妄想の館

なんて素敵にジャパネスク二次小説(鷹男×瑠璃姫)

信じたいのに3

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後宮での生活はあっという間に過ぎ、慌しい生活もやっと落ち着いていた。
私は表面上ではとても大人しく、人当たりがいい女御として
周囲からの評判もよくて、羨望の的になっていたの。
鷹男も毎日のように私の元を訪れていて寵愛も深く
何度お付の女房達から羨ましいといわれてきたか。
 
 
 
藤壺の女御様には、ホント羨ましい限りでございます。
 これほど寵愛が深い女御様は今までいなかったんじゃないでしょうか?」
「どうしてそう思うの?」
「だって女御様の元には毎日のようにお主上が起しになられますし
 とても仲良く見えますわ。」
「そうですわ!藤壺の女御様ほどお主上に愛されている方は
他にいらっしゃいません。
他の女御様方とは全然違うと思いますわ。」
「そう言ってくれると嬉しいわ。」
「ホント、藤壺の女御様は内大臣様のご息女様であり
主上のご寵愛もあるお方。その内皇子様も身ごもられ、
中宮、そして皇子様が東宮になったら女御様は
次期帝の母宮さまになって栄華を極められることでしょう」
「これ、そのようなことを言うのはおよしなさい。
東宮様もお見えなのですよ。
まだお腹の中にもやや様はお見えでもないのにそのようなことを言ったら
桐壺の女御様にも丞香殿の女御様にもいらぬ思いを抱かせることになります。
それ以上話すのはおよしなさい!」
「申し訳ありません女御様。」
 
 
 
 
 
ホント冗談じゃないわ。
どうして皆そっちの話に持ってこようとするんだろう。
まだ、私のお腹にやや様なんていないというのに最近では
やや様の話がちらほら出るようになっていたの。
今現在鷹男と女御様方の間に御子がおられるのは
桐壺の女御様との間に今東宮様お一人だけだった。
残念ながら、丞香殿の女御様との間にはまだ御子様はお見えじゃなかったの。
本当なら鷹男が帝になることが出来た右大臣家の姫である丞香殿の女御様との間に
皇子様がお生まれだったら今東宮様は東宮じゃなくなり
丞香殿の女御様の御子様が新東宮へと拝されることでしょう。
それはやっぱり桐壺様ではご後見の力がとても弱くらっしゃるから。
だからこそ、丞香殿の女御様との間に皇子様がお生まれになったら
即新東宮様、誕生となるはずだけどそう上手いこといくわけがないのよね~
もう何年も鷹男と丞香殿の女御様との間に御子様がお生まれにならないから
余計に周囲は私との間に御子様が生まれるんじゃないかという期待感が
高まっているようなのよ。
でもね。
私は確かに鷹男との間にやや様が生まれるのは嬉しいわ。
けれどそうなると、どうしても権力争いに
発展することになるかもしれないじゃない。
もし、鷹男と吉野の君との間のような事件になったら
私は自分自身どうなるか分らない。
 
いいえ!
けしてにあんな思いをさせたくない!
どれだけ身近な人物達が傷つき苦しんできたか。
そして鷹男がどれだけ苦しんで決断をしたと思うのよ!
私は自分達の子供にも、鷹男にもそんな思いを絶対にさせたくないわ!
 
私がどれほどそう思っていても
誰も私の思いに気がついてくれない。
私が力ある大臣家の家のものだからこそ
皆私が次期東宮を生む人間だと次第に考え方が変わっていってしまうのよ。
 
 
 
 
女は皆、一番の権力を抱くことが出来る地位を欲している。
中宮になり、今上帝との間に皇子が産まれ、その子が今上帝へとなり
自分は皇太后という女の中で一番の権力を持つことが幸せだと思われている。
その地位に私はとても近いからこそ周囲から期待されていると思うのよ。
でもそれがどうしたというの。
権力を持ったからといって何かいいことがあるの?
贅沢がしたいから?
周囲の羨望の的になりたいから?
皆に傅かれたいから?
私はどうも他の人たちと考え方が違うからなのか
その思いが全然分らないの。
別にいいじゃない。
自分の子供が東宮さまにならなくたって。
どっちかというと私は自分の子供が東宮になるほうが嫌だわ。
責任のある地位に立ったわが子がどれだけ苦労して悩むか凄く分るじゃないの。
臣下に降りて自分自身で人生を切り開いていって欲しいじゃない。
親が子供の人生を敷くのってあまり好きじゃないからね。
多分皆に言っても私の気持ちなんて理解されないんだろうな~
小萩もどちらかというと私とのやや様が
東宮様になるんじゃないかと期待する感じもあるしね。
まあ~私の置かれる立場が物を言うから期待するのは分らないでもないけれど
私はあまり権力争いになるのは嫌だと感じていたのよ。
でも傍目に見れば
周囲は私が次期東宮を欲しているんだと思われても仕方がなかった。
だって、周囲には頷きはしないものの反対していたわけじゃないから。
 
 
 
 
でもその反応が私自身が変わってしまったんじゃないかと
思われる判断になっていただなんて
思いも寄らなかったのよ。
 
 
 
 
私は自分自身を出さないコントロールが上手くなっていた。
それも自分自身気がつかないほどに・・・
私は自分は変わっていない。
そう思いながらも、どうしてその姿を鷹男の前で出さなかったんだろう。
私はいつの間にか鷹男の前でもいつもの自分を出さないようになっていったの。
自分が気がつかないほどに
それはどれだけ鷹男を苦しませてしまっていたのか
この頃の私は未だに気がつかないほど愚かな自分がいたのよ・・・・
 

 

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