妄想の館

なんて素敵にジャパネスク二次小説(鷹男×瑠璃姫)

藤壺後宮物語

藤壺女御物語43終

あたしたちは吉野まで来ていた。 初めての外出にワクワクしてきた。 それもあたしの子供時代に育った吉野ですもの。 感慨深いは~ こうして京から時間をかけて吉野についたんだけれど さすがにくたくたで吉野の里を見るのは次の日になった。 そうしてやっと…

藤壺女御物語42

あれから数年がたちあたしは三人の母親になっていた。 難産だった一人目の子供は今は東宮になりそのあと二宮と姫宮を授かった。 「「母宮」」 二宮と姫宮があたしに抱き着いてくる。 あ~~~可愛い! あたしは今では中宮となっていた。 今でも信じられない…

藤壺女御物語41

夏は意識を失っていたため心配になったわ。 何か大変な病でも患っているのかしら。 それよりも高彬の表情が真っ青で驚いた。 夏の手を握りなかなか手を離そうとしないから大変だった。 医師が現れ何とか離れたけれど医師の言う言葉に皆が驚きの表情を表した…

藤壺女御物語40

あたしは今後宮ではなく三条邸に戻っていた。 あれから恙なく平和な日が続きやっと里下がりして三条邸に来ることができた。 あたしの懐妊に鷹男はじめ父さまや融や大皇の宮様、様々な人から お祝いの文を頂いたり直接感謝の言葉を頂いたり 懐妊が分かった時…

藤壺女御物語39 四章

後宮も落ち着き始め、今上帝の寵愛をご存分に堪能された藤壺の女御。 今一番ときめきされている女御様であらせられます。 数々の事件を乗り越えさらにお二人の絆も強くなっていったのでございます。 今日は藤宮様が参内して会いに来ることになっているの。 …

藤壺女御物語38 間章3

最近蔵人、近衛府などである人物の噂が持ちきりなのだ。 いったい誰なのか気になってはいたが、それは私には関係がなかったから あえて蔵人頭に聞くことはしなかった。 でも、こうも噂が長引きそしてその中の中心人物である方が ただの女房だということが分…

藤壺女御物語37 間章2

そんなある日のこと、こんな話題になってしまったのよ。 「ねえ~そういえば三条さんはどこの出身なの?」 「ああ~そういえばきいたことがなかったなあ~」 「あのう、内大臣様にここを紹介されたんですけど。」 「へえ~内大臣様といえば藤壺の女御様だよ…

藤壺女御物語36 間章1

あれから左近中将と梅壺の女御様の陰謀が終わり事件は落ち着きを見せた。 でも、あたしたち後宮はのんびりしているけれど 役人たちはその後の処理に追われていたの。 あたしはそれを知ってはいたけど何もできない自分に歯がゆい思いを覚えたの。 鷹男はまだ…

藤壺女御物語35 短章

私は計画が順調すぎて笑みが隠し切れず扇で顔を隠す。 目の前ではお主上が裏切られたと表情を変えて真っ蒼になっていた。 だが私はけしてお主上を裏切ることはない。 彼は私を帥の宮として忘れられていた境遇から引き揚げてくれた存在であるから。 私は一生…

藤壺女御物語34

あれからあたしはどれだけ日が経ったのか分からない。 そんなに時間は経ってないのかもしれない。 「にゃあ~」 猫? 何でここにいるの? それよりもここはさっきの塗籠と変わらないわ。 変わらず力が抜けていたけれど、人の気配に気づきあたしは睨みつけた…

藤壺女御物語33

なんと、あの融が行方不明! あたしは鷹男がいなかったら倒れていたかもしれない。 でも鷹男に励まされてあたしはすぐに立ち直った。 この情報は融付きの夏から至急連絡が入ったことなんだけど 融が式部の卿の宮様邸に行ったらしいんだけど いつもと融の様子…

藤壺女御物語32

「ねえ鷹男、聞きたいことがあるんだけど少し聞きずらくて・・・」 「瑠璃姫にしては珍しいですね。言葉に言いよどむだなんて」 「仕方がないじゃない、本当なら聞きたくないもの。でも・・・」 「そうですか、ではいったいなんなのですか?」 「あのね、梅…

藤壺女御物語31

「左近の中将様のことですか?」 「ええ、なんでもいいから知っていることを聞きたいんだけど」 「そうですわね、とても美男子で男らしくてああ~女御様には言えないわ~」 「あのね、小夜、そんなことを聞いているんじゃなくて どんな家柄とか性格とかそう…

藤壺女御物語30

それから幾日か経ってあたしの耳に吃驚なことが入ったのよ。 なんとあの融が通う貴族の姫君がいるというのよ。 一度も浮名を流したことがない弟の融が、もう姫君に通うだなんて。 あの子はあれでも内大臣家の長男だしあたしはすでに女御として 後宮に納まっ…

藤壺女御物語29 第三章

瑠璃姫と梅壺の女御の騒動は帝によって喧嘩両成敗ですぐに後宮は 落ち着き始めておりました。 けれど、帝の後継者が決まらぬ今、女御たちの諍いはとどまるところを 知らないほど深刻な話ではあったのです。 はあ~この日が一番嫌い。 今日はあたしの元に鷹男…

