君は一つの過ちにより、運命の姫君を傷つけてしまいました。

ですが運命の神様は見ていてくれるのです。

本当に愛しあっているのならば、その想いを拾ってくれる。

こうして運命は元に戻り、二人には可愛いヤヤが授かりました。

後宮は広く、美しい場所。

ですが様々な闇が集まる場所でもあります。

けれど運命で結ばれた二人はお互いを補いながら、どんな困難にも

立ち向かうことができるでしょう。

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