好きなのに~渦巻く嫉妬の嵐7
東宮御所では人払いをして一人自分の思いに耽る一人の男が居た。
これから起すことに自分の感情が揺れ動き踏ん切りが付かなかったからだ。
私はこのままどこに向かっていくのだろうか?
いや、これから起こる事に自分が責任を負わなければならない。
それは自分勝手な思いを実行するにあたった罪なのだから。
瑠璃姫・・・・・今あなたは何を想っているのだろうか?
わざとあなたから離れていることに気が付いているのだろうか?
もうそろそろ、あの噂があなたの耳に入ってしまっているのだろうかと
その噂を聞いたあなたはさぞ嘆いていることだろう。
しかし、あなたは私を信じてくれる。そうおっしゃられた。
これから起すことはあなたが成長しなければ絶対に成功しないのだから。
もしこれが失敗に終わったら、私は東宮の地位は剥奪されるだろう~
いやもっと悪く言えば命も失うかもしれない。
それくらい危険なことをしでかそうとしているのだから。
瑠璃姫・・・・あなたは私の罪ごと受け入れてくれるだろうか?
それとも私から離れてしまうだろうか?。
その確率の方が大きいか・・・・・・・・・
不安が募るばかり。
これから起すことを瑠璃姫が知ったら絶対に止めようとするだろう~
そうならないためにあなたに内緒でことを起す。
瑠璃姫を苦しめてでもそれでもあなただけを私は欲しているのだから。
あなただけが欲しい・・・・・
あなた以外誰が傷つこうと私には関係ない!
そう思えるほど私は狂ってしまったのだから。
ふふっ
自嘲を漏らす。
あれほど恋など必要ないとそう思っていたはずなのにどうしてこうなってしまったのだろうか?
これほど人を愛することができるなんて思いもよらなかった。
その為には瑠璃姫を愛するためには徹底的にしたいのだ。
誰もあなたと私が愛することに異議を申し入れられないように動くのだ。
ふと部屋の中で人気が近づいて来た。
「東宮様、準備が整いました。」
「楓か?」
「はい。」
「それでは麗景殿に参る。お前はお前の思うように動きなさい。」
「はい」
私の幼馴染である楓はすでに瑠璃姫を認めつつあるか?
それでもまだ気を抜けない。
信頼ある者ではあるがまだ瑠璃姫を信用しているわけではないのだから。
瑠璃姫・・・・申し訳ありません。
恋に溺れた私は狂っているのでしょう。
あなたを試すようなことをしますが許してください。
どうか・・・・・私を見捨てないで・・・・