妄想の館

なんて素敵にジャパネスク二次小説(鷹男×瑠璃姫)

好きなのに~狂おしい愛憎の終結7


唐突に自分の目の前に現れた一枚の文。

そこに書かれていたのはとんでもないものだった。

どうすればいいのか分からずあたしはただそれを何度も何度も読み直すことしか出来なかったの。

そして気が付いた。

あれ!?

初めはパニックになっていたため気が付かなかったけどよくよく目を凝らしてみると

鷹男の筆跡にしては少し違う文字が目に映る。

まさか!?

もう一度最初から最後までじっくり読んだあたしは気が付いた。

これは鷹男が書いたものじゃないということに。

これは偽物よ!

ということは誰かが鷹男に陰謀をかぶせようとしているということなの?

でも・・・・一体誰がそんなことを?

それよりもこれを早く鷹男に見せないと!

一刻も早くこれを見せて鷹男を救わなければ!

あたしはその文を持って部屋を出ようと立ち上がった。

でも、ふと頭によぎった。

ちょっと待って?この文を持っていたのって小百合という鷹男の女房じゃなかった?

だったらもしかして小百合という女房が鷹男を裏切って筆跡を似せた文を誰かに渡そうとしていたの?

あ~~~~~~~~分からないわ!

色々なことが頭によぎっていく。

小百合が鷹男にとって味方なのか?それとも敵なのか?

あたしは小百合のことを知らない。

顔だけチラッと見たことがあるだけ。

どんな人なのかは知らない。

でもこれはいえる。これから起こることはこの女性が関与しているということを。

あたしは色々考えた結果すぐに鷹男のところに伝えに行くのを止めることにしたの。

あたしの手にはこの文しかない。

情報がまったくないんだもの。

こんな物騒なものがあたしの手の中にあるのよ。

絶対にこれを取りに来ようとするものはいる筈よ。

だったらこの文を狙うものが何者なのかそれを知ってから鷹男にいいに言っても遅くないと思うのよ。

それにしても一体誰がこんな恐ろしいことを考えようとしているのよ。

あたしの知らない間に色々とことが起こっている中あたしもいつの間にやら

鷹男と高彬の攻防戦のなかに知らず知らずのうちに参戦していることにこの時のあたしはまだ

知らなかった。

あたしは文の中身を知らない振りをしてこの文を狙うものをおびき寄せようとしたの。

ここは麗景殿。そう簡単にはこの文を手にしようとするものはいない。

でも簡単に手にできるようにおびき寄せればすぐにでも正体を現してくれるはず。

そう思い罠を張り巡らした。

自分の寝所の一角に文箱を置きそこに文を置いた。

蝋燭の火がうっすらとする中周りは夜の帳が落ちる。

本来なら皆が寝静まる真夜中。

静かな部屋の中であたしは寝た振りをしながら文を狙うものがこないか今か今かと待ち続ける。

そして静に足音がしたのよ。

あたしは一瞬で緊張がピークになった。

あたしはただ犯人の動きに集中しながらじっと我慢しながら待つ。

そして文を持った犯人が立った瞬間あたしはすぐ傍に置いておいた蝋燭に火をつけ犯人の顔を

見つめた。

なっ!!!!!!!!

あたしは多分小百合が文を取りに戻ったのかそう思っていたの。

でも違う、文を持って立去ろうとしたのは楓さんだったのよ!

「どうして!!!!!!!!!」

あたしはあまりにも驚き楓さんに声をかける。

「何故その文をあんたが持っていこうとするのよ!それが一体何の文なのか知っているの!」

あたしの突然の動きに楓さんも一瞬驚いた表情をしたの。

でもそれはすぐに消えいつもの冷静な楓さんに戻ってしまう。

「この文の中身を女御様は知ってしまったのですね。」

あたしの態度に気が付いた楓さんはそう淡々とあたしに答えたの。

その姿を見たあたしはつい怒りにかられた。

だって鷹男の寵愛高いといわれる楓さんが鷹男を裏切っているのよ!

そんなことをあたしが知って黙っていることなんてできないわよ!

「楓さん!まさかあんたがたか、東宮様を裏切っているなんて思いもよらなかったわ!」

あたしのこの発言に急に怒りの声を楓さんは露した。

「私達は東宮様を裏切ることなんて致しませんわ!申し訳ございませんが女御様。この件は

お忘れください。お願いですから私がここに来たことはなかったことにしてくださいね。

お願いいたします。」

そういった楓さんは急いで部屋を出て行ってしまったの。

あまりにも驚いてしまってそのままあたしは楓さんを行かせてしまう。

どうして!どうして楓さんは鷹男を裏切ってないというのよ。

だったらなんで鷹男の偽物の文を持っていってしまうの!

あの文は鷹男が今上帝を呪い殺すために依頼した恐ろしい文なのよ。

それをもっていきながら鷹男を裏切っていないとどうして自信満々にいえるというのよ!

あまりにも理不尽さにあたしは頭を抱えた。その時楓さんが言ったある一言を思い出した。

私たちが東宮様を裏切るなんて致しません。そう楓さんは言ったわ。

殆ど冷静な姿であたしと対峙したくせにあの質問のときだけ感情が露になった。

私たちは東宮様を裏切っていない・・・・・・それって楓さんと誰?・・・・・

誰が裏切っていないの?

あたしはこの言葉の真実を解き明かそうとした。

それによって今起ころうとしている陰謀の意味が分かるんじゃないかと

そう感じながら一睡もしずにずっとあたしは考え続けていたのよ。

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