妄想の館

なんて素敵にジャパネスク二次小説(鷹男×瑠璃姫)

人魚姫の涙10


写真素材 cg.foto

あたしの体が完全によくなっても、

あたしは自分から鷹男に会いに行くこともせず

そして鷹男は鷹男であたしに会いにくることも

清涼殿に呼んでくれる事もなかった。

会うのが恐いからあたしは感謝の言葉を認めた御文を贈った。

その返事として鷹男から

あたしの体を労わる言葉を認められた御文を頂いた。

ただそれだけの簡素な御文だった。

内容を見ても鷹男が怒っているような文面は全然伝わらないけど

それにしても簡素すぎて味気ないそんな気分だった。

あたしは感謝の言葉を認めるだけで緊張をし、

鷹男からの反応が恐かったというのにその反応が

よく分からないものだったから・・・・・

それから2,3日が経ったある日小萩がとんでもない情報を

あたしに教えてくれたの。

 

 

 

 

 

「るるる瑠璃さま!!!!!」

いつもなら後宮で大声を上げないようにと、

大人しくするようにと散々いってくるのにこの日だけは違っていたの。

「小萩、そんな大声で呼ばなくても聞こえるわよ。

何をそんなに慌てているの?」

「あっ!」

小萩はしまったといった表情を浮かべあたしに謝ってくれた。

「申し訳ございません。

大声を上げないようにと教育をしている私のしたことが・・・・」

小萩はそのまま恐縮してしまう。

あたしは思わず笑ってしまったけど小萩が慌てるくらいのことですもの。

一体何が起こっているのか知りたい。あたしは小萩に何があったのか促した。

そうしたらとんでもないことをいいだしたの。

「瑠璃さま!ここ数日後宮が騒がしく慌ただしかったのですが

その理由が分かりましたわ!」

あたしが起した騒ぎで後宮を混乱に落としてしまったのだけど

どうもあたしが寝込んでいる間

もう一つの騒動があった見たいなの。

でもその騒動というのが一体なんなのかよく分からなかった。

ただ梨壺で何かがあった。

ただそれだけしかわからなかったの。

梨壺で起こった事を知る人は殆ど口を紡ぎ

何が起こったのかあたし達には伝わってこなかったから。

だからあたしはもしかしたら梨壺さまの体調でも壊されたのかと思っていたの。

それかあたしが原因かと・・・・・・・・・・・・

そんなことを思っていたのに小萩が教えてくれた情報は

あたしが想像もつかないものだった。

それは・・・・・・・・・・

 

 


「瑠璃さま、どうも瑠璃さまの意識がしっかりと戻られなかったときに

東宮様が梨壺に乗り込んで女御様に問いただしたみたいなのです。」

「問いただした?」

「はい、その内容がなんなのかは分かりません。

しかし相当お怒りになられそれから東宮様は

梨壺の女御様の元にはお渡りになられていないようなのです」

「嘘」

だって、あんなに鷹男は梨壺さまを大事にしていたじゃない。

あたしの元にきても梨壺さまに呼ばれれば

結局あたしを置いて行ってしまったじゃない。

なのになんで!?

あたしがどれだけ鷹男を思っても梨壺さまを一番愛していたはず・・・

一体何があったの?

梨壺さまと鷹男の間に何があったのか分からないけどあたしは複雑だった。

こんなに苦しんで苦しんでもう鷹男を忘れようと思ったのに一体何なの?

その理由をあたしは全く気づくことができなかった。

その頃鷹男がいろいろな想いに潰れそうになっていた事にも

気付くことはできなかったのよ・・・・・・

 

 

 

 

 

 あたしは一体何が起こったのかやっぱり気になっていた。

そして思い出したの。

梨壺さまのことを知っているであろう人物を。

あたしは小萩に墨と硯を用意させ淑景殿にその人物を呼んだの。

感謝の言葉を直接したいというのを名目にね。

 

 


その人物とはもちろん高彬のこと。

まあ、池に飛び込んだときあたしを助けてくれたのは鷹男だけど

その鷹男と一緒にあたしを助けてくれたのが高彬だった。

本当ならもっと早く高彬にお礼の言葉を言うべきだったのかもしれない。

でも、あたしはやっぱり鷹男のことが気になって仕方がなかった。

だから高彬のことはすっかり忘れてしまっていたのよ。

そうしてあたしは高彬と対面をした。

 

 

 

 


「桐壺の女御様、お体は大丈夫ですか?

少し前まで意識がなかったとお聞きします。

私に声を掛けてくださるということは体調が少しは戻ったという事なのでしょう」

相変わらず堅苦しい言葉を掛けてくる高彬にあたしはいつも通りの声をかける。

「高彬、そんな堅苦しい言葉は止めて。

それに瑠璃でいいといつも言っているでしょう。」

「そんなわけには参りません。」

「あたしはそんな話をしたくて呼んだ訳じゃないんだけど!」

「しかし・・・・」

「しかしもくそもない!あたしが良いといっているんだから敬語はなしね!」

きっぱりと言ってやった。

そうしないとその内高彬から説教されるからね。

あたしの言葉に仕方がないな~~~

苦笑を浮かべた高彬は前と同じ砕けた言葉であたしと話し始めたの。

だからあたしはまず本題に入る前にお礼の言葉を述べた。

「高彬、あの時はありがとう。あたしを助けてくれて。」

その言葉に慌てて高彬は答えてくれる。

「瑠璃さん、結局僕が直接瑠璃さんを助けたわけじゃない。

だからお礼の言葉は東宮様にいいなよ」

相変わらず高彬は優しい表情でそうあたしに答えてくれた。

その内高彬はあの時の状況を教えてくれた。

あたしは池に落ちて溺れた状態だったし

そんなあたしを助けようと鷹男は池の中に入ってしまうしで

高彬も大慌てだったみたい。

池の深さはあたしの足が辛うじて立てる位。

だから深すぎるわけではないけどそれでも誰も助けてくれな

かったらあたしは生きていなかったと思う。

あたしの考えなしの行動のおかげで自分だけじゃなく

鷹男や高彬にまで迷惑を掛けてしまったのですものね。

でもその話をしているうちに段々高彬はいつもの調子に戻ってしまい

ついにあたしに説教をしだしてしまったのよ。

あたしの行動がどれだけ皆に迷惑を掛けているのか、

今回は東宮様にまで危険を及んだんだとかどんどん話が長くなっていく。

確かにあたしの行動のおかげでいろいろな迷惑を起したかもしれないけど

このままだったらキリがない。

あたしは高彬の説教を中断して思い切って質問をして見たの。

「分かったから高彬。あたしの行動のおかげで迷惑を掛けたのは」

「全然分かっていないじゃないか瑠璃さんは!」

「分かったわ!ごめんなさい、これからは少し考えて行動するわ。

だから教えて頂戴、最近梨壺で何があったの?

梨壺さまと東宮様の不仲の噂を聞いたのだけど何が原因なの!?」

いきなりあたしがこんなことをいいだしたから高彬は吃驚していた。

でもあたしの質問の内容に急に慌てだしたの。

「るる瑠璃さん・・・・別に不仲な訳じゃないと思うよ。

それに対したことなんてないし」

「対したことじゃないのだったらあたしに教えてよ!」

「いやあ~別に・・・・・・・・・」

「ねえ~お願いよ高彬!あたしは東宮様を忘れたくて後宮を出たかったわ。

でもあたしは東宮様を嫌いで逃げたかったわけじゃないわ!

好きだから・・好きだからこそ自分を選んでくれないならって・・」

「瑠璃さん・・・・・・」

「あたしは恐くて東宮様に近づけないの。

あの時東宮様はあたしと高彬との仲を疑って見えたし

それにあたしは勝手に池に飛び込んでしまったし・・・・・・

もしかしてあたしが二人の不仲の原因なの?」

「それは違うよ!ただ僕達右大臣家が悪いんだ。」

「右大臣家?」

なんでここで右大臣家が関わってくるの?

あたしの行動に鷹男は呆れているんじゃないの?

あたしが考え込んでいる時高彬はあたしにある質問を投げかける。

「ねえ~瑠璃さん・・・・・瑠璃さんって・・・・・・・・・・」

高彬はあたしに何かをいいかける。

でもその言葉を続ける事をしない。

あたしは不審に感じて高彬に呼びかける。

「何なの?あたしがやっぱり」

「違うんだ。違うんだよ。前からずっと思っていたことさ。

ただ聞かなかっただけ。

このまま黙っていたのはやっぱり僕は右大臣家の人間だからなのかな・・・」

高彬はやっぱり意味の分からない事を言っている。

それから決意したのか高彬はあたしにもう一度質問をしてきたの。

「瑠璃さんって昔右大臣家に遊びに来たことってあるかい?」

「は?あんた何を言っているの?

あたしは幼い頃あんたの家に何度も遊びに行ったじゃない。

そりゃあ~内の方が多かったけどさ。」

「そうだよね・・・・・

だったら瑠璃さん右大臣家東宮様に会ったことってある?」

「!?!?!?」

急に吃驚するような質問を言われて驚きを隠せなかった。

なんであたしが東宮様と出会ったことを高彬が知っているの?

東宮様に出会ったことなんてあたしは誰にも言っていない。

東宮様の身に何か不都合をきたすと嫌だったから誰にも内緒だったのに。

そのあたしの態度に納得した高彬は一人で何かを考え始めたの。

それから急に高彬は考え事をしたいといい淑景舎を出て行ってしまったの。

結局あたしは梨壺で何が起こったのかも分からずに

呆然と高彬を黙って見送るしか出来なかった。

にほんブログ村 小説ブログ 二次小説へ
にほんブログ村