妄想の館

なんて素敵にジャパネスク二次小説(鷹男×瑠璃姫)

太陽と月2

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眠れない一夜を過ごした後、あたしは鷹男に会うのが恐くて仕方がない。

自分以外に妻がいるのは仕方がない。

でも自分だけは他の女御さまとは違い鷹男に求められて入内した。

そんな想いがあったからこそ自分だけは特別だと思っていた。

それが間違っていただなんて

あたしがこの後宮に入ってからのことをよく思いだして見る。

どれだけ考えてもあたしは鷹男から

「愛している」

その言葉を貰ったことがない事に気がつき心が傷んだ。

だったら鷹男はあたしの他に愛する人がいるのだろうか?

嫌な事しか思いつかないというのに

鷹男がこれからあたしに会いにくるという先触れが来てしまった。

鷹男と今は会いたくない。

そう思ってしまったあたしは、小萩に今日は来ないように

急いで伝えにいって貰ったの。

このまま鷹男と会わないことは無理がある。

でもこの気持ちの状態で会うなんてあたしには出来ない、

そう思っていたの。

小萩は鷹男が今日は行かないが何かあったのかと

心配していたといわれ、あたしは会えないけど

文に少し疲れが残っているが

一日休めば治るということをしたため、鷹男に贈った。





また夜がやってきた。

あたしはまだ鷹男のあたしへの想いを疑っていた。

いつもなし崩しにあって、本気の愛の言葉を貰っていないからこそ

鷹男が信じられなくなっていた。

早めに床についたがやはり眠れない。

このままうじうじしていること自体性にあわない。

あたしは鷹男に本心を聞きに行こうと思い清涼殿に向かった。

当然帝の住まいであるここは警備も厳重で

鷹男がいるところに誰にも見咎められず近づくことなんてできない。

だからあたしは遠回りだけど人がやや少なめの所を

警護のものに見つからないようにとおっていった。

どうもこのあたりは帝つきの命婦たちの住んでいる場所らしい。

見た事のある古参の命婦達が休んでいるところを見かける。

こんな見つかりやすい所にいては藤壺に戻されてしまう。

そう思っていたんだけどさすがにここは自分が知っている場所ではないし

広いから迷ってしまった。

鷹男に会うのは諦めてもう戻ろうと廊下を歩いていた時

女性の艶のある声を聞いてしまったの。

その声はこの命婦たちが住む部屋の一番奥だった。

誰か命婦に通って居る男が居るんだろう。

あたしは顔を赤らめながら元来た場所を辿ろうとしたのに

体が止まってしまった。

だってその女性の男を呼ぶ声「主上

そう呼ぶ声だったから・・・・・

嘘、鷹男は女御だけじゃなく女官にまで手を出していたというの?

帝は女官にも手を出し更衣として妻に迎えるのは珍しくはない。

でも鷹男がそんな誰にでも手を出す人だとは信じられない。

その場を離れることができず、二人の声を聞くだけしか出来なかった。

どんなに聞いても女性は主上としか呼ばない。

そう呼ばれるのは現在では鷹男しかいないのよ。

だったら鷹男は今日は誰か知らない女官と夜を楽しんでいるというの?



体がやっと動き、人の気配など気にもせずあたしは駆けだしてしまった。

まさかここに居ることを他の命婦に見つかるなんて思わず

あたしが駆けていって廊下を曲がったとき見つかってしまったの。

「不審なもの、そなたは何やつじゃ」

ヤバイと思ったけどそれどころじゃなかったあたしは無視してしまったの。

でもあたしの姿を知っていた顔見知りの命婦だった。

「これは藤壺の女御さま、こちらは我々女官が住む局です。一体何用でしたか?」

「別になんでもないの。ごめんなさい」

あたしの元気のない姿に命婦は気がつき更にあたしに不安の種を残す。

藤壺の女御さま、ここには女御様であろうと

主上が呼ばれなければ立ち寄ることは出来ないはずです。

なのにこのような場所まで来てしまってはいけないではありませんか?

ここに来なければ知らなくてもいい事もあるのですよ。

もう二度とこの場所には近寄らないのが女御さまのためにもなりますわよ」

いつものあたしならあんな命婦の言葉にムカついて

張り倒していたかもしれないのに今はそんなことできない。

命婦がそんなことをいうということは

鷹男には命婦のなかにいく人かの愛人がいるということを示唆する言葉だから。

あたしはそのまま自分の部屋に駆け込んだ。

自分以外の女御さまに通うのは仕方がないと考えたとしても

他にも沢山の女官にまで手を出すような

男だったとはショックとしか言えない。

そんな浮気性な男だったのかと思っても

ここまで愛してしまったあたしには、だからといって急に

鷹男への気持ちをなしにする事なんて出来ないの。

なんでこんなことになってしまったの。

鷹男は沢山の女性を愛する事ができる人なんだと気がつき

涙が次から次にとどまることができない。
悲しくて悲しいのにそれでもあたしは鷹男を嫌いになれない自分が

哀れに思えた。

 

 

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