妄想の館

なんて素敵にジャパネスク二次小説(鷹男×瑠璃姫)

交差する思い3

私は帝としか私をみない瑠璃姫を見るのは耐えがたかった。

しかし瑠璃姫への愛情がどれだけ経っても消えないのだ。

あんなに欲した相手は瑠璃姫ただ一人なのだ。

だからこそ瑠璃姫を手放すことなどできなかったのだ。

私は瑠璃姫が藤壺として入内してからほぼ毎日のように体を抱いた。

体を合わせている時だけは何故か瑠璃姫の心が見えるような気がするのだ。

しかしどれだけ体をあわせたとしても

あくる日目が覚めたときにはいつものように帝としか扱ってくれない。

私の心はどんどん心が落ちていくことしかできないのだ。

そうしていく内に瑠璃姫は私の御子を出産するために三条邸に里下がりしてしまった。

瑠璃姫と会わないことで気持ちは楽になるような気はするが

やはり瑠璃姫が私から離れることは寂しすぎる。

私が愛した瑠璃姫がいないとしても

やっぱり瑠璃姫への恋慕を忘れることはできないのだ。

寂しい・・・

瑠璃姫は私と離れられて喜んで見えることだろう・・・

そう思うだけで苦しくなってくる。

あなただけです。私の心を騒がせる方は・・・

瑠璃姫早く戻ってきてください。でも多分私が文を遣わしても返事はないのだろう。

だったら渡さない方がまだましなのだろうか。

心はあなたのことしか思えないのに

あなたは私のことなど全く考えては下さらないのでしょう。

瑠璃姫・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


瑠璃姫が里下がりをしている間、

貴族たちは前よりもまして他の女御の下に渡るように進めてくる。

瑠璃姫がいた時はまだましだったが今はいない。

だからこそ貴族たちに有利な御子が欲しいのだろう。

貴族たちは自分に協力するつもりではあるが

結局自分たちに有利な政治がしたいだけなのだ。

こんなとき瑠璃姫だったら私に

「馬鹿ねえ~鷹男は、そんなの気にしないでもいいわよ。

あんたなら自分で解決してくれるでしょ。

あたしがついてるんだから大丈夫よ。」

そういってくださるだろう

あなたならいつも私が欲しい言葉を下さった。

私を帝としてではなく鷹男個人を心配してくださった。

でもあの瑠璃姫はあの吉野の里で消えてしまった。

どれだけ経っても瑠璃姫のことしか考え付かない。

「お主上、きいておられるのですか?

藤壷の女御様がいない今、他の女御様にもお情けをかけ

もっと御子をお作りになって次代に向けていけなければなりません。

御子は多すぎてもいけませんが少なすぎてもいけません。

今は今上帝には御子様がいない今必要な存在なのです。」

「だが今は藤壷の女御が新たな御子を身篭っている最中ではないか。」

「それはそれです。」

わかっている、お前たちは内大臣家にこれ以上力を蓄えられたら困る。

だから他の女御との間に御子が産まれれば自分たちが権力を握ることができる。

だからこそ疎ましいのだ。

その点内大臣は権力欲は少ない。

次の帝が即位したとき貴族間の争いがあっては

この京にいらぬ争いの元になるかもしれない、

そうなってはいけないのだ。

帝とは権力がいくらあっても貴族たちを無視することはできない。

一体帝とは何なのだろうか・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


それから内大臣家より瑠璃姫が無事に御子を産んだと報告があった。

母子ともに無事なのだそうだ。

そして私にとっては初めての御子であり、大事な親王

私は初めから決めていた。

瑠璃姫に親王を産んでもらいその子を東宮に据え、

そして瑠璃姫に中宮になってもらうこと。

瑠璃姫が嫌がっても瑠璃姫の身分で第一皇子、

相当何かがなければ東宮の位にあがる。

瑠璃姫早く戻ってきてください。

どんな瑠璃姫でも私はお待ちしてます。

 

 

 

 

 

 

 

