妄想の館

なんて素敵にジャパネスク二次小説(鷹男×瑠璃姫)

太陽と月8

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あたしは登香殿に向かった。

いつもなら藤の宮さまがおみえになる時は

もっとざわざわしているはずなのに、何故か静かだった。

もしかしたら人払いをしている最中かも知れない。

御連絡もせず思わずきてしまったのだけれど

一度藤壺に戻った方がいい、そう思ったの。

回れ右をしようと思った時、

かすかにあたしの名前が出てきたような気がしたの。

どうしても我慢が出来なくなりあたしは声のするほうに近づいていった。

そうしたら小萩と藤の宮さまが険しい表情で何かを話して見えたの。

まさかあたしが傍で聞いているとも知らずに・・・・・

 

 


「小萩さん・・・・このままでよろしいのですか?

瑠璃さまに誤解されたままだとお聞きしました。

まさかこのようなことになっているとは思いもよらず

今さらながら私、瑠璃さまに

本当のことをお話しようと思い参内したのです」

「いいえ、藤の宮さまのお手を煩わせることなど何もしていません。

このまま退出なさってください」

「しかし私、このまま瑠璃さまだけが知らないというのは不憫で・・・

それに主上が私に手を出されることはないと思うのです。

あれはただのはったりだと・・・私はそう思います。

ですからあなたが瑠璃さまを裏切ったわけではない。

それなのにそう思わせておられるようで

それではあなたが可愛そうではありませんか?」

何・・・・・・何なの?・・・何のこと?・・・・・・

あたしが誤解をしている?小萩はあたしを裏切っていない?

一体何の事を言っているの????

あたしは思わず二人の前にでてしまった

「何のこと????小萩と藤の宮さま

一体何をあたしに黙っていると言うのよ!!!」

「「瑠璃さま!」」

二人の声が一緒になった。

まさかあたしに聞かれているとは思わなかったみたいで

かなり動揺していたの。

「瑠璃さま・・・・何でも・・・何でもないのでございます」

あたしにこれ以上深い事を聞かれたくないみたいで

小萩はあたしにそう言ったの。

でもあたしは全く納得できなかった。

だって当事者のあたしが知らない事実があるだなんて納得できる???

そんなお人よしじゃないわ。

あたしは二人に本当の事を話す様に迫ったの。

「瑠璃さま・・・瑠璃さまにはいづれ知らせなくてはいけないこと。

今まで黙っていたことが私は申し訳ない気持ちでいっぱいだったのです。

もう瑠璃さまがお知りになっても言いと思いますわ」

「ですが!!!」

小萩はあたしに聞かせたくないようだったけど

あたしは聞かないと収まらないし、

藤の宮さまも話す覚悟が出来たみたいで

ゆっくりあたしにいろいろ話してくれた。

それもあまりにもショックな真実だった。

 