藤壺女御物語28 間章

たった一人の弟である融が藤壺にご機嫌伺にやってきていた。 あたしは元から堅苦しい挨拶が嫌いだから 早々に信頼する女房たち以外引き下げ談笑をしていた。 融にはあることを頼もうと思っていたから丁度良かったから・・・ 弟だから几帳も外して面と向かっ…

藤壺女御物語27

「瑠璃姫、怖い顔をしてどうされたのですか?」 「鷹男!何よ吃驚するじゃないの。」 「こちらに伺うことは知らせてますが私が来てはいけませんでしたか?」 「そんなことないわ、それより鷹男、あたしの悪い噂を聞いてるわよね。 まさかその噂は信じてない…

藤壺女御物語26

「藤壺の女御様、お主上から御文が届いております。」 「あらっそう、ふふふ」 「瑠璃様は羨ましいですわ。お主上から御文が届くなんて。毎日のように こちらにお渡りになるのに夜だけではなく日中でさえ独り占めなさるなんて。」 「ちょっとやだ小萩。から…

藤壺女御物語25 間章

私の目の前では様々な意見が飛び交っていた。 うんざりするような話題だが、貴族たちにとっては必至な話題。 そう、後継者問題の話であった。 まだ瑠璃姫が入内して半年しか経っていないのに もう新たな女御を迎えよと貴族たちが私に迫ってきていた。 何故女…

藤壺女御物語24

でもあれからこれといったことは見つからず八方塞がりが続いていた。 そんなある日、あたしは眠れなくて藤壺の前の庭先に降りて庭を眺めていたの。 そしてどれくらい経ったのか分からないけどあたしは気になる蝋燭の灯に気づいたの。 こんな時間についている…

藤壺女御物語23

丞香殿の女房の小夜という女が梅壺の女御様と組んで あたしを罠に嵌めようとしている。 でも、その証拠はない。 あたしが床下で聞いていたと言っても却って悪い噂が付きまとうだけですものね。 床下に潜る変人女御様! だなんて噂になったら父さまは当分寝床…

藤壺女御物語22

どうしようかな~ あんなに後ろ向きだったのに鷹男に励まされたら元気が出ちゃった。 案外気分がいいものよね。 「瑠璃様、なんだか今日は機嫌がいいですね。何かございましたか?」 「ううん、何もないけど、このままのあたしじゃだめだな~って思って。」 …

藤壺女御物語21

あれから大きな動きはないけど、あたしと梅壺の女御様との仲が 悪いという噂はすぐに後宮内を駆け巡っていった。 あれから毎日の様な嫌味の応酬にあたしでさえだんだん気が滅入っていったの。 あたしのバックには内大臣の父さまもいることだから表立っては何…

藤壺女御物語20

梅壺の女御様と初めてお会いした時、お姿は他の二人の女御様たちに比べて お美しくはないけど、あたしよりは綺麗だな~と感じたわ。 勝気な性格で、はっきりとした物言いではあったけど 先にあたしが入内したこともあってきちんとしたご挨拶をなさったの。 …

藤壺女御物語19

なんなのあの人、むかつくわね~ イライライライラ あたしは新しい女御様から数々の嫌がらせを受けていた。 嫉妬は仕方がないけれど、あたしをターゲットにするっていうのは おかしいじゃないの。 あたしが鷹男の帝の寵姫なのが嫌なんだろうけどさ。 こうも…

藤壺女御物語18 第二章

瑠璃姫と鷹男の想いは、吉野の君が思いをつなげてくれたことにより ついに結ばれることになりました。 けれど、鷹男は主上であり、瑠璃姫は女御の一人で他ならなかったのです。 お互い思いあっていようが、一人の姫君に 情を注ぎこむことは許されないはずで…

藤壺女御物語17 間章

夜の闇の中しずかに、静かに時間が経っていく。 夜の薄っすらと灯る蠟燭の灯が二人を映し出している。 あたしは緊張をしていた。 ついに夜御殿に呼ばれていたの。 以前から滅多にないお召しであったけれど、 あたしと帝の間では体を許したこともない。 ただ…

藤壺女御物語16 間章

吉野の里にて 「吉野の宮様、朝餉をお持ちしました。」 「ありがとう」 私のほかに部屋から誰もいなくなった。 私は吉野の里に拠点を移し数少ない下人を連れて 吉野の里に移るようになった。 私の出現は京では衝撃的な事実だったようで一時期私は 時の人とな…

藤壺女御物語15

吉野の君はなんて言ったの? 兄宮? えっ? だって吉野の君の兄宮といえば今上帝ただ一人のみ。 鷹男がそうだったなんて・・・信じられないわ。 どうしてあたしに黙っていたのよ。 あたしの気持ちが整理しきれていない中 初めて兄弟対決が始まる。 「お主上…

藤壺後宮物語14

なんということなのだ・・・ 数日前、私の母宮が急に参内されたことから私の葛藤が始まる。 母宮は驚愕的の事実をわたしに言い放った。 それは唯恵が私の弟宮だということ、 そして院は唯恵を自分の子としてお認めになること。 それだけなら私の心はざわつく…