妄想の館

なんて素敵にジャパネスク二次小説(鷹男×瑠璃姫)

太陽と月6

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「瑠璃さま~~~~~瑠璃さま~~~~~ううううう・・・・・」

「小萩・・・・・・」

「あまりにも酷い仕打ちではありませんか?

私はお主上に高彬さまを瑠璃さまが見える

寝所に誘導するのを命じられてお傍にいたのでございますわ。

ですから・・・ですから・・・うううっ・・・・・」

「ね~小萩。鷹男は一体どうしたいんだろう・・・・」

「それは・・・そんなの主上にしかお分かりになりませんわ。

自分は沢山の妃や愛人も作っていらっしゃるのに、

ほんとに殿方は一体どう言うおつもりなのでしょう」

「小萩・・・・疲れたわ・・・・・もう・・・」

「申し訳ございません。

お目覚めになられたばかりだというのにご無理をさせてすみません。

何かお飲み物をお持ちいたしましょうか?」

「ううん。何もいらない。何も口に入らないし休みたい」

「瑠璃さま・・・・・分かりましたわ。

夕餉の刻まで時間があります。それまでお休みください」

「ありがとう小萩」

そう言葉をかけてあたしは何も考えずに眠りについたの。

それから2,3日たっても体が重いような気がする。

以前から食欲がなかったけど、無理をして口に入れると

すぐに口から物が出てしまう。

そんなある日の夜、皆が寝静まったころ

誰かがあたしの寝床にやってきたの。

これが嵐の前の夜だとは思いもよらなかったわ。

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・さま・・・・・る・・・・・・さま・・・・・」

何?・・・・・誰かがあたしの眠りを妨げる・・・・・・・

目覚めたくない・・・・・

何なの?????

あたしは不安に思いながら目を覚ました。

そうしたら今まで見たこともないくらいの

険しい表情の小萩があたしを揺さぶり起そうとしていたのよ。

「・・・・小萩?」

「瑠璃さま!!!すぐに起きてくださいまし!!!!」

「えっ!」

「早く起きてください!」

切羽詰った小萩の言葉に不審に感じながら

あたしは小萩に言われるまま女房装束に着替え

小萩に手をとられながら闇の中、廊下を歩いていく。

「なんなの?小萩」

「何も言わずこのまま小萩について来てください」

「なんで?????」

「これは瑠璃さまのためなんです。

ここに瑠璃さまがいたら瑠璃さまが壊れておしまいになりますわ」

「そんなこと・・・・」

「いいえ、この小萩、瑠璃さまの事でしたら

瑠璃さま自身よりも知っております。」

「でも・・・・・・・」

「もう少ししたら、高彬さまがおみえになります。

高彬さまが自分を捨ててでも瑠璃さまの幸せのために」

「ダメ!!!絶対にダメ!!!」

あたしは小萩の手を離した。だって冗談じゃないわよ。

このままあたしが後宮を出てしまったらどうなるというの?

あたし達だけじゃない。父さまや融、内大臣家それだけじゃないわ。

高彬も右大臣家にも何が起こるか分からないじゃない。

そんなのダメ!!!!!!

こんなこと見つかったら謀反にしか見えないじゃない。

どんな罰が待っているか分からない。

そんな皆の犠牲を祓ってまであたしは・・・・・・・・・

あたしはここを去りたいの?

あたしは鷹男から離れたいの?

離れて高彬と一緒になったほうが幸せだというの?????

頭の中がいろいろな感情に支配されて

あたしはそのまままた小萩に手をつかまれ

どんどんどこかに向かっていったの。

あたしは・・・・・・・あたしは・・・・どうしたいの???

あたしは・・・・・

 

 


気がついた時には人気が薄い場所に連れてこられた。

そしていつの間にか門が見える。

あたしは不審に思ったの。

だって本来門近くには絶対に数多くの警備のものがいるはず、

なのにおかしいじゃない。

あたしはドンドン不安になっていく

「瑠璃さま!」

あたしは小萩にいわれ質素な御車に近づく。そうして

「瑠璃さん!!!急いで!」

中から高彬が顔を出す。

あたしはその手をとるのに一瞬だけ躊躇をしたの。

その時!!!!!!!!!

「そこまでだ!高彬!!!」

どこに潜んでいたのか、ものすごい警備のものに取り囲まれ

あたしたちは身動きが出来なかったのよ。

 

鷹男を中心とした検非違使たちに囲まれ

あたし達は身動きが出来なかったの。

あああ~~~~~~あたしの不安は的中した。

後宮を簡単に出る事なんてできないんだから・・・

あたしは高彬と離されてしまう。

藤壺の女御さまはこちらに」

知らない男に誘導される。

でもあたしはここで何もしないわけにはいかない。

「離して頂戴!!!たか・・・・主上・・・

高彬をどうなさるおつもりですか?」

あたしはきっと鷹男を睨み付けた。

「私の大事な家臣である高彬を無碍にはしません。

ですが厳しく取り調べて追って処罰します。」

「何を言っているの?高彬は何もしてない!!!

