妄想の館

なんて素敵にジャパネスク二次小説(鷹男×瑠璃姫)

止められない初恋7終


写真素材 pro.foto

あたしのような女はいつか罰を受けなくてはいけないだろう。

だって、いまだにあたしは鷹男だけじゃなく吉野の君のことを

想ってしまうから。

吉野の君はどうなんだろうか?

あたしはそっとお腹をさする。

このお腹の中にはあたしの愛する鷹男とのややこがいる。

このややこを幸せにするためにもあたしは吉野の君への想いを

初恋から義理の弟へと昇華しなくてはいけない。

あたしの想いは皆を不幸にするわ。

だから吉野の君があたしを避けるようになったことは

幸いだった。

それなのに会えないからこそあたしの想いは昇華できないの。

その内、あたしの体は安定期に入っていったの。

そのおかげで鷹男との夜の営みも再開することになった。

あたしは不安だった。

鷹男との逢瀬の最中でも吉野の君を思い出すようになり

鷹男を裏切っている気持ちになっていく。

吉野の君への想いと、鷹男への想いは昔から変わることなく

大好きだった。

好きが愛に代わってあたしは人妻になった。

けれど吉野の君を諦めきれずにもがくあたしがいた。

こんな醜い思い、いつになったら消えるのか。

鷹男に申し訳ないと思っていた時だった。

「瑠璃・・・瑠璃は前と同じで吉野を忘れられないか?」

「鷹男・・・・どうして!」

「愛する女であるお前を見ていたら分かる。まだ吉野が

忘れられないんだろう。」

「鷹男!!!ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい!

あたしは鷹男が好きよ!愛してる!でも吉野の君も好きなの。

昔からずっと想ってたんだもの。

二人とも大好きでどちらかを選ぶなんてできない!

鷹男、あたしは裏切り者よ!あなたを想いながら

他の殿方を想うだなんて!」

その時だった。

「兄上申し訳ありません!私も瑠璃姫を忘れることはできません。

彼女を愛しているのです。

お二人が愛しあっているのも知っています。知ってはいるけれど

諦めることができません。せめて瑠璃姫を愛し続けることだけでもいい!

それだけでいいので許してください!」

「吉野の君!」

「瑠璃姫!」

あたしと吉野の君は鷹男の前で抱き合うことになる。

そうして目と目が合った時だった。

知らず知らずのうちに吉野の君に魅入られるように接吻を躱すことになる。

この場はあり得ない状況で支配されていた。

夫の目の前で妻と夫の弟が接吻をしているのだ。

どう見ても裏切りにしか映らないはずだ。

なのに鷹男は何も言わない。

あたしも怖くて吉野の君しか見れずにいた時だった。

「瑠璃!」

怒っているのか何を考えているのか言葉だけでは分からないけれど

手を引かれて鷹男の体に抱きしめられ、先程の吉野の君との接吻と違い

荒々しい接吻をされ息つく暇もない。

そのままあたしは鷹男と吉野の君の二人に体を触れられ

三人で夜を過ごすことになってしまったのよ。

 

 

 

 

 

 

 

次の日だった。

あたしはさすがに二人に体を求められ身重の身だったため

起きられずにいたの。

あまりにも唐突な行いに呆然としていた。

未だに何が起こっているのかも分からない。

鷹男は一体何をしたかったの?

あたしと吉野の君の想いを聞き裏切られて処罰をするのは

分からなくもない。

なのにどうしてあたしは二人と一緒に夜の営みをすることになるの?

あああ~~~~~~ダメだ!

思い出しても恥ずかしすぎる。

最後までは身重なためされなかったけれど思い出しても体が

熱くたぎるよう。

二人はさすがに兄弟なのか阿吽の呼吸であたしの体を翻弄する。

普通はあそこで殺し合いにでもなるはずでしょう~

一体何が起こったのかいまだに理解できないわ。

 

 

 

それからしばらくしてからだった。

鷹男と吉野の君が二人であたしの見舞いにやってきたの。

周囲に人がいたときは特に気になる話はしなかったけれど

人払いをして三人だけになった時鷹男はあるとんでもない提案をしてきたの。

「瑠璃、吉野と話した結果、わたし達三人で幸せになろう」

「何を言って!」

「瑠璃、お前は吉野のことが好きだろう、そこにわたしが入ってきただけ。」

「違うわ!あたしは鷹男も好き!」

「鷹男も好きか、瑠璃は昔と変わらない。せっかく初めて告白したのに

瑠璃はわたしと吉野を選んだ。だが吉野も瑠璃も気持ちは変わっていない。

だったらわたしと吉野と瑠璃の三人で付き合えばいい」

「兄上、何度も言いますが本当にいいんですか?」

「ああ~これは仕方が無い、

瑠璃がわたしだけを見てくれれば許さなかっただろう。

けれど瑠璃は吉野、お前のことも離したくないみたいだ。

本当ならわたしだけを見てほしかったが吉野ならいい。

わたしの大切な弟だからな。」

鷹男は寂しそうな表情を見せたけれどそれは一瞬だった。

あたしはあまりにも突発的な話で口が開いたまま。

そんなこと赦されるの?

あたしの我儘で鷹男も吉野の君とも愛しあえるだなんてそんなことが可能なの?

「そんな事お天道様がお許しになるはずないわ!」

「瑠璃姫・・・」

「そうだ、わたし達のすることは世間を欺くことだ。

本当なら絶対に許されるべきじゃない。だが許されなくても

わたしは惚れた女の想いを踏み潰すつもりもないし、

大切な弟の幸せを壊したくもない、

だから身の破滅となっても後悔はしない。それはわたし達三人ともが

罪を分け合うことだから。」

「鷹男!」

「兄上!」

あたし達は鷹男に頭が上がらないわ。

こんなこと赦されるはずがないのに世にばれたら東宮でさえ

罪を犯せば罰せられるのに危険を冒してまであたしと吉野の君を

巻き込むという。

あたしたちは罪人になる覚悟で三人でいることを誓った。

 

 

 

 

こうしてあたし達三人による変わった結婚生活が始まったのです。

あたしはあれから無事に親王様を産んで我が子は東宮になり

鷹男は今上帝から譲位をされ

帝になりあたしは藤壺の女御と言われるようになるの。

吉野の君は兵部卿の宮として京に残り鷹男の補佐をしている。

 

 

あれから数年が経ちあたしは内親王を二人と親王様を一人と

全部で四人の子供の母親になるの。

でも全てあたしが生んだ大切な我が子。

東宮様以外父親はどちらの子なのかは闇の中。

吉野の君そっくりな我が子を見ても誰も気が付かない。

鷹男と吉野の君は兄弟であり母君も姉妹であるから

吉野の君似の我が子を見ても誰も気が付かない

そう全ては闇の中。

けれどあたし達三人は共犯者。

後悔はしないわ。

そうして今日もあたしは二人と一緒に夜を共にする。

愛する鷹男と吉野の君の腕の中であたしは過ごすのが

幸せなのよ。

 

 

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