妄想の館

なんて素敵にジャパネスク二次小説(鷹男×瑠璃姫)

好きなのに~揺れ動く恋心7

あたしが間違っていたんだろうか?

本気で好きになりたい、愛したい、

そう思い自分も思われていると思ったら

それが嘘だった。

あたしは騙されていたのよ。

あたしは悲しくて悲しくて高彬の胸を借りてずっと泣き続けた。

泣いて泣いて鷹男のことを忘れたかった。

そしてあたしは泣いたおかげで少しだけ気が楽になったの。

でも散々高彬に胸を借りた状態だったとはいえ、

先ほどの見っともない姿を高彬に見せ続けていた事が

段々恥ずかしくなって来てしまったの。

あたしは動揺を見せないように高彬にお礼の言葉をかけた。

「た、た、高彬、あの、あのね、胸を貸してくれてありがとうね。

まさかこんな時に高彬が現れるなんて思いもよらなかったから。

それに・・・鷹・・・いえ東宮様に誤解されてしまったわよね」

そうよ、高彬の出現に驚いた鷹男は、

私が高彬とも恋仲だと勝手に誤解してとんでもないことを

言いながら去ってしまったんだもの。

あんな別れ方って・・・・・・あんなの酷すぎるわよ。

それに高彬にも悪いわよ。あたしたちは何でもないんだから。

「瑠璃さんは悪くないよ!!!

瑠璃さんは東宮様のことを愛してたんだろう」

「それは・・・・」

そうよ、あたしは鷹男を愛していたわ。

でも裏切られてしまいあたしの心はぽっかりと穴があいたみたい。

あまりにも急すぎて未だに信じられないのよ。

弟だとそう思っていた高彬に

こんな修羅場を見せてしまいあたしは恥ずかしかったの。

だから思わず高彬に一言いってしまったの。

「高彬、あたしって馬鹿だよね。

恋がしたいって本気の恋がしたい。

そういっていたのに騙されて

こんなことなら高彬を好きになればよかったわよね。」

そういった途端、バン!!!!

高彬が脇息を思いっきり叩いたの。

ビクン!?

高彬は急に先ほどまでとは違いあたしを睨み付けてきたの。

初めてだった。

高彬を怒らせたのは。

物凄く静かにそして視線だけは強烈にあたしを見据えていたの。

「瑠璃さん!?冗談でもそんなこと言わないでくれる?

瑠璃さんはやっぱりデリカシ―がないよね。」

「それは一体どういうことよ!」

あたしも初めて見た高彬の表情に驚きを隠せなかったけど

今までは姉のように接して来た手前

あたしも後を引くわけにはいかなかったの。

そうして睨み合いが続いたのだけど高彬は一瞬溜息をついた。

その後驚きの言葉を私にかけてきたのよ。

「瑠璃さん!僕はあなたの事が好きです。

幼い頃から僕は瑠璃さん以外誰にも心は奪われなかった。

瑠璃さんの変化に僕は気がついていたのに

あえて安心しきってしまったんだ。

だからもう見守るのはやめる。

僕は瑠璃さんを北の方に絶対に迎えるから僕を早く選んでね。」

「なっ!?」

そう宣言されながら高彬はあたしの頬に軽いキスをしたの。

鷹男にされた奪われるような激しいキスではなく

私を大事にしてくれる優しいキス。

高彬からの告白は、思いもよらなかったことだった。

でもさっきまでの絶望感に満ちた気持ちは無くなってしまっていた。

変わりに嬉しい気持ちが現れてくる。

あたしは高彬のことを好きになれるかもしれない。

愛せるかもしれない。もう恋なんて出来ないかもしれない。

そう思うくらいあたしの心は傷つけられていたのに

あたしはそう思った途端顔が赤くなることを感じたの。

鷹男のことは完全に忘れてしまっている。

このまま高彬に鷹男を忘れさせて欲しい。

そう思うようになってしまっていたの。

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