妄想の館

なんて素敵にジャパネスク二次小説(鷹男×瑠璃姫)

好きなのに~揺れ動く恋心8

瑠璃さんが本気で愛した人は僕ではなかった。

驚いたことに瑠璃さんが恋した相手が東宮様だとは誰が思うものか。

瑠璃さんが誰かに恋した時僕はすぐに動かなかった。

まだ安心していたから。

瑠璃さんが僕以外を選ぶわけがないと。

そんな気持ちに支配され僕が恋の舞台に上がった時にはもう遅かったのだ。

僕以外に恋をする瑠璃さん。

そんな瑠璃さんを見る事が僕は辛くて

いつのまにか三条邸に行くことも遠ざかっていた。

でも、それでも僕は諦めきれなかった。

瑠璃さんが僕以外を好きだとしてもそれでも僕の思いを伝えなければ。

ついにそう決心した時瑠璃さんの想い人と対面してしまった。

それも最悪な場面で!

まさか相手が東宮様とは思わなかったし

それに僕の出現で東宮様がお怒りになりそのまま

出て行ってしまったから。

僕が愛した初恋の姫である瑠璃さんはとても傷ついていた。

こんな姿僕は見るのが初めてだった。

いつもはおねえさんぶっているのに傷つき涙に濡れた姿。

儚げで僕はより一層瑠璃さんの体を抱き締めた。

「高彬!?」

瑠璃さんは少し苦しそうだったけどそれでも僕はもう瑠璃さんを手離さない。

瑠璃さんを愛しそして守る。

そう心の中で決心したのだ。

瑠璃さんはしばらく僕の腕の中で泣き続けていたけど

段々恥ずかしくなってきたんだろう。

モゾモゾと体を動かし始めた。

そして感謝の言葉を吐きながら僕にとっては最悪な台詞を言ったんだ。

「・・・・・・・・・・・・高彬を好きになればよかった~」

瑠璃さんは大して意味もなく言った台詞だったと思う。

でも僕にとってはとんでもない台詞だった。

ずっとずっと何年も愛し、そして守り続けてきた瑠璃さんに、

いつまで経っても僕の気持ちは届かなかった。

なのに瑠璃さんは短い間に出会った東宮様と出会いそして恋をした。

ずっとずっと僕は愛していたのに今になって

瑠璃さんは僕を好きになればよかった。

そんな酷い台詞を僕に送る。

酷すぎるじゃないか!僕の気持ちも知らずに!

僕は完全に腹を立ててしまった。

立てても仕方がないのに。

瑠璃さんはどれだけたっても僕の恋心に気がついてくれないのだから・・・

そう、このままではいつまで経っても瑠璃さんは気がつかない。

だから僕はついに瑠璃さんに告白をしたんだ。

瑠璃さんの驚いた顔。

全く気がついていなかった。

そんなことを言っている。

言われなくても僕は十分過ぎるほど洗礼を受けたよ瑠璃さん。

ここからが大切だ。

瑠璃さんの反応は悪かったわけじゃない。

ただ驚いていただけで、嫌悪感は抱いていないんだ。

だからこのまま瑠璃さんを僕に振り向かせるチャンスだ。

瑠璃さんの傷ついた顔なんて正直見たくはない。

まして僕以外の男に付けられた傷なんて。

僕が癒して上げるからね瑠璃さん・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

僕は毎日のように瑠璃さんの元を訪れている。

隠していなかったため噂にも登り僕と瑠璃さんが

恋仲であると噂される毎日。

僕は何度も瑠璃さんに恋文を送った。

瑠璃さんは僕と同じで字が綺麗じゃない。

だからなかなか文の返事もくれないのだけど

ついに瑠璃さんは僕の文に返信した時

僕の気持ちを認めてくれたのだった。

これでやっと僕と瑠璃さんは婚約できる。

まだ安心しているわけじゃない。

それでも少しは瑠璃さんの気持ちを僕の方にむける事が出来た。

そんな満足感を抱いていた。

東宮様とはあの日嫌な出会いをしたが

個人的な気持ちに振り回されるのはいけない。

だから東宮様が何か言ってくるまではあえて僕からは行動しなかった。

ただ東宮様から僕と瑠璃さんの婚約について応援している。

そう一言声を掛けてくださっただけだった。

僕は頭を下げたままの状態だったから

どんな表情で瑠璃さんと僕とのことを話したのかは分からない。

でも瑠璃さんを幸せにするのはこの僕だ。

東宮様のことは気にならないと言えば嘘になる。

でも今傍にいるのは東宮様じゃない、この僕だ。

そして今僕を頼っているのは瑠璃さん自身だ。

早く瑠璃さんが僕のことを愛してくれたら、なんて幸せなんだろう。

瑠璃さん、早く僕を愛して欲しい。

僕は瑠璃さんが全てなんだから・・・

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