妄想の館

なんて素敵にジャパネスク二次小説(鷹男×瑠璃姫)

太陽と月7

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お腹は段々大きくなっていく

元々父さまは出世意欲がなかった人だから

あたしが女御になるとは思っていなかったみたいだけど

女御になってしまったからあたしの後見はしっかりとしてくれていた。

その上御子様まで授かってしまい、始め父さまは戸惑ったみたい。

でも喜んでくれてこの藤壺も騒がしくなっていたの。

あたしは周りが喜んでくれるのをしり目に、全く気持ちは晴れなかった。

御子さまを授かったおかげで、最近あたしの後宮での生活にも

支障をきたすようにもなっていた。

大げさではあるけれども今まで何も妨害がなかったのに

御子さまを身篭ってからは他の女御さまの女房達や一部の命婦達に

影ながらいろいろ言われたりされたりするようになっていたの。

何故あたしがこんな風に周りに目の敵をされなくてはいけないのかと

それがイヤだった。

あたしは好きで御子さまを身篭ったわけじゃない。

愛されて身篭ったわけじゃない。

そんな辛い立場でお腹のおややを守らなくてはいけないのよ。

なのになんであたしがこうまで鷹男の愛人や女御さまに

いろいろ言われなくちゃならないの。

あたしは段々このことで不満を募らせていったの。


















ある管弦の宴の場

あたしはいつもなら欠席をするはずなのに

あたしの女房の一人が他の女御さまの女房の一人と

売り言葉に買い言葉で、

あたしがこの宴に出なくてはならなくなってしまったの。

女房は凄く申し訳ない事をしたと反省をしていたのだけれど

あたしは心の中でかなり怒っていたのよ。

どうしてあたしをほおってくれないの?

あたしは自分の局からもう出たくはなかったのに

いかにも敵側である丞香殿の女御さま主催の宴に出ることになり

あたしは内心穏やかに入られなかったの。

招き入れられ丞香殿に入ったあたしは

敵視される視線のさなか、自分の席につこうと歩いていくと

相変わらずな嫌なお声が耳に入ってくる

「最近自分が一番だと思われているんじゃないかしら」

「ほんに几帳を増やし女房の数も増やして見えるそうで

自分の実家の強さを見せびらかしているそうですわ。

ほんにやらしいわ~」

「あんなにお腹が目だっているのに

よくこの場に顔を出す事ができますわね。」

「物の怪姫と呼び名があられるお方ですもの。

そんなこと位で大人しくなさるお方ではありますまい」

むかむかむかむか

一体何?

以前から周りの目がいたいのは分かっていたけど

日増しに敵視される視線は増える一方

だったら何でこの場にあたしを呼んだりしたのよ。

あたしはかなりムカつきながら

席に向かう途中誰かの足に体がひかかり、

思わず転がりそうになってしまったのよ。

「あっ!」

体がぐらっとなったときに誰かがあたしを支えてくれた。

「女御さま!!!」

あたしはすぐ傍にいた小萩に体を支えられた

「ありが・・っ・・」

小萩には声をかけたくない気持ちと

何故あたしがこんな目にあわないといけないのかと言う気持ちが大きくなり

何もいわず丞香殿を飛び出してしまったの。
















なんであそこまで言われなくちゃいけないのよ。

その上あたしの体にまで危害を与えようとするだなんて。

前のあたしだったらもっと痛烈な嫌味で応酬していたと言うのに今では何?

ここまで弱くなっていたあたしに愕然と来てしまったの。

悔しい・・・悔しい・・・悔しい・・・・

そんな気持ちでいっぱいだった。

そしてまたもやいらない感情が芽生えてくる。

いつまであたしはここにいるの?

憎む男のやや子を身篭り束縛されながら生活を何故しなければいけないの。

どこであたしは間違ってしまったの。

あのままあたしは鷹男から本心を聞かなければよかったの?

そうすれば愛した男のやや子を身篭って

本来なら幸せに過ごす事ができたのかもしれないと

あの時鷹男は言っていたじゃない。

聞かないほうがいいと、

それを無理やり聞いて鷹男の心の中に

あたしがいない事を知って苦しみ続ける形となってしまった。

自分が一番悪いんじゃないの?

どんどん心に暗い感情が支配されていく。

あたしは自分だけを愛してくれる人と幸せになるはずだった。

あたしは愛し愛されたかったのにあたしは愛されなかったのよ。

愛されたかったのに・・・それなのに・・・・・・

絶望感がどんどん押し寄せてくるあたしの元に

誰かがあたしを救ってくれた

トントントン・・・・・

トントントン・・・・・

何????何なの?????誰??????

トントントン・・・・・・・・・・・・

トントントン・・・・・・・・・・・・

悲しい感情が絶望な感情が現れてくるはずなのに

誰かがあたしの心に問いかけるように

心の扉にノックをかける

あたしの心はしだいに絶望から希望へと変化をしていく。

トントントン・・・・・・・・・・

トントントントン・・・・・・・・・

何も言わない

何も問いかけない

なのに何故あたしの心は穏やかになっていくのだろう。

初めての交信

あたしの心を救ってくれたのは・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・

あたしはお腹に自分の手をかける

ここからあたしの心を救ってくれている。

まるであたしを励ましてくれるかのように

お腹を元気に叩いて自分をアピ-ルしているかのように

はげましてくれている。

ただの偶然なのかもしれない。

お腹が大きくなっているから御子さまも成長して

お腹を蹴る元気が出てきたのだろう。

でもその行為のおかげであたしの心はいつもとは違う

元気を貰う事ができた。

後ろ向きなことしか思えなかったあたしに

前向きにそして希望に向かって心が前進するようだったの。

お腹の御子さまから貰った元気・・・

そして勇気を貰いあたしは小萩にさっきの感謝の言葉を

心をこめて言おうと思った。

あれから全然まともにあたしは小萩と話をしていない。

あたしを裏切った訳は絶対にある。

それをまともに聞かずにあたしは小萩を敬遠していた。

小萩からもっと残酷なことを聞きたくなかったから・・・・・

でももう何十年と一緒にいた小萩が

あたしを理由もなく裏切るだなんて考えられない。

どうしてもっと早く小萩に直接聞かなかったんだろう

きちんと聞かずにあたしはただ裏切り者と叫ぶ事しかできなかった。

だから今度こそ真実を見極めよう。

いいえ見極めなければならない。

こんな後ろ向きな自分にさよならがしたい。

あたしは早速小萩を呼んだの

ところが珍しく小萩は現れなかった。

女房の話では藤の宮さまが参内なされたらしく

小萩は藤の宮さまに呼ばれ今は登香殿にいると教えて貰ったの。

藤の宮さまは時々あたしのお体を気にしてくださり

藤壺を訪れてくれていた。

でもあたしはそれでも他の人にいろいろ言われても

心が晴れず藤の宮さまにまであたしは長い事話すこともせず

閉じ篭もってしまっていた。

小萩が藤の宮さまのところなら

藤の宮さまにもさまざまな失礼な態度を謝りたくなり

あたしは登香殿に向かったのよ。


 

 

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