妄想の館

なんて素敵にジャパネスク二次小説(鷹男×瑠璃姫)

嵐のような恋物語10

東宮御所から出てきてあたしは吉野の君の文を貰っても

なかなか自分の気持ちが落ち着かない日々が続いたの。

鷹男に告白される前からずっと吉野の君が

迎えに来てくれるとそう信じて待っていたはずなのに

今では何故か吉野の君と一緒に暮らすイメ―ジが浮かばない。

あんなに吉野の君を待ち望んでいたはずなのに

それなのに嬉しいという気持ちが全く思わなくなっていた。

だってあたしは鷹男が好きだと言う気持ちに気付いてしまったのだから。

その時あたしは吉野の君が迎えに来てくれるのを待ってはいたけど恋じゃなかった。

いつも優しくあたしを見守ってくれていた吉野の君は

あたしにとっておにいちゃんだったんだもの。

吉野の里にいる時は全然気付かなかった。

でもあたしは鷹男への恋の自覚を覚えて気づくことができた。

吉野の君は優しくあたしを守ってくれている存在。

鷹男はむかつく奴だったけど目が離せない存在だった。

だからいつも鷹男がする行動にいちいち気になってつっかかっていたのよね。

三条邸でいろいろな想いを整理しようとしても

どんどん吉野の君はお兄ちゃんとしか想えない自分の

気持ちに愕然となった。

こんな想いで吉野の君の元に行くことなんてできない。

そんな考えに陥ってしまいどんどん気持ちが暗くなってしまったの。

そんなあたしの変化に気付いた小萩はいつもあたしに優しく接してくれる

とても忠義の高い女房だと思うわ。

そう思っているときついに、

今まで詳しくは聞いてこなかった小萩があたしに自分の気持ちについて

聞いてきたのよ。

「瑠璃さま、本来ならこんなことを聞くのはいけない事なんですが

どんどん瑠璃さまが元気になられないので

この小萩に相談ごとでもぶつけてみてはいかがですか?」

「小萩・・・」

「少し前からお元気が全くありませんわ。

少し前まではお元気で生き生きとして見えたのに

最近はすっかり意気消沈してみえます。一体何があったのですか?」

「そうだわね~自分でこもっていても仕方がないわね。

ふ~小萩に聞いて貰おうかな。」

「もちろんですわ瑠璃さま!」

「あのね、あたし実はある殿方に振られてしまったのよ」

「はい?・・・・・???

瑠璃さま?あのう何といわれたのですか?」

「だから~あたしは好きな人に振られたの!」

「ええええ~~~~~~そんな馬鹿な瑠璃さま!

一体どこの殿方と恋仲になられて見えましたの?

でもこちらに通う殿方なんていなかったではありませんか?

でもそういえば右近の少将高彬さまは

最近毎日お見かけしますがまさか高彬さまなのですか?」

「やだ~小萩。そんな訳がないじゃない」

「ですが他に殿方をこちらで見かけたことなどございませんわ。」

「まあ~そうでしょうね、誰にも言ってないし

こちらに来たことなんて一度きりだもの」

「じゃあどういうことなのですか?」

あたしは今までの話を小萩に話したの。

もちろん鷹男と吉野の君の父君のことや鷹男が東宮さまだと言う

ことは内緒にしたけどね。

この話を聞いた小萩は鷹男のことを相当怒っているらしく

かなり鷹男のことを貶していたわ。

なんだか小萩に言ったおかげで少し気持ちが治まったような気がして嬉しかったの。

でも小萩はあたしの言葉を聞きながら

あたしが思いつくこともないことまで話し始めたの。

「鷹男という殿方は一体何さまのつもりなのでしょうか?

自分の身分と後継者争いに勝つために

瑠璃さまと弟君である吉野の君まで切り捨てられるだなんて

とんでもない悪党ですわ!」

そう話していた小萩が急に黙ってしまったの。

「どうしたの、小萩、何かあった?」

「いいえ、そう言うわけではありませんがよく考えて見れば

そんなに身分に執着して見える鷹男という男は

何故今さらながら吉野の君を切り捨てられたのかが分からないのです。」

「何が?鷹男は吉野の君が邪魔だから、

だからあたしと結婚されて力を持つ前にあたしを奪って

それで自分の地位を確立しようとして・・・」

「いえ、そうではありませんわ。

ただ何故、今さら吉野の君を切ろうとなさったのかが疑問なのです。」

「え?どういうこと?」

「いえ、お互い成長すればこういった事態になることは

分かって見えたことではないですか。

吉野の君が父君に認められたことで次のお世継ぎさまの争いは目に見えています。

もともと身分に執着している者がいづれ自分の敵に決まっているものを

わざわざ迎えに行くことなど考えられないような気がふとしたもので・・・」

確かに小萩に言われて気付けたわ。

そうだわね~昔から後継ぎ争いが発展することなんて昔から分かっていたことよ。

なのに鷹男はそれを承知で吉野の君を迎えた。

なのに鷹男は今さら吉野の君を後宮から追い出そうとしている。

一体どういうことなの?

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・

あたし、考えたけど鷹男の本心を聞きに言ったとき

ちゃんと自分のことを好きだったのか?

吉野の君とあたしが引っ付かないようにあたしに近づいたのかは

直接鷹男から言葉は聞いていない。

ただあの時は冷静さを失っていたから鷹男が言う言葉、

いう言葉が信じられなくて全部吉野の君が

いった言葉の肯定だとそう思いこんでいたのかも知れない。

でも、もう本当のことを聞く事なんて出来ない。

鷹男はあたしが京にいること自体迷惑なんだから。

そう言っていたんだから、だから・・・・

そうあたしは考え込んでいたとき

最近しょっちゅうこの三条邸に遊びに来る高彬の訪問を

女房が告げたのよ

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