妄想の館

なんて素敵にジャパネスク二次小説(鷹男×瑠璃姫)

人魚姫の涙11


写真素材 cg.foto

高彬が急に淑景舎を退出してから2,3日が経った。

その後も鷹男があたしの前に現れる事はなかった。

このままあたしと鷹男の仲は進展がないと諦めていたそんな時

高彬が急にあたしとの面会を希望してきたの。

以前急に訳の分からないことを言いながら

結局梨壺で起こった事を教えてくれなかった高彬。

今度こそ梨壺で起こった事を聞こう、そう思っていたの。

でも高彬の言葉でそんなことなんて頭から飛び出てしまったのよ。

 

 

 


「瑠璃さん、急な面会を希望してごめんよ」

「うう~んそんなことはないわ。ただ驚いただけ。

それでどうかしたの?高彬の方からあたしに会いたいだなんて・・・」

「うん、そのことなんだけどね。瑠璃さん、

これから僕が話すことは誰にも内緒だよ」

高彬があたしに真剣な声で話しだした。

これから話すことはとても大切なことなんだと思う。

だからあたしは知らず知らずの内に緊張してしまった。

でもまさかこんなことを高彬に言われるだなんて

全く予想が付かないものだったの。

「瑠璃さん!以前僕に言ったよね。後宮から出ていきたいって」

「えっ!?」

「準備が整ったから瑠璃さん僕に黙ってついてきてくれないか」

なんですって~~~~~~~~~~~

まさかあの池に飛び込む直前に言った言葉を高彬が叶えてくれるの?

そんなことなんて出来るの?あの時高彬は驚いていたじゃない。

だから急にそんなことをいって貰えるなんて思わなかった。

もう後宮から離れる事なんて一生無理だと諦めていた。

それが叶うだなんて・・・・・・

後宮から出て行けばあたしは鷹男のことなんて考えなくてすむ。

もう苦しまなくてもいいんだわ。

高彬からの申し出にあたしはやや動揺してしまった。

でも鷹男を忘れられる。そんな気持ちが強くあたしは高彬の手を取った。

この後宮からあたしを出してくれるのですもの。

あたしは鷹男を忘れる・・・・・・・・

本当にそれでいいのかしら?・・・・・・・

そんな不安な気持ちを抱えながらあたしは高彬の後を

ついていくことしか出来なかったの。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


あたしは今何故か白梅院こと右大臣家の一室で

高彬を待っているところだった。

そこは高彬の部屋に近い所。

何故後宮から出てここに通されたのかさっぱり意味が分からなかった。

あたしは高彬から身一つでいいといわれた。

後宮を出て行くなら準備は必要だし沢山持っていくものもあるはずなのに

高彬はいるものは僕が全て用意するからと言って

あたしに有無を言わさずここに連れてきたのよ。

あたしは高彬の言う通りに動くしか出来なかったの。

高彬について行けばあたしはもう鷹男から開放されるのだから。

でも鷹男のことを思うと胸が痛い。

愛した鷹男ともう二度と会うことはないと思うと切ない気持ちになってくる。

あたしは立ち上がった。

そして部屋から出て行き庭に下りた。

もちろん初めて鷹男と出会ったあの思い出の池に向かって。

 

 

池に近づくに連れて胸がドキドキする。

あたしの大切な大切な思い出。

結局東宮様はあたしを見つけてくださらなかった。

そして代わりにあたしとは違う姫を選んだ。

今はその姫君と不仲ではあるけどあたしを選んでくださったわけじゃない。

あたしは選ばれなかったのだから。

この思い出をあたしは初めて会った池に思い出ごと捨てよう。

そんな思いに囚われながらあたしはやっとその池に到着した。

しかし、そこにはあたしが愛して止まない東宮様こと

鷹男が驚いた表情であたしの方を見てきたの。

一体どうして!?

しばらくあたしと鷹男は視線を避ける事も出来ず

見つめ合うことしか出来なかった。

こんな事が起こるだなんて・・・・・・・・・

一体どうして・・・・・・・・・・・・

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