あれからあたしは三条邸に里帰りをしたの。

ここではあたしは後宮の窮屈な生活から開放された。

でも鷹男への気持ちは変らずに心に秘めるしかなかったの。

御子さまを元気に産まなくてはいけない。

だから元気になろうとは思うのよ。

でも心は満たされぬままあたしは沈んでいくしかなかった。

「瑠璃さま、三条邸に戻られてから少しはお元気になられて

小萩は嬉しゅうございます。」

「ふふやだ、小萩大げさなのよ。」

「ふう~瑠璃さま気付かれてないのでございますね。」

「何を?」

「瑠璃さまの笑顔、

瑠璃さまが吉野の里から京に戻られてから初めての笑顔なのですわ。」

「そんなこと・・・」

「ずっとお傍に仕えてきたこの私の前では

瑠璃さまのこと分からないはずがございません。」

「小、小萩!」

「瑠璃さまは高彬さまにきちんとしたお別れを伝えていないのではありませんか?

無理やり入内なさったのですから無理もないことですから。」

あたしは小萩に吉野の里で鷹男と出会ったことを本当は教えていなかったの。

そしてお腹の子供の父親のことも、

これはあたしがまだ鷹男のことを許していないのだから仕方がないことだったの。

許していない、・・・違うわね。

あたしは自分自身、自信がないのだからだから仕方がないことなの。

小萩は多分お腹の子供は薄々知っているのかも知れない。

だってお腹の子供が居いるというのに

入内をあたしがそのまま受け入れてしまったのだから。

本来のあたしなら高彬を気にするはず、

あの時点で高彬と接触は不可能では合ったけど

あたしがそのことを気にしていると思ったんだわね。

そう本来のあたしなら高彬に悪いことをしたと謝るとは思う。

でもあたしは高彬のことよりも鷹男でいっぱいなんだわ。

鷹男が言ったように高彬は他の姫君を北の方に迎えることはまだしていない。

もし、していたらあたしの心ははっきりしたのかもしれない。

鷹男に高彬のことなんて本当は好きじゃないと言われてから

高彬への思いも考えることを止めてしまった。

だから高彬への懺悔の思いしか思いつかないの。

それから幾日も過ぎていったの。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それは月夜があまりにも美しいからあたしは階で眺めていたの。

本来なら出産のためのお部屋も建てられていてそこから出てはいけない筈なのに

あたしは相変わらず平気で外にいたの。

そして誰かが近くにいることに気付いたの。

まさか鷹男?

鷹男からは時々帝らしい丁寧な女御に対しての御文ばかり。

そんな風に対応するようにさせたのは

あたしなのにそんな寂しいだけの御文を貰うだけで切なくなるの。

だからまさか鷹男が御所を抜けてくるわけなんてない、

そう思いながらつい鷹男を探してしまう。

「鷹男?」

「・・・」

「・・・?」

誰かがいるのは分かるけどでも誰なのか分からない、

そして近づいて見ると・・・!!!

「高彬!!!」

「瑠璃さん、いや藤壺の女御さまだね。」

「・・・・・いいのよ。いつもの瑠璃で、高彬お久しぶりね。」

「・・・瑠璃さん・・・痩せたね。

あんなに元気だったのにそれなのにこんなにやつれて・・・

瑠璃さんは本当は入内したくなかったんじゃないの」

「高彬、あんた何を言ってるの・・・」

「僕は本当は瑠璃さんを諦めたくなかったんだよ。

本当は瑠璃さんの元に行きたかった。

でももう瑠璃さんは宣旨が下っていてそして軟禁されていた。

それでも会おうと思った。

その準備をしている時に僕の耳に入ったのは

瑠璃さんがお腹の中に子を身篭っていることだった。」

「なんであんたがそれを知っているの」

「僕の情報網を見くびらないで欲しいな」

「そう」

「そのお腹の子はやっぱりお主上の御子様なんでしょ。

だから瑠璃さんは無理やり決められた入内も

仕方がないから決めたんだ。そうなんでしょ。」

「それは・・・」

「ほら瑠璃さん、僕は本当は瑠璃さんが僕を見捨てて

主上を選んだのだと思っていたさ。

でも瑠璃さんの評判はいつもの瑠璃さんとは全く違う印象ばかり。

おかしいと思ったんだ。

瑠璃