「瑠璃さま、まずは小萩さんは瑠璃さまを裏切ってなどおりません。

それだけは私自分の目で知っています。

ですから小萩さんを許して差し上げてください」

「でも・・・・・」

藤の宮さまにいくら頼まれても真実も知らずに許せるわけがない。

そうしたら話を先に進めてくれたの。

「私が瑠璃さまではなく、

始めに小萩さんにある出来事をお話したのです。

そのお話をしている最中に主上に見つかってしまい

このことを瑠璃さまにお話したら

私に何か害になる事をなさると私達を脅されたのです」

「えっ・・・・」

「このまま主上の願いとおり瑠璃さまにお話しなければ

私後悔を絶対にすると思っていたのです。」

「一体何があったのです???」

「瑠璃さまは主上の母上さまはどなたか知って見えますか?」

「え!そんなの今光徳院と御一緒に院御所にお住まいになられる

大皇の宮さまですわ」

「ええ、そのとおりです。ですが本当は違うのです」

「違うって何なのですか?」

主上の本当の母上さまはまだ主上が幼い頃にお隠れになりました」

「????鷹男の母上さまは御健在で」

「御生母さまは主上、いえ鷹男が幼い頃にお亡くなりになりました」

「そんな重大なこと噂にもなっていませんわ!!!」

「ええ~このことを知っているのはごくわずかな者しか知っていません。

多分皇族しか知らないことだと思います。」

「そんな!!!!一体どうして!」

「鷹男の御生母さまは毒殺されたのです。

それも犯人は未だに分かっていない」

驚愕的な事実!!!!そんな・・・・・・・・・・

そんなことってあるの?あたしは驚きを隠せないでいたの。

それでも藤の宮さまは話を続けたの。

「鷹男の御生母さまは光徳院の寵愛を一心にお受けなさっていたのです。

沢山の女御さまがおられたというのにそれさえも無視して愛され続けた。

いくら貴族達に忠告されても光徳院の愛はずっと変わらなかったのです。

御生母さまへの嫌がらせもかなり酷い様子でしたが

ずっと光徳院は御生母さまを傍からお離しになる事は少なく

お二人はとても幸せそうだったのです。

そして鷹男が生まれ

光徳院は次期帝は鷹男しかいない、そうお考えなさっていたのです。

しかし、いつまでもその幸せは続きませんでした。

今まで光徳院がお守りになっていた御生母さまは

どうしてか毒によって命を絶たれてしまったのです。」

「そんな・・・でもそんな大事件だったら絶対にばれるはずよ!!!

なのになんで殆どのものは知らないの?

そして大皇の宮さまは一体誰だと言うの!!!」

主上は最愛の女御さまをお亡くしになり絶望に見舞われたそうです。

本当なら御生母さまの暗殺の犯人をすぐにでも見つけたい。

でもここで御生母さまがお亡くなりになっている事を皆に知られてしまったら

鷹男は廃嫡、もしくは命を狙われることになる。

そう思った光徳院はとんでもないことを思いつかれるのです。

御生母さまには実は殆どのものが知らない妹君がおられたのです。

その妹君は双子の妹君で御生母さまと姿形そっくりな方だったのです。」

「では・・・」

「はい、この時代双子というのは忌み嫌われる存在。

ですから双子だということを知っている人は本の一握り。

ですから誰にも知られず妹君は身代わりに・・・・」

「そんな・・・・・・・・」

なんてことなの!!!!!!!!

あまりにも深い真実。

驚きすぎたあたしはしばらく呆然とすることしか出来なかった。

 

 

しばらく声も出ずあたしは驚きを隠せなかった。

その様子を見ていた藤の宮さまはさらに言葉を連ねる

「これはあくまで私の想像なのですが

鷹男は御生母さまをお無くしになられた事で

自分は同じ轍を踏まないようにしようと

心がけて見えたと思うのです。

光徳院が一人の方に愛情を注がれていたため

御生母さまはあの頃かなりうとまわれておられました。

もともと御生母さまの後ろ盾も弱く、

他の有力貴族の女御様方に怨まれてお見えでしたから・・・

だから鷹男は一人だけを特別扱いはせず

皆を平等に扱おうとされていたのだと推察いたしますわ」

確かに藤の宮さまがおっしゃられた通り

鷹男は特別扱いを誰一人としてしていなかった。

あらゆる女性をわけ隔たり無く愛情を注いでいた。

でもそれがあたしには我慢できなかった。

鷹男のそんな裏側があっただなんて驚きすぎたけれど

あたしは自分を愛してくれる人と結ばれたかったのは

あたしの我儘なんだろうか?

鷹男は好きを沢山くれた。

でも愛情は与えてくれなかった。

自分を嫌いなわけではない鷹男にあたしはそれだけでも

満足しないといけないんだろうか・・・・・

あたしは藤の宮さまが教えてくださったことに対しての感謝の言葉を残し

麗景殿を退出し自分の局である藤壺に戻ることにしたの。

あたしはしばらく考え事をしたい。

だから皆に一人きりにして欲しいと頼み

自分の心を整理しようと務めたの。

しばらくずっと考え込み自分の心の葛藤に悩まされた。

そんな大事な裏があるのだから

鷹男からの愛情を独り占めする事など不可能なこと

だったらあたしは諦めて鷹男と元の生活に戻り

愛はなくても好きだけで満足すればいいのじゃないかと・・・

もうすぐ生まれてくる我がこのためにも、

あたしたち親が・・・いえあたしが鷹男を許せないまま

生活していれば御子さまはどう思うのだろうか?

自分の我がこのためには鷹男との仲を修復しないといけないと思うの。

思うのだけれども・・・・・・・

やっぱり・・・・・・・・

ことん・・・・・

誰かがこの部屋に入る音がしたの

そちらを見たらそれは・・・・小萩だった。

何用なのかとあたしは無言で小萩を見つめた。

あたしはさっきの藤の宮さまから聞いた言葉に

一つだけ不審なことがあったことを思い出す。

藤の宮さまは自分のせいで小萩はあたしを裏切った形となった。

そうおっしゃられていたけどそれだけの理由で

小萩があたしを裏切り鷹男に協力していた理由に

ならなかったと思うのよ。

だから小萩はまだ何かあたしに言っていないことを内に秘めていると

そう思ったの。

でもそれを聞きだすのは何故か出来なかった。

小萩があたしに言うまで待とうと思ったのだから・・・・・

なのに小萩からあたしに近づいてくる真意はなんなのか?

下を向いてあたしの前に現れた小萩は

何かをふっきたかのように正面に見据えあたしと対峙したの。

「瑠璃さま・・・数々のご無礼申し訳ありませんでした。」

「別に小萩があたしを裏切ったわけじゃないと今では納得しているわ。

でも・・・・・

うう~んもういいわ。今まであたしは小萩を無碍にしてきた。

それでもあたしについて来てくれた小萩に感謝しているのよ。

今までごめんなさい。これからもよろしくね小萩!」

あたしは一瞬小萩がまだあたしに何か隠し事をしている事を

聞こうかと思ったの。

でもあえて聞くのをやめた。

いつかあたしに全部話してくれるとそう思ったから。

今までいろいろなことがあってあたしは参っていたけど

自分だけが悲劇のヒロインみたいに落ち込んでばかりいた。

なんだかそれも馬鹿らしくなってきたの。

周りをよく見てみようと・・・前向きに生きて行こうと思うの。

そんなあたしに向かって小萩はさらに衝撃を受ける言葉を話し始めたの

「瑠璃さま・・・・瑠璃さま・・・・ううっ・・・・私は私は・・・・・」

「どうしたのよ・・・小萩!」

「やっぱりこのことは瑠璃さまにお話すべきだと私そう思いますわ。

ずっと思い悩んでいたのです。

このことは主上の言葉から瑠璃さまにお話すべきことだと・・・

ですから私何もいえず主上の協力をしようと決心したのです。

ですが・・・・ですがこれでは瑠璃さまが苦しむだけで・・・

私は私は・・・・・・」

「小萩??????」

「・・・私は瑠璃さまを裏切るために主上に協力した訳ではありません。

瑠璃さまを思って主上に協力したのです。

瑠璃さまは主上を愛してお見えでしたから・・・・・

そして私は主上のある行動を言葉を聞き主上に協力しようと思ったのです。」

小萩は思いつめたようにあたしに告白し始めたの。

「瑠璃さま・・・主上は・・・主上は・・・・

瑠璃さまだけを愛されております!」

「!!!!!!!!」

何を言っているのかよく分からない。

なんで鷹男があたしを愛していると言うのよ。

あんなにあたしのことを拒絶した鷹男が

あたしを愛してくれているわけがないじゃない。

「私は偶然見てしまったのです。

瑠璃さまがお休みになられているところに主上が瑠璃さまに

愛の言葉を囁かれているのを・・・・

理姫・・・・愛しています。あなただけを愛しているのです・・・

そう何度もおっしゃられていました」

「嘘よ!そんなこと・・・そんなこと言うわけないじゃない!」

主上は瑠璃さまに直接囁かれることはないと思いました。

あのときも瑠璃さまが眠られていた時でしたから・・・・

瑠璃さまに相談されたとき私は主上は瑠璃さまを愛されている事を

知られたくないのだとそう思いました。

藤の宮さまからの言葉を聞き

更に私は主上は瑠璃さまだけを愛されていると・・・

でもそれは周りに知られたくはないことなのだと思っていました。

二人とも愛しあいされているのなら

瑠璃さまに裏切られたと思われてでも主上に協力して

いつか主上が瑠璃さまに告白なさることを夢見て協力いたしました。

それがこんなに辛いことだとは夢には思わず・・・・」

「そんなの・・・・・・」

小萩の言葉を聞いて更にあたしの心はざわめき混乱してしまった。

鷹男があたしを愛している????

本当に愛されていたの??????

夢の中で鷹男に愛の言葉を囁かれていたのは現実のことだったの?

グルグル沢山の事を聞きすぎてよく分からなくなってしまった。

あたしは小萩に休みたいことをいい早めに床についてしまったのよ


 

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