妄想の館

なんて素敵にジャパネスク二次小説(鷹男×瑠璃姫)

藤壺後宮物語4

 

かぁ・・・なに、すごいかっこいい人じゃないの。

一体誰なの?

あまりのかっこよさに、笑われたことさえ忘れてしまっていた。

藤壺の女御様、どうかなさいましたか?考え事をなさっているご様子ですが」

「あっごめんなさい、なんでもないわ。」

「そうですか?早速本題に入らせていただいてよろしいですか?」

「あら、いったい何のことかしら?」

あたしは何も知らないふりをしてやった。

この男、顔はいいけど何か怪しい。

あたしの口をふさいだ男と同じじゃないの?

鷹男の右手には布がまかれており、あの手の中にあたしの歯形が残っていたら

あたしを襲った人間と同じことになる。

こいつがもし呪詛を置いた犯人であれば、猫のひっかき傷があるはず。

同一犯か犯人とは別の人間なのかはわからない。

どちらにしても、あの床下にいた時点でアウトに決まっているわ。

あたしのことは例外だと思ってよね。

「鷹男といったかしら、少しお聞きしたいことがあるの」

「なんでしょうか?」

「その右手、布がまかれているけれど怪我でもなさったの?」

あたしは白々しく聞いてみる。

そしたら鷹男の表情が少し変わる。

「たいしたことではありません。お転婆猫に嚙まれただけですよ。」

そういった鷹男はにっこりとあたしの方に布をほどいて見せてくれた。

間違いない。あたしを襲った人間だ。

でもどうしてあっさりあたしにヒントを出すの?

まさか、猫に引っかかれた痕を隠してるのかしら。

不思議に思いながら、鷹男の隣にいる権の中将様をみつめる。

今上帝の信頼も厚く、高彬が尊敬していたくらいだから呪詛を置くような

卑劣者の犯人と協力者だとは思えない。

だったら鷹男は何者なのか?

それは犯人を捕らえる側だとおもってもいいのかもしれない。

「鷹男悪いんだけれど、左手も見せてくれない?」

鷹男は何も言わずに手を差し出してくれた。

やっぱり手に傷がない。

綺麗な手だわ。

男の人らしく大きくてごつごつしているけれど、身分が高い人なのかしら?

思ったよりも柔らかい、若手小指の付け根と天文筋付近の皮が厚いくらいか。

思わず手をしっかり握ってしまった。

「女御様、いつまで手を握ってらっしゃるのですか?」

「ごめんなさい!思わず素敵な手だったから。」

真っ赤な顔をした権の中将様に注意されてしまう。

あたしったら初めて出会った殿方なのにまじまじと見つめたうえ、

手まで握ってしまった。

はしたない真似をしてしまい、さすがのあたしも黙り込んでしまう。

「権の中将様、私は気にしませんよ。私の手を褒めていただけて

すごく嬉しかったのですから。女御様は可愛らしい方ですね。」

「「なななっ」」

あたしと権の中将様は鷹男の発言に大きな声を上げてしまった。

鷹男って誰でも褒めるのかもしれない。

それがすごく似合ていて、

顔がいい人って何を言っても許されるんだなって思っちゃった。

これが高彬や融が言っていたら何をお世辞を言ってるんだって

ぶっ飛ばしてたかもしれない。

でも鷹男に言われると嬉しくなっちゃうのよね。

「ゴホン、それで女御様、あのような場所になぜおられたのでしょうか?」

権の中将様が話を戻してくれる。

「あのような場所というと、どこだったかしら?」

「お主上の寝所の床下ですよ。」

「えっ?あそこってお主上の寝所だったの?」

「女御様は知らなかったのですか?」

「ええ、あそこは偶然いただけだから」

「偶然ですと!」

「はいごめんなさい」

お二人はすごく驚いていた。

そりゃあ偶然とはいえ普通は床下なんて潜らないものね。

何かを企んでいるものか、スパイか。

あたしは本当に偶然だけれど信じてもらうしかないわね。

「本当に猫を追いかけただけなのですか?」

「ええ、そうよ!」

「迷子になったからウロウロして偶々猫を見つけて床下に入った。」

その時、鷹男の眼光が鋭く光ったように見えた。

この男、ただものじゃないわ・・・

一体何者なの? 

あたしと鷹男の睨み合いが続く。

ここで負けてなるものか!

あたしは噓をついてないんだから!

しばらく睨み合いが続いていたけれど、鷹男が先に折れてくれたの。

「そうですか、女御様、あなたを信じましょう。」

「鷹男殿よいのですか?そんな偶然を信じて。もし帝の身に何かあったら!」

「大丈夫でしょう、藤壺の女御様と言ったら猿のような姫、

いえ、元気すぎるほどの姫だと噂されていました。

猿ではなく、行動力のある素敵な姫君でしたが。」

鷹男、それはあまりうれしくないかも。

「それは、・・・・まあいいでしょう。話を聞く限り、女御様は

悪いお方ではないと私も思います。ですがそれでも!

御所で不穏なことをされれば誰であろうと私は容赦いたしません!」

秋篠権の中将様の忠義高い発言に高彬が尊敬するのもうなづける。

その隣では鷹男がニコニコしながらその様子を見ていた。

 

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