妄想の館

なんて素敵にジャパネスク二次小説(鷹男×瑠璃姫)

好きなのに~渦巻く嫉妬の嵐8


後宮内のあの噂をあたしはまだ信じていなかった。

自分で確かめることもせず噂だけに踊らされるなんてそんなことあたしの性分じゃないわ。

いえ、それだけではなくあたしは鷹男を信じることにしたのだもの。

それから小萩に頼んで硯を用意してもらい鷹男に聞きたいことがあるから今日麗景殿に

来て欲しい。そのような内容を鷹男に送ったの。

しばらくして鷹男から今夜麗景殿に来るという返事をもらった。

まさかくるとは思わなくて少し拍子のけしたわ。

この文を送ったとき実は不安でいっぱいだった。

もしかしたらその楓という女性の元に行くことが忙しくて来れないため上手い理由を付けて

こないかも知れない。

そんな思いもあったから。

でもあたしの所に来てくれる。

その嬉しさで今後どうなっていってしまうのか予想することなんて全く出来なかったのよ。

 

 

 

 

 

 

 

鷹男の先導が現れてそれから鷹男がにこやかな笑顔で麗景殿に現れたの。

あたしは鷹男の姿を見るのが久しぶりだったこともあって嬉しさのあまり周りを見ることが

出来なかった。

いつもの鷹男なら一人で来ることが多い。

滅多に先導を連れて、まして誰かを付添いながら現れるなんてしなかったのに

あたしはその事にも気がつかずに気持ちが浮きだってしまっていたの。

ただすぐ傍で控えている小萩の表情が驚愕に変わったのに気付いた。

それさえあたしにとっては何でもないかのように気持ちの奥にしまいこみ

鷹男との会話を楽しもうとしていたのよ。

先導の女房はあたしたちに鷹男の訪れを知らせるとすぐにここを出ていった。

そしていつもの通り鷹男が麗景殿に渡れば小萩を残して他の女房達はすぐに退出する。

それがここ麗景殿での暗黙の了解でもあった。

だからついつい敬称も付けずにいつもの挨拶をしたの。

「鷹男、久しぶりね。何だかあんたに会えなかったのは長かったように感じるわ。」

「瑠璃姫、私もですよ。ずっと忙しくてなかなかあなたに会うことができずにすみませんでした。」

「いいのよ、あんたは仕事で忙しいんでしょうから仕方がないわ。」

鷹男が普段と変わらない態度だったためあたしは安心して気楽に答えたの。

その時だった。

いつもだったら絶対にあたしと鷹男の間に口を挟まない小萩が大声を上げたの。

それもあたしが聞いた事がない程怒りに満ちていたわ。

東宮様!瑠璃さまとの談話中だというのに中断して申し訳ございません。

しかしこれだけは伺わせてください!

何ゆえそちらのお方をこの麗景殿に一緒に連れてこられたのでございますか!

それは東宮様の言葉如何によっては瑠璃さまがあまりにも可愛そうではありませんか!」

あたしは小萩の話していること自体理解出来てはいなかった。

ただ、小萩の言葉でやっとあたし達3人の他にもう一人鷹男の傍に控えている女房の姿を見たの。

物静かで知性がある美しい女房だった。

小萩の言葉を聞いてもその女性は動揺することなく一言も声を発しなかった。

さも鷹男を立てるかのようにあえて何もせずにあたし達をただ見ているだけだった。

この人は誰?

あたしが一度も見たこともない女性だった。

「これは申しわけなかったね小萩。あなたは瑠璃姫の筆頭女房であるから誰だろうと警戒するのは

分かるが彼女は私が信頼する大切な女房なのだよ」

「まあ~!私が知らないとでもお思いですか?!

そのお方は最近東宮様の御寵愛も高い楓という御仁なのではありませんか?

よくもそのような方を瑠璃さまにお会わせしようとなさいましたね!」

普段なら絶対にはかないであろう言葉を小萩は興奮しながら鷹男にぶつけている。

あたしは小萩の言っていること自体頭に入らずただただ小萩の怒りを止めることに必死だった。

「小萩!止めなさい!!!!それ以上は言ってはダメ!!!」

鷹男はこれでも東宮様なのよ。

小萩はあくまであたし付きの女房。

いくらあたしのために怒ってくれているとしても言いすぎよ!

「しかし瑠璃さま!」

小萩はそれでも興奮していて中々収まらない。

小萩を必死で止めながらあたしは鷹男に聞いたの。

「鷹男、そのお方は誰なの?なんであんたと一緒に麗景殿に来てるの?」

そのあたしの言葉を待っていたかのように鷹男は衝撃的な言葉をかける。

「瑠璃姫にお願いがあって今日は参ったのです。

実はこちらに控える私の乳母の娘である楓をこちらで預かっていただきたい。

そのために楓と共に今日伺ったのですよ」

は???????????

何ですって~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

これが波乱の幕開けとなったのよ!

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