妄想の館

なんて素敵にジャパネスク二次小説(鷹男×瑠璃姫)

止められない初恋~鷹男視点2~

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わたしは瑠璃を妃にするために早めに動いた。

まずは瑠璃の父である大納言に内々の話だと言い、いづれ

瑠璃をわたしの妃にすることを仄めかした。

大納言はあまりの驚きで真っ蒼になっており最初は難色を示した。

瑠璃は妃にはふさわしくないと何度も言っていたが

吉野の里で出会ったことを伝えたらわたしの本気をくみ取ったのか

やっと理解を示してくれた。

わたしが迎えるまでに違う殿方をあてがわないようにきつく伝えておいた。

瑠璃はお転婆であるが大貴族の姫君。

大納言はいづれ大臣になることは決まっている家柄。

その姫君がどんな姫であろうが後ろ盾を必要としている男が

わんさかと現れるだろう。

夜這いでもされたらたまらない。

わたしは後宮から身動きができない。

だからといって瑠璃を妃にすると皆に発表することもできない。

もしかしたら東宮争いに巻き込まれるかもしれないからだ。

本当なら文の一つでも贈りたい。

瑠璃と話をしたい。

それさえもかなわないわが身分を恨んでしまう。

けれどそれは吉野も同じこと。

こと瑠璃のことではライバル同士だ。

吉野よりも先に手を打たないと瑠璃は吉野の妃になってしまう。

そんなことは許せない。

そうして時が経ち瑠璃も14歳になっていた。

少女がさなぎから羽化をし美しい蝶になっただろうか?

元々容姿は平凡だけれど、私は容姿に惹かれたのではない。

お転婆だけれど、根は素直で何事も必死で行動をするその姿勢に

わたしは惹かれたのだ。

後宮での女たちは心の中では何を考えているのか分からないが

全て計算尽くされている。

美しく賢い女も沢山いるが瑠璃を知ってからは全てが

偽物に移って仕方が無い。

やっと瑠璃をわたしの妃にすることができる。

だがふと思った。

瑠璃は東宮になったわたしの元にすんなり妃として納まってくれるのかと

急に不安になってきた。

瑠璃がわたし達兄弟を忘れずに待っていてくれるなら

東宮妃にすんなり来てくれるわけがない。

わたしは大慌てで部下に吉野に行き

瑠璃との思い出の花を摘んでくるように命じた。

その時ふと思った。

赤い花だけにしようか?それとも青い花も摘んでくるよう命じるか?

瑠璃は最初にどっちの花を見て先に思い出してくれるのだろうか?

心の闇が広がる。

瑠璃は本当は吉野のことが好きなはずだ。

わたしのことはいい兄だと思っているのだと

子供ながらに感じていたからだ。

二人の仲を引き離しているのはわたしだ。

だが愛する瑠璃を手離すわけにはいかない。

もし赤い花だけだとわたしだとわかるが

吉野じゃないことにがっかりするんじゃないか

そんな不安がよぎり、わたしは赤い花と青い花を瑠璃に贈ったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

久しぶりに出会った瑠璃は幼い頃の面影は変わらず少女から

美しい女性になっていた。

わたしがずっと大きくなった瑠璃を描いていた姿と

そんなにかけ離れているわけではなかったが

それでもやっと会えたことに感無量だった。

会って今すぐにでも抱きしめたくて仕方が無いのをぐっと我慢する。

もし誰もいなかったらそのままわたしの寝床に引きずれ入れて

閉じ込めたくなった。

それだけ彼女に会いたかったのだから。

だが、もうしばし我慢だ。

公の場でそんなことをしてしまえば瑠璃に恥をかかせてしまう。

だが少しでも瑠璃に自分の瑠璃に対する愛おしい思いを表現したくて

ウインクをすると真っ赤な表情になりより一層可愛らしさが増した。

ああ、早く彼女の心と体全てを自分のものにしたい。

だが焦る必要はない。

彼女は私の妃になったのだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

清涼殿に夜瑠璃を召すことにした。

初めての初夜に瑠璃は緊張をしている様子だった。

少し震えているのは緊張からなのだろうと自分の都合のいいように

思いながら顔を上げてもらう。

ほんのりと既に顔が赤らんでいて色艶があり私は我慢できずに

彼女に荒く激しい接吻を施す。

その時瑠璃からの手荒い罰として平手が来ようとも私はそれを予測し

そのまま彼女を抱きしめていた。

「瑠璃、わたしの瑠璃・・・やっと、やっとだ。

お前を自分の手元にできるのは。」

ここまで来るのにわたしは不安ばかりだった。

瑠璃をわたしの妃にするにはいろいろな課題があった。

それだけじゃなく吉野がどう動くのか。

吉野は東宮になる気は一切ない。

だからこそ身動きもできるから瑠璃を奪って

二人でどこかに行ってしまうかもしれない。

最悪のシナリオがいつも頭に浮かんでいたのだ。

わたしは卑怯者だから。

それでも瑠璃が欲しかったのだ。

わたしはしばらく瑠璃を抱きしめていた。

それからしばらくして瑠璃が怒り始めた。

「鷹男!あたしは怒ってるんだから!

吉野の里を離れてから何も連絡がなくて迎えにきてくれるのか

元気でいてくれてるのかも分からなくて心配したんだから。」

「悪かった、わたし達の周囲は跡継ぎ問題で

少し困った事態になりそうだったからお前を巻き込みたくなくて悪かった。」

「ねぇ、吉野の君は元気なの?」

「大丈夫だ、吉野は、いや宗唯は親王のままだ。

このままわたしは次期帝になった時宗唯は東宮になる。

だが、瑠璃がわたしの御子を宿したら次期東宮はわたし達の御子になるけれど。」

「なんなの!それじゃあ吉野の君は新たな東宮の身代わりじゃない。

産まれてもいないのに、そんなの吉野の君が可愛そうだわ!

なんとかならないの?鷹男!」

「・・・、瑠璃。お前が俺の初恋の人でよかった。

そして変わってないことに嬉しく思うよ」

本気でそう思った。

わたしも吉野も親王として自由に生きることはできない。

何一つ自由はないのだ。

衣食住に不自由はなくてもどこに行くのも何をするにも周囲の目がある。

そのことで何度も悩んだことはあったが、瑠璃に出会えて、

彼女を妃に迎えるという目標ができ日々過ごすのが嫌でなくなったのは事実。

だがわたしが東宮になったらなったで吉野の立場も変わる。

最近床に臥せることが多くなった父上もあと数年で譲位を洩らすだろう。

その時までに瑠璃との子供が出来ないときのために吉野は親王のまま

政務も任されずに浮いた存在にされてしまったのだ。

瑠璃との子供は欲しい。今すぐにでも・・・

だがわたしの大切な弟である吉野の不遇な扱いには納得がいかない。

わたしはそう考えていたのだが、まさか瑠璃も同じ考えとは思わなかった。

心優しい瑠璃にわたしはさらに惚れこむことになる。

だがこのまま吉野のことでわたしを蔑ろにされるのは嬉しくない。

わたしは吉野に嫉妬をしながら瑠璃を搔き抱く。

ほんのりとさわやかな香の匂い。

瑠璃の匂いだ。

甘くとげとげしく纏わりつくような匂いとは違って瑠璃の匂いは

いつまでも嗅いでいたくなる匂いだ。

瑠璃には悪いが初めてであろうが夢中になってしまう。

わたしはそうして瑠璃と初めての夜を過ごしたのだった。

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