何もしてないじゃない!ただあたしをここから出してくれるために」

「それがどんな大罪なのかあなたは知っておいででしょう。

私の女御をここから連れ出すだなんて誘拐です。

それはそれは重い罪です。」

「そんなのあたしのためを思って」

藤壺と話をしていても拉致が空かない。すぐに高彬を取り調べなさい」

「ちょっと待って!!!止めて!!!高彬には罪なんてないわ!

だから・・・だからお願い」

あたしの叫び声なんておかまいなしに

検非違使は高彬を連れて行こうとする。

「待って!待って!高彬~高彬~高彬~」

大きな声で叫んでも誰も止めてくれる人はいなくて

高彬はそのまま連れられてしまったの。

あたしは抵抗をして高彬について行こうとするんだけど

他の者に取り押さえられているからついていく事は不可能だった。

「高彬~~~~~~~~~」

あたしは泣きながらそのまままた意識を無くしてしまったのよ。





















気がついた時、あたしは何故か

いつもと同じ場所である藤壺の寝所にいたの。

なんで????

あたしは高彬とここをでようとしたところを見つかってしまったのよ。

高彬は捕らえられ、だったらあたしにも罪があるはず。

なのにあたしを閉じ込めている様子が

全く覗えなかったの。

「瑠璃さま!!!気がつかれましたか?」

「小萩!!!」

あたしは小萩の姿を見て凄く安心したのよ。

だって、あたしを高彬と会わせる為に手引きをした小萩にも

なんらかの処分がされるものだと思ったんだもの。

あたしは小萩の無事を見てさらに涙を流したの。

そして一番気になった高彬の無事を確認したくて

あたしは小萩に詰め寄ったの。

「ねえ小萩!高彬は?高彬はどうなったの?ねえ!!!」

「瑠璃さま・・・・」

困ったような様子の小萩。その状況を一気に変えるものが現れた。

「瑠璃姫、意識を取り戻されましたか。

あなたの身に何かがあったら私はどうしたらいいのでしょう」

「鷹男!!!!!」

あたしは鷹男の姿を見たらすぐに近づき

高彬の安否を尋ねる事しかできなかった。

「高彬は?どうなったの?ねえ~高彬はどうなったのよ!!!」

「瑠璃姫、あなたは私の女御なのですよ。

そうも他の殿方の名前を連呼されるだなんて私は嬉しくありませんが」

「そんな事どうでもいいわよ!ね~高彬はどうなったのよ!!!」

「そうも興奮なさったらあなたの体に支障がきたします。

落ち着きなさい。」

「落ち着けるわけがないわよ!」

「ふう、まあそうでしょうね。

ですがあなたが高彬の状況を知ってどうなさるおつもりですか?」

「それは・・・・・・」

「あなたが高彬を助けようとしたら、

さらに高彬は罪を犯すことになるのですよ」

「そんなこと・・・・・」

「まあいいでしょう。高彬が今どんな状況か、

そして悪いほうには持っていかないと約束をしましょう」

「本当!!!!」

「ですがあなたが私が言う条件を守ると言われるのなら

そうお約束いたします。」

「条件ってなんなの?」

「あなたが約束しなければ条件は言いません」

あたしは鷹男のいうことを聞くしか出来なかった。

「分かったわ。だったら早く条件を言って頂戴!!!」

「さすがは瑠璃姫。そうですね、

私の条件を呑むしか今は何もできませんものね・・・・・

理姫への条件はあなたの体を労わること。

前のように体を丈夫にしてください。

このままではあなたの体が壊れてしまいます。」

「なんなの?それだけ?それだけが条件なの?」

「いいえ、それだけではありません。これが基本的な事。

今から言うのが本当の条件です。

あなたには無事に私の御子を産んでいただかなければなりません。」

「それって・・まさか・・・・」

「そうです。今瑠璃姫の体の中には私との御子が授かっているのです。」

「そんな・・・・・・・・・・そんな・・・・・・・・・・・」

なんで今さらなの?

こんなに苦しんでいるときに鷹男の御子を身篭るなんて・・・・・

嫌!

御子さまには罪はない。

でもあたしは鷹男を今憎むことしかできない。

なのにそんな状態であたしは鷹男の御子を

産むことが出来るわけがないわ。

あたしはふと疑問を感じたため尋ねた

「なんで鷹男との間に出来た御子さまだと分かるの?

