妄想の館

なんて素敵にジャパネスク二次小説(鷹男×瑠璃姫)

交差する思い

交差する思い7終

私の心の中は嵐のように激情にもまれていた。 瑠璃姫を信じたい気持ちもあるのだが、あの訴えかけるような視線が脳裏を掠める。 思わず内大臣に真相を瑠璃姫に聞いて来るようになどとつい言ってしまった。 本来なら私がじかに瑠璃姫に聞けばいいものを本当の…

交差する思い6

あたしは親王さまを御生みした後やっと後宮に戻ったの。 長い事ここを離れたので案外懐かしく思えたの。 そんなに長い事ここにいたわけじゃないくせに ここでは辛い思い出ばかり・・・ でもあたしは意地を張るのは止めたのよ。 だからあたしの気持ちを伝えよ…

交差する思い5

私は前に進むことができず、どうしたものかと思い悩んでいた。 周りは喜びに包まれてはいたが私の心はあまり上を向いていなかった。 確かに世継ぎの次期東宮となる親王が産まれたのだ。 そして唯一愛している瑠璃姫が御産みされた御子だ。 嬉しいのだが、あ…

交差する思い4

結局あたしはどれだけ考えてもどれだけ考えても高彬への恋心はどこにもなかった。 高彬と燃える様な情熱の恋だったわけじゃない。 たまたまあたしが既成事実を作られそうになった所を 高彬が助けてくれて、そしてその時吉野の里から帰った時 筒井筒の仲にな…

交差する思い3

私は帝としか私をみない瑠璃姫を見るのは耐えがたかった。 しかし瑠璃姫への愛情がどれだけ経っても消えないのだ。 あんなに欲した相手は瑠璃姫ただ一人なのだ。 だからこそ瑠璃姫を手放すことなどできなかったのだ。 私は瑠璃姫が藤壺として入内してからほ…

交差する思い2

私はどこで間違ってしまったのだろうか。 いやもう分かっていた事ではないか、初めから私は間違っていたのだ。 しかし、仕方がなかったのだ。 私を選ばずに高彬を選ばれてしまったのだから。 私はどうしても瑠璃姫が欲しかった。 だからこそ、無理やり瑠璃姫…

交差する思い1

瑠璃姫から高彬と結婚なさると、 もう会わないという言葉が書かれた手紙が届いた。 瑠璃姫があの唯恵の事件の時二人が筒井筒の仲で 唯恵を待つために吉野の里に瑠璃姫が行ってから 時は随分経った。 そのため私は自分の身分を隠して使いのものを吉野に送って…