妄想の館

なんて素敵にジャパネスク二次小説(鷹男×瑠璃姫)

好きなのに~狂おしい愛憎の終結10


あたしの予想通りに後宮が混乱している中、隙を抜けて出るのは難しいことではなかったの。

そしてあたしは右大臣邸へと向かっていった。

当然右大臣邸は警備の者達が物凄い数で見張っているため入るのは容易ではない。

しかし伊達にあたしは普通の姫じゃないわ。

幼い頃から何度も高彬の家である右大臣邸には訪れていた。

そして子供だからこそ見つけれた秘密の抜け道がある。

あたしと高彬と融しか知らない秘密の抜け道。

あたしはその道を使いながら高彬の部屋へと向かった。

床下を潜り抜け下から高彬の部屋へと入れる場所がある。

幼い頃は高彬の元に行くのに抜け道を使って外で隠れて何度遊んだことか。

この道を使えば誰にも見つかることなく高彬に会える。

あたしは急いで高彬の元へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


抜け道は昔と変らず残され、誰にも咎められることなく床をあげて部屋へと入っていった。

そして!

「高彬!」

あたしはやっと高彬に会えることができた。

やつれた感じはあるけど無事な姿が見られて凄く嬉しい!

「瑠璃さん。」

部屋の中は誰もいなくて多分部屋の前には沢山の見張りがいるんだろう。

でも中に入ってしまえば分からない。

「高彬・・・・・あんたは一体何やってるのよ!無事よね!」

凄く不安だった。

責任感が高い高彬のこと。

自分たちが起した事の責任を取ってこの世を去ってしまうんじゃないか?

そう思えるほど高彬の性格は把握しているつもりよ!

京を騒がしたものとして責を負う。

馬鹿みたいに頑固者だもの。

そんな高彬を救わなくちゃ。

「ありがとう瑠璃さん。やっぱり瑠璃さんだ。まさかここまできてくれるなんて思わなかったな。

でも来てくれなかったら責任を取って天へと逝ってしまっているかもしれないね。」

「何を言っているのよ高彬!そんなこといわないで頂戴!あたしはあんたが天に逝くのを許さないんだか

ら!命があるのに簡単に逝くなんて言わないでよ!」

「そうだね。瑠璃さんがここにきてくれたんだから考え直そうと思う。

ねえ瑠璃さん最後のお願いを聞いてくれるかい?」

「なあ~に?」

「僕たちは謀反を起しその罪で京を去らないといけない。かなり遠い遠いところへと行くことに

なるだろう。そしてもう二度と瑠璃さんとは会えない。

だからね、瑠璃さん。僕と一緒に来て欲しいんだ。今のように贅沢な暮らしはさせて上げれないかも

しれない。でも今なら瑠璃さんを東宮様の手から助けることができる。

そう今しかないんだ。あんなに瑠璃さんを苦しめた東宮様の手から離れることができるんだよ。

僕だったら瑠璃さん以外愛さない。瑠璃さん一人だけだ。瑠璃さんを愛してるんだ!

お願いだから僕と一緒に来て欲しい!」

真剣な眼差しで必死になってあたしに願いを高彬が述べた。

あたしが京から離れる?鷹男の元から去り二度と会うことはない?

そしてあたしだけを愛してくれる人と暮らす?

どうしたらいいんだろう?

最近鷹男のことよりも後宮での勉学に勤しんでいたせいか一番肝心な問題から逃げてしまっていた。

鷹男の寵愛高い楓さんとはいつの間にやら仲がよくなってしまい前と違って一緒にいても

苦しいとは思えず姉のような感覚になってしまっている。

今、後宮での生活は苦にはなっていない。

でも鷹男から逃げてばかりではいけないわ。

高彬の提案はとても甘美で穏やかな生活にあたしは惹かれていってしまう。

心が揺れ動く。

「瑠璃さん、今はいいけど後宮が落ち着いたらまた新しい女御様を東宮様は迎えなくてはいけない。

僕の姉君である梨壺の女御様や桐壺の女御様が後宮を去ったとしてもそれは変わらないんだよ。

多分東宮様は昔なじみのものを更衣の位に上げて瑠璃さん以外のものに熱を上げるかもしれない。

東宮や帝の地位だからこそ一人に縛られることなんて絶対に出来ない。

瑠璃さんが認める恋愛は東宮様にはけして叶えることができないもの。

だからね、僕にしなよ。落ちぶれたとしてもそれでも瑠璃さん一人にだけしか愛を捧げないんだから。」

高彬の言うことは分かる。

確かにそうだわ。

あたしのような我儘が通るわけがないのですもの。

あたしの苦しみは歴代の女御様方が堪えぬきそして帝を沢山の女御様たちとで守り抜いてきたのですもの

。長い長い後宮の歴史の中で色々なことがありそれを乗り越えて後宮が成り立っているのですもの。

あたしのような我儘だけをいうだけのものには女御は相応しくないのかもしれない。

色々歴史を学んだけれどやはりあたしには女御は重荷なのかもしれない。

あたしには高彬のように一人だけを愛することが出来る人の元で暮らすのが幸せなのかもしれないわ。

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