妄想の館

なんて素敵にジャパネスク二次小説(鷹男×瑠璃姫)

交差する思い6

あたしは親王さまを御生みした後やっと後宮に戻ったの。

長い事ここを離れたので案外懐かしく思えたの。

そんなに長い事ここにいたわけじゃないくせに

ここでは辛い思い出ばかり・・・

でもあたしは意地を張るのは止めたのよ。

だからあたしの気持ちを伝えようと思う。

そうしてあたしは一番初めに鷹男の帝に御挨拶をしたの。

ここでは本当の話など出来ないから形式ばった挨拶しか出来なかったけど

久しぶりに鷹男を見ることができたの。

鷹男は相変わらずかっこよかったわ。

胸がドキドキする。

今度はちゃんと本当のことを鷹男に話すわ。

意地も張らずにきちんと話す。

もしかしたら怒って許してくれないかもしれない。

それでもいいの。

これは臆病なあたしが悪いことなの。

鷹男を凄く苦しめてしまった。

許してくれなくても仕方がない、それはあたしの罪なのだから。

鷹男ごめんなさい。

あなたを苦しめてしまったわね。

姿はとても素敵だけど少し痩せたんじゃないの。

やっぱりあたしのせいね。

でもあたしは覚悟を決めた。

だからあたしは鷹男と視線を合わせる。

この後宮で入内してからあの一度きりの視線の交わりから一度も合わせたことがない。

でももう覚悟が出来た、鷹男あたしを見て・・・・・

 

 

 

 

 

それから藤壺に戻った。

今日はあたしを召すことを当たり前のように願いながら・・・

 

 

でも結局なかったの。

あの初めて戻った日の夜から一度もお声を掛けてくれないの。

あたしは自分の気持ちをはっきり伝えようとそう思ったのに、

決意したのに、でも声を掛けてくれないことにショックで

今でも鷹男に話掛けられないでいるの。

やっぱり鷹男はあたしをもう許してくれないのかもしれない。

あたしが意地で帝としてしか接しなかったから

だから鷹男は傷ついてもうあたしには女御としてしか扱ってくれないのかもしれない。

そんな・・・馬鹿なことをしたんだわ。

こんなに辛いことだったなんて・・・

あたしは何さまだというの。

こんなに儀礼的な付き合いが辛いことだなんて、なんて切ないの。

あたしは後宮に来てからずっとこんな接し方しかしなかった。

鷹男は帝という地位を誇らしげに思っているのと同じ位

この地位の重責に苦しめられていたのに

あたしはなんてことをしてしまったの。

うううっ・・・・・・・・・

涙が止めどもなく溢れては消えていく・・・・

あたしならもう苦しくて苦しくてもう諦めてしまう・・・

だから鷹男もあたしのことをもう諦めてしまったのね。

あたしはもう取替えしがつかないことに今更ながら気付き涙した。

そんな状態であたしはじかに話せるわけもなく、

実際今上帝があたしに会いにくるか

清涼殿に召されるときしか話す機会もなく

またあたしは恵まれすぎていることに気付いてしまったの。

あたしは鷹男に愛されていたことを・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

そんなときあたしは鷹男に近づくことも出来ずに何も発展もなく

日が無常にも流れたときある噂が流れ始めたの。

それは驚愕な噂だったの。

それはあたしが高彬との子をお主上に隠して

親王さまを御生みみしたということ!!!!!

そんなことがあるわけもない。

あたしは確かに高彬と結婚するつもりはあった。

でも高彬に最後まで体を許したことなんて絶対にない!

それだけは事実。

でもこの噂はずいぶん前からあったみたいでその上、

里下がりしていたときに高彬が三条邸にきていたことで拍車をかけたようなの。

確かに知らない人達から言わせれば、

親王さまが御生れになった時期が怪しいのは仕方がないわ。

そして違うとは言え確かにあたしのところに高彬は来てくれた。

これだけの要素があれば確かに不義のことして間違われるのは仕方がない。

でも親王さまはあたしの子!

そして愛する鷹男との子ですもの。

守らなくてはいけない。絶対に!

でもそれからしばらくして父さまが藤壺にみえたのよ。

驚くべき言葉をもって

 

 

「るる、いや藤壺の女御さま、もう噂は耳にして見えるはずですな。」

堅苦しいことはいいわ。父さま、

あたしが不義の子を産んだと言う噂はどこまで知れ渡っているの?」

「藤、いや瑠璃やお前はなんてことをしてくれたのじゃ~

これでは完全に内大臣家はおしまいですぞ。

その上、高彬殿の子供だなんて、右大臣家でもこんな噂が流れて持ちきりじゃ。

本当のことをいいなされ!本当のことを~おおお」

内大臣さましっかりなさってください。」

「父さま大丈夫なの。」

「大丈夫であるわけないではないか~~~

ふふ不義の御子さまとはどういうことなのじゃあ~

まさか、まさか時期がおかしいとは思っていたが

お前はどうして高彬殿の子を身篭ったまま入内したのじゃあ~」

「ちょっと待ってよ!父さま落ち着いて!」

「落ち着けるわけがないではないか!おおおお、これで内大臣家はおおお終わり・・

あはは・・」

「違う!違う!絶対違うわよ。父さま、

あたしが御生みした親王さまは絶対今上帝の御子さまよ!

絶対に嘘はついてないの。」

「しかしお前時期が違うし、

お前は入内したときにはわしに本当のことを言わなかったではないか!」

「それはあの時は事情があったの。

それに吉野の里から戻ってきてからあたしは軟禁されていたし

高彬と会うこともできなかったわよ。」

「しかし、お前は高彬殿と吉野の里で会っていたこともあったではないか、

だからその時としか考えられない。」

「それはそうだけどあたしは一度も高彬に体を最後まで許した覚えはないわ。」

「しかしそれでは誰の御子さまなのじゃ」

「だから今上帝と言っているでしょう。」

「???何をいっているのじゃ、

今上帝がお前と入内前に会うことなどできるわけがないではないか」

「それはそうだけど、でも父さまも知っているでしょう。

東宮時代から御文が届いたことを」

「それはあの時だけではあるし、

あれはただ瑠璃が貴族の姫としては珍しかったからであって」

「だからその時から親交はあったの!

それからある事情で話せないけど、でも今上帝から吉野の里まで御文を頂いていて」

「ではまさか吉野の里に今上帝がおみえになったというのか。だがそれは・・」

「そうなのよ。

今上帝がお忍びで吉野の里に来ただなんていえるわけないじゃないの!」

「そうであるな・・・・しかし・・・・」

「父さまそうなの。これが事実よ。だからこの噂を喰い止めなくてはいけないのよ。」

「しかしのう、

瑠璃やこの件は今上帝から真偽を聞いて参れと承ったことなのじゃぞ。」

「え!・・う・・そ・・・鷹男が?」

「???・・なんじゃ瑠璃や顔色が悪いぞ」

「ごめんなさい、父さま大丈夫よ。でも今上帝がお耳にしてしまったのね。」

「そうだ、だからわしに直接聞いて参れと厳しく承ったのじゃ。

だからわしも慌てて来たのじゃぞ。」

 

あたしは混乱ばかりでこれ以上何も考え付かなくなったの。

鷹男はあたしの子供にでさえ疑いの目で見ているのよ。

これがあたしが行った罪への罰だと言うの。

あまりにも残酷であたしは思わず気を失ってしまったの。

涙を流し続けながら・・・・・・・

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