妄想の館

なんて素敵にジャパネスク二次小説(鷹男×瑠璃姫)

止められない初恋~鷹男視点1~

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 https://girlydrop.com/

 

わたしが初めて恋をしたのは自分より年下の裳着も済ませていない

幼い姫君だった。

わたし達の出会いは吉野の里でのこと。

わたしはショッチュウ体調を悪くし臥せっていることが多いことから

母上が心配して吉野の里に療養させたことで瑠璃と会った。

初めての出会いは吉野の里で木から降りれなくて

泣いているところから始まった。

最初は吉野の村娘だと思っていたがなんと大貴族の姫君だったから

驚きだ。

吉野の里には弟の宗唯も付いてきていてお互い京での

自分たちの立場からによる縛りが今は解き放たれて自由を謳歌して

のびのびと楽しんでいた。

そこでの驚きの出会いで瑠璃も合わせて三人で遊ぶ毎日。

わたし達の名前は身分が明かされると困ることから

瑠璃に名前を付けてもらった。

わたしは鷹男、宗唯は吉野。

その名前を付けてもらって自分が親王ではなく

一人の個だという自覚が持てて名前を付けてくれた瑠璃に感謝した。

弟も嬉しそうな表情を浮かべていたから同じ想いを抱いているのだろう。

瑠璃はおてんばで貴族の姫にありがちな清楚さはかけらもなかった。

おおざっぱで負けん気が強くてよくわたし達に勝負をかけて負けても

それを認めない。

わたしも年上だから負けてやってもいいのだが

瑠璃に失礼な気持ちになって真剣勝負をする。

今は桜の木までかけっこの真っ最中だ。

一番上のわたしが勝つのは当たり前なのだが後ろの方では

瑠璃と吉野が騒いでいる声が聞こえる。

吉野は私と違って瑠璃を一番後ろから見守っているようで

勝ち負けにこだわっていない様子。

お転婆であっても瑠璃は大納言家の姫君。

何かあっては駄目だと思って後ろからついてきているのだろう。

わたしとは違って気配り上手な吉野に誇らしげに思うけれど

少しチクット心が痛む。

瑠璃はわたしよりもいつも吉野を気にしている。

本人は無意識だろうが一緒に吉野といる場面があっても

最初に話しかけるのは吉野が先だ。

わたしはいつもその場面を見ながら

瑠璃は吉野のことが好きなのだろうと思い心が病むことも多い。

本人が無意識だからこそより一層思うのだろう。

桜の木に一番についたわたしは

「瑠璃、わたしの勝ちだな!」

と高らかに宣言をした。

「あ~あ、また負けちゃった。鷹男は本当に早く走るよね!」

「まあな、この中では一番年上だしな。」

「あたしはそんな鷹男が大好きだよ!」

「なっ、瑠璃~~~お前なあ~」

そこにやっと追いついた吉野が慌てて話しの中に入る。

「瑠璃姫、そのように自分の感情を率直に言うのはおやめなさい」

「なんでよ!吉野の君?あ~~~~~そうだ!瑠璃は吉野の君も

大好きだよ!」

「「瑠璃姫」」

瑠璃の一言で吉野とお互い真っ赤になった。

だがその言葉通り受けるわけにはいかなかった。

瑠璃はまだ幼い。

桜が好き、綺麗な花も好き、おばあさまも好き・・・

沢山の好きの中にわたしと吉野が入っているだけで色好いめいたもには

全く感じられなかったのだから。

それでも嫌われてないのならそれだけで良しとするか。

そう思っていたがついにタイムアップだ。

時間切れ。

吉野にいる間に本気の恋を教えたかったけれど父上から京に戻るよう

連絡が入ってしまった。

京に向かうときに必死で自分の想いを瑠璃に伝えた。吉野も一緒にだ。

「瑠璃、わたしはお前が好きだ!友達の好きじゃないぞ!お前だから好きなんだ。

でもわたしはまだ子供だ。大きくなったら絶対に迎えに行く。だから待ってろよ!」

「瑠璃姫、私もあなたのことが好きです。初恋はあなたです。

迎えに行くまで待っていてくださいね!」

「うん、二人があたしを迎えに来てくれるのをずっと待ってるから!」

「「えっ、二人!」」

「何かおかしいこと言った?鷹男も吉野の君も二人とも同じくらい

瑠璃は好きだもの!二人以外好きにならないもん!」

やはり瑠璃にはまだ恋という気持ちが早かったか。

分かっていたけれど吉野だけじゃなく私のことも待っていてくれるなら

チャンスはある。

わたしと吉野は吉野の里でしか生えない珍しい花を見つけてきていた。

それを瑠璃の耳にさして頬にちゅっとキスをした。

「なっ~~~~~~」

「これで約束を貰ったからな!今度会った時は本物の手ほどきをするから」

「私のことを忘れないおまじないです。絶対に迎えに行くので

待っててくださいね。」

こうしてわたしの初恋はつづくのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

京に戻って誤算だったのが吉野との東宮争いだった。

わたしは特に東宮の地位に固執しているわけではなかったが

母上が東宮になってほしいと願うならばわたしはその願いを叶いたい。

だがわたしが東宮になるには後ろ盾が必要になっていた。

その後ろ盾に母上は右大臣家に頼もうとしていることが分かった。

大臣家の二の姫である公子姫だ。

容姿端麗で非の打ち所がないほどの賢い方で東宮妃に相応しいという噂がある。

その姫君をわたしに嫁がせることで強固な縁で東宮という地位を

獲得させたいという願いを母上が思っていることが分かった。

そんなこと冗談ではない。

わたしは瑠璃と結婚をしたいのだ。

公子姫がわたしに嫁いだら瑠璃を迎え入れることが叶わない。

瑠璃は吉野と結婚をしてしまう。

絶対に嫌だ!

彼女はわたしの妃にしたいのだ。

瑠璃の身分も後ろ盾の件もわたしとの結婚は不都合はない。

わたしは母上にどうしても瑠璃と結婚したいことを話した。

母上は難色を示した。

もう既に右大臣と話し合いも済まれている様子。

あとは父上からの許可がもらえれば公子姫はわたしの元に

くることになるだろう。

わたしはなんとしてでも瑠璃を妃にしたくて母上が瑠璃との

婚姻を認めざるをえないような話をした。

吉野が瑠璃姫に恋をしていることだ。

私が瑠璃を妃にしなかったら吉野は必ず瑠璃と結婚するだろう。

そうなった時、後宮でどうなるのか賢い母上が分からないはずはない。

大臣家と大納言家で派閥ができ、後宮は混乱するだろうと。

後宮を平穏にするのも女御の務め。

いらぬ厄介ごとを母上が認めるわけにはいかない。

こうしてわたしは瑠璃との結婚を母上から承諾させた。

ただし、必ず東宮になることを条件としてだが。

吉野には悪いが、瑠璃は私の妃にする。

わたしももうすぐ元服しなくてはならない。

大きな力を持ち、瑠璃と東宮の地位は吉野には渡さない。

愛する弟であるが瑠璃だけは渡せないのだ。

少し胸が辛く思うがこれが後宮での私の決意となった。

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