鷹男は高彬とあたしのことを疑っていたから高彬は捕まったのよ。

だったら鷹男との御子さまじゃなくて

高彬との間に出来た子だと思われても

仕方がないと言うのに」

「それは全然問題はありません。

あなたと高彬は深い関係ではない。

ですからあなた達の間に御子ができるわけがないんです。」

「なんでよ!なんでそんなこと分かるのよ!」

「あなたは賢い方だ。

あの誘拐事件が優秀な高彬が仕組んだ割には簡単に捕まった。

それは何故かとお思いになりませんでしたか?」

そうよ。思ったわよ。不思議だったわ。

あたしたちがあの門に行くまでに一度も見つからなかった。

まるで罠にわざわざかかりに行ったみたいに・・・・・・・

「そうよ!なんでよ!」

「さあ~なんででしょうかね。

あなたの身辺はずっと監視していましたからね。

それもあなたの一番信頼しているものにね」

「!!!!!!!まさか・・・まさか・・・・・」

あたしはそのまま小萩の方に視線をやった。

そうしたら小萩は表情を変えず平伏したのよ。

「そんな!!!!!!」

ショックだった。まさか小萩に裏切られていただなんて・・・・

おかしいと思ったのよ。

目が覚めたとき、本来誘拐に関与した小萩が

あたしの傍にいるわけがないのだもの。

だったらあの簡単に捕まった誘拐事件は小萩が唆した。

だから高彬にしては簡単に見つかってしまったんじゃあ。

「小萩嘘よね。あんたが鷹男と協力していただなんて・・・・

あの誘拐事件もあんたが高彬に言ったんじゃないわよね。

あたしのただの憶測だよね。

ねえ~小萩あたしを裏切ったりなんかしてないわよね。

そうよね小萩!!!!!はっきり言いなさいよ!

裏切ってないって!!ねえ~」

「瑠璃さま・・・・・瑠璃さま・・・・申し訳ございません。

私が高彬さまに進言して誘拐を唆しました。

そして瑠璃さまの行動は逐一主上に報告させていただきました」

「なんで!!!!!何でよ!

あんたはあたしの一番大事な腹心だと思っていたのに・・・そんなの、

そんなのって・・・あんたは裏切り者よ!あたしは小萩を許さないわ。

許さないんだから」

あたしは誰も信じる事ができないくらい人間不信になってしまった。

だって一番信頼していた者に裏切られ

信頼したものは罠に嵌まって捕まってしまったんだもの。

これは悪夢

夢よ

あたしはこのまま現実から逃れたくてまた意識を手放すことにしたのよ。

 

あたしの心はボロボロだった。

信じていた小萩の裏切りに呆然となっていた。

意識を取り戻したあたしは小萩にもう一度取りすがって聞いたの。






「瑠璃さま、お加減はどうですか?」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

「瑠璃さま・・・・・・・」

「小萩、一体どういうことなの?あんたは本当にあたしを裏切ったの?

ねえ~小萩はあたしの大事な腹心であり女房ではあるけど

あたしにとっては血の繋がらない姉だと思っていたのよ。

なのに何?本当のことを言って頂戴!!!!!

あたしを裏切ってなどいないわよね!ねえ~小萩!!!!」

「申し訳ございません。私は主上に今まで協力していました。

ですから瑠璃さまに裏切りものと

罵られても仕方がないことを致しました。これは小萩の罪です。

瑠璃さまに憎まれても仕方がありませんわ。」

潔い小萩。

まるであたしが悪いかのような気になってくる。

そんなの許せない

「分かったわ、小萩は鷹男の味方なのね。」

「いいえ、いいえ違います。私は瑠璃さまの・・・瑠璃さまの・・・」

「その後の言葉は何なの?小萩も鷹男と一緒じゃないの!

あたしが信頼した時に急にあたしを裏切るなんて鷹男と・・・

鷹男と・・・・・一緒じゃない!!!!!」

「瑠璃さま・・・主上は・・・主上は・・・・・・」

「何なの?鷹男が何なのよ!!!言ってみなさいよ!!!」

「いいえ、何でもありません。」

「・・・・・・・・・・・・・・・ああ~そう。

小萩は鷹男の味方だもの。どうでもいいわ。

あたしは小萩を許さない。許さないんだから!!!!!

あんたはけしてあたしの傍を離れないで頂戴。

でも、あたしの身の回りのことは他の子達に頼むわ。

あんたはただあたしを見ているだけ。

絶対に手を出さないで頂戴。あんたと話す事なんてないわ!

どうせあたしのことを鷹男に報告しないと

いけないんでしょうから都合がいいでしょうからね!!!」

怒りにあたしの心は支配されていく。

でもあたしは小萩を手放す事ができない。

裏切られたとはいえ小萩が傍にいないことは

あたしには考えられないことだったから。

でもこのままではあたしの気持ちも納まらない。

だったら小萩には辛い事をさせる。

何もさせない。

藤壺にいるのだけれどもいない存在として対応する。

これなら小萩も苦しいと思う。

昔からあたしの身の回りのことは小萩にしか

触らせなかったんだから

だったら急にその仕事を奪われたら、小萩も苦しむと思うわ。

小萩は何かを隠している。

そう思う。

でも何も教えてくれないのだもの。

あのときのあたしは、裏切られたショックで

周りを全く見る事ができなかったのよ

 

 

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