妄想の館

なんて素敵にジャパネスク二次小説(鷹男×瑠璃姫)

好きなのに~揺れ動く恋心4

最近、瑠璃さんの様子がおかしいことに気がついた。

見た目は変わった様子はない。

でも、いつもと違って瑠璃さんのしぐさに

ドキッとすることが多くなったような気がする。

瑠璃さんの態度は姫様らしさはないんだけど女らしさが上がった?

そう、色っぽくなった?

今までは着るものは、いつも同じような色合いで

気にいった色ばかりを使っていたのに

最近は使わない色合いのものを纏うようになった。

いつもと衣が違うせいだろうか?

なんだか瑠璃さんが可愛らしく見えて仕方がないんだ。

いや、僕は瑠璃さんが好きなんだから

いつも可愛いな~と思うけど雰囲気が少し違うんだ。

まさか瑠璃さんに恋人が!?

でもそんな噂全く立っていない。

もし瑠璃さんの相手なら誰かが瑠璃さんに通いだしたと言い出すはずだ。

それに大納言様もそんな素ぶりされていないし・・・・

僕の勘違いだったらそれでいいんだ。

瑠璃さんに愛する人がもし現れてしまったら、

僕は多分狂ってしまうと思うから。

何十年も想い続けた瑠璃さんが、

他の男のものになるなんて絶対に考えられない。

だから僕はあえて瑠璃さんを問い詰めなかったんだ。

僕はこの時になってもまだ瑠璃さんに告白しようとは思わなかった。

もうすでに瑠璃さんは愛する人に出会っていることに

気がつかないふりをしてしまっていたんだ。

まさかこれが一生僕の後悔となるなんて思ってもなかったんだよ・・

 

 

 

 

 

 

あたしは最近おかしいの。いつもあの男・・・・

そう鷹男のことが頭の中から離れてくれないの。

鷹男が一体何者なのか結局教えて貰っていない。

鷹男は絶対に名のある貴族に違いない。

そう思っているわ。

だって狩衣姿であたしの前に現れたんですもの。

身軽な姿だとはいえ立ち振る舞いからし

身分は高いものとしか考えられない。

それなのに鷹男はけして自分の身分だけは教えてくれなかったの。

三条邸に現れた理由は教えてくれたのに

それ以上は上手に言葉巧みに躱してしまう。

なんと三条邸に現れたのは怪しい人間が三条邸に入ったのがきっかけで中に居たみたい。

逞しく美しい容姿の鷹男は、話しはじめると

容姿だけではなく頭の回転も早い人物だとすぐに分かった。

その辺の女を追いかけるしか脳のない貴族の馬鹿子息達とは全然違う。

だからかな~凄く気になる。

鷹男はあれから次の満月の夜に現れてから時々顔を出す。

いつ来てくれるのか分からないからこそ

鷹男が来てくれた時は嬉しさが増してしまう。

あたしは鷹男に恋をしてしまったの。

鷹男が一体何者であろうとも、

もう既に後戻り出来ないほど愛してしまった・・・・・

あたしは思い出す・・・二度目に再会した時のことを・・・・・・・・

もう一度鷹男に会いたかった。

どうしてもあたしを助けてくれた感謝の言葉が言いたかった。

そう、感謝の言葉をただ言いたかったの・・・・

それは言いわけにしかならなかったのに

今ではもう知っているわ。

あたしは初めて鷹男を見たときから恋をしてしまったということを・・・

 

 

 

 

あたしは二度目の再会を夢見て待ち合わせの時間に

鷹男がこの庭に来るのを楽しみに待っていた。

鷹男はあたしの言葉通り来てくれる。

そんなことを勝手に想像して夢見ていたの。

でもあたしが待ち始めてから半刻が経った。

少しだけ不安になった。

「次の満月の今の時間に会いましょう」

あいまいな時間指定。

だから鷹男は時間が分からないんだ。

そう勝手にまだ想像していただけだった。

しかしどれだけ経っても鷹男は現れなかった。

あたしは段々不安になってきたの。

もしかしたらあの晩に出会った鷹男というものはいないのかも・・・・

夢だったのかもと・・・・

一瞬の出会いだった。

あんな騒ぎが起こった後だというのに

誰も鷹男の姿を見たものはいなかったのだから。

急にあたしの目に涙が溜まってきてしまったの。

何故なのか理由が分からなかった。

鷹男に会えない寂しさなのか・・・・

それとも騙されたという悔しさなのか全然分からない。

庭にただ一人あたしは佇んでいた。

また盗賊がこの邸に入りこむ危険もあるのに、どうしても

ここから離れることが出来なかったのだ。

今は暑い季節。それでも夜はひんやりしていて少し肌寒い。

夏だからと油断して薄着で待っていたのだ。

夜風があたしの体をすり抜けていく。

鷹男の馬鹿・・・・・心の中でそう思ったとき

夜風と共に侍従の香が漂ってきたの。

その香を感じた途端あたしの体はその香に支配されてしまったの。

「瑠璃姫申し訳ありません。あなたを待たせすぎました。

ああ~手がとても冷たい。私の手のぬくもりで

少しでもあなたを温める事が出来たらいいのに」

ああ~あたしはあんたを待っていたのよ!

鷹男に待たせられすぎたことに怒りの感情は湧いて来なかった。

ただ嬉しくて仕方がなかった。

あたしの目の涙は先ほどとは全く違う理由で落ちていく。

その涙を鷹男は指で拭ってくれた。

そしてそのままあたしと鷹男は口付けを交わしたの。

初めての接吻。

なんて心地よいものなのかうっとりしてしまう。

あたしはこの時幸せを感じたというのにそれからすぐにドン!

鷹男の体を離してしまったの。

「あっ!?ごめんなさ!!!鷹男!あんたを押すつもりはなかったのよ。

ただ、ただね~あたし達は出会って間もないでしょう。

それなのにこういうことはまだ早いと思うわけで

~~~~~」

ああ~~~~どう言えばいいんだろう。

鷹男は絶対に不愉快に思ったに違いないわ。

押したとき一瞬驚いていたのですもの。

あたしは思わずオロオロして慌てふためいていた。

「ふふふ・・・・・あははははは!!!!!」

鷹男?急に鷹男は笑い出してしまったの。

鷹男の感情がさっぱり分からない。

せっかくのム―ドをぶち壊したあたしを怒っているんじゃないの?

少しの間鷹男の笑い声が聞こえてくる。

それから鷹男はあたしに話しだしたの。

自分の行動の方が悪いのだからあたしが気にする必要はないって・・・・・

それからあたしは緊張するかと思ったけど、

色々な話で盛り上がり、楽しむ事が出来た。

あたし達は時々夜に出逢う関係になった。

夜に出逢うといっても恋人関係ではなく友人関係?

でもあたしと鷹男の関係はよく分からない。

時々いい雰囲気になるのだけど、それ以上に発展しないのだから。

あたしは鷹男を好きになってしまった。

だから覚悟はできていたのになかなか恋人へとは発展しない。

あたしは鷹男に振り回されていたけどそれでも今幸せだった。

だってやっと本気で愛せる人に出会ったんですもの。

彼が何者なのかは分からないけど大丈夫。

あたしは鷹男を信じてる。

あたしは今幸せなのだから・・・・・・・・

この幸せがもう長くないことにあたしはこの時まだ気がつかずにいたの。

こんなに苦しいだなんてね・・・・・・・・・

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