妄想の館

なんて素敵にジャパネスク二次小説(鷹男×瑠璃姫)

止められない初恋~鷹男視点3終~

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https://girlydrop.com/

 

瑠璃が東宮妃になった。

やっとわたしの元に来てくれて嬉しくて仕方が無い。

だが、新婚だというのに瑠璃はご機嫌ではない。

何故なら吉野と全く会えないからだ。

世間的に見れば東宮妃である瑠璃が他の殿方に会おうだなんて

どれだけのリスクが生じるのか誰でも分かるだろう。

けれど瑠璃は吉野に執着している。

瑠璃は本当に吉野が好きなのだろう。

分かっていたことだ。

二人の仲を引き裂いたのはわたし。

瑠璃を東宮妃にしたらこうなることは簡単に予想が付いた。

だがわたしは吉野に対して負い目も感じていた。

だから吉野に会えるように私からも何度も吉野に伝えているのだが

吉野は色々な理由をつけて中々瑠璃と会おうとはしない。

吉野の気持ちもわかる。

わたしに遠慮しているのだろう。

けれどこのままでは瑠璃がじっと梨壺に我慢して納まっているわけがない。

そのまま吉野に突撃をしようと考えるかもしれない。

だからわたしは自分の心を我慢して吉野と会える算段を瑠璃に教えた。

その時の極上の笑みに瑠璃は私が苦しんでいることに

気が付いてないんだろうと思うと切なくなってきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから母上も協力してくれるとのことでようやく瑠璃と吉野の

対面が叶った。

瑠璃は吉野の衣を離さないといわんばかりに引っ付いてしまった。

その様を見て心の奥底から闇を感じる。

瑠璃は私の大切な人だと。

吉野であろうと渡せるわけがない!

けれどわたしは瑠璃に甘いのだろう。

瑠璃が吉野と話し始めて嬉しそうにしている姿に仄かに苦しみが

あるがやはり愛する人の笑顔は見ていてうれしい気持ちも沸いてくる。

こうして吉野と瑠璃と三人で話せるようになり瑠璃もそれ以上

吉野に会いたいと我儘を言わなくなった。

吉野もわきまえて居るのか、瑠璃と会うときは必ずわたしに

文や人を使って報告してから会うようにしていた為

わたしの心は穏やかになっていたのだ。

 

 

 

 

 

 

それからしばらくしてなんと嬉しいことに瑠璃に懐妊の報告が上がった。

余りの嬉しさに天にも昇るようだ。

後宮は瑠璃の懐妊で華やかになりわたしや瑠璃に色々な喜びの

言葉をかけてくれた。

その姿に吉野はどう思っていたのか私には分からない。

それからだった。

また吉野が瑠璃と会わなくなったのは。

瑠璃はまた吉野に執着し始めた。

やっと身も心も私のものになったと思ったのに瑠璃は元に戻ってしまった。

わたしは悩んで悩み続けて苦渋の決断をしたのだ。

夜中に吉野を藤壺に来るように頼んだ。

最初は難色を示していたが命令すれば嫌とは言えない。

その夜私は藤壺に渡った。

瑠璃は物思いにふけっていた。

その姿は色気があって今すぐにでも抱いてしまおうかと一瞬悩んだ。

それほどまでに色香が漂ってくるのだ。

わたしは瑠璃を愛しているから、けれど愛していても

瑠璃はわたし一人ではダメなのだ。

「瑠璃・・・瑠璃は前と同じで吉野を忘れられないか?」

「鷹男・・・・どうして!」

「愛する女であるお前を見ていたら分かる。まだ吉野が

忘れられないんだろう。」

「鷹男!!!ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい!

あたしは鷹男が好きよ!愛してる!でも吉野の君も好きなの。

昔からずっと想ってたんだもの。

二人とも大好きでどちらかを選ぶなんてできない!

鷹男、あたしは裏切り者よ!あなたを想いながら

他の殿方を想うだなんて!」

その時だった。

「兄上申し訳ありません!私も瑠璃姫を忘れることはできません。

彼女を愛しているのです。

お二人が愛しあっているのも知っています。知ってはいるけれど

諦めることができません。せめて瑠璃姫を愛し続けることだけでもいい!

それだけでいいので許してください!」

「吉野の君!」

「瑠璃姫!」

二人は私の目の前で抱き合って口づけを躱している。

それはままごとの様な幼い口付けだった。

わたしはその様を見ながら嫉妬心に焼き尽くされるように瑠璃を

吉野から奪い深く舌を絡めながら息さえ辛いだろう深い口付けを

吉野の前で見せつけるようにしたのだ。

その時の吉野の切なく狂おしい私に対しての嫉妬にわたしは

優越感を抱いていた。

そうしてわたしは瑠璃の胸元から手を入れて吉野に見せつけるように

して見せた。

一瞬吉野はその場から離れようとしたがその手を掴みそのまま

瑠璃の形のいい胸に押し付けた。

そうすれば吉野も男だ。

雄のような眼をして愛する瑠璃を二人で愛でた。

吉野がいるからか瑠璃はいつもよりも感度がよくて大きく甲高い声を

何度も出しわたし達を楽しませてくれた。

特に吉野に恥ずかしい姿を見せるのがより一層感じるのだろう。

嫌だという声はイイにしか聞こえなくてつい手荒く抱いてしまったのは

反省点だろう。

 

 

 

瑠璃は気を失い眠りに入っている。

その時吉野から話しかけられた。

「兄上!一体どういうことなのですか?」

「何が?」

「瑠璃姫のことです。兄上にとって愛してやまない姫を

わたしと一緒に抱くだなんて何を考えておられるのか?」

「吉野・・・お前は瑠璃を愛しているのだろう。」

「それは・・・」

「まだ諦められない、その思いが簡単に消えるほどお前の気持ちは

軽かったのか?」

「そんなわけがございません!」

吉野の怒った声が鳴り響く。

滅多に怒らない吉野の怒声に少し瑠璃が動くが目覚める気配はない。

「わたしは瑠璃を愛している。それこそ一生ものの恋だ。瑠璃以外

愛する人間はいないと皆に宣言できるほどだ。だが瑠璃は・・・

瑠璃は吉野のことも愛している。それはそなたも感じることだろう。」

「ですが瑠璃姫は東宮妃になったのです。瑠璃姫の隣に座っているのは

兄上しかおりません。」

「瑠璃がわたしだけしか愛していないならそうしているさ。

弟だろうが瑠璃を見せるわけもないし話をさせることもしない。

わたしは嫉妬深いんだ。」

「だったら!」

「だからこそだ!わたしは瑠璃を愛しているからこそ

いつも笑顔で側にいてほしい。幸せになってほしいのだ。

だが瑠璃には吉野、お前が必要なのだ!わたしだっていくら弟だろうと

容赦はしない!だが・・・だが・・・・瑠璃は違うから。

それにわたしは吉野、お前が大切だ。お前も瑠璃と会えなかったとき

苦しい思いをしていただろう。」

「それはそうですが・・・・」

「だったら解決方法は瑠璃をわたしと吉野で愛せばいいのだ。」

「なっ!それはいけません。もしばれでもしたらわたし達はいくら身分が

高かろうが身の破滅ですよ!」

「三人で身の破滅ならよくないか?」

「兄上・・・・」

「だがわたしも嫉妬深いから吉野が瑠璃を抱くときは必ずわたしを

いれること。二人きりではすることは許さない!」

「いいのでしょうか・・・・二人の間に私が入るのは。」

「驚くだろうが瑠璃は嫌がらないだろうな。三人で共謀するのは」

「兄上、本当によろしいのですね。」

「ああ。」

わたしは吉野と一緒に瑠璃を愛することに決めた。

大切な初恋の君を他の男と夜を共にするなんて考えられないかもしれない。

だが弟の吉野だから。

大切な弟だから、吉野にも幸せになってほしい。

そうするにはわたしが譲歩するしかないのだ。

 

 

 

 

 

吉野と瑠璃と三人で愛しあうのも悪くはないだろう。

だって二人は嬉しそうな表情で喜んでいるのだから。

だが私に負い目を持っているのも分かっている。

これでもわたしは東宮だ。

母上との約束を守らないとならない。

吉野は弟であっても私の東宮としての地位を脅かす存在。

だが瑠璃を間にいれれば吉野はわたしに歯向かうことは絶対にないだろう。

そうしてわたしは愛する初恋と大切な弟を完全に手に入れることになったのだ。

御子が私の子じゃなくても愛する瑠璃と大切な弟との子だ。

瑠璃は4人の御子を出産したが全て可愛いわたしの子供として育てることに

なるだろう。

心の闇はいつまで経っても消えないがわたしは幸せだ・・・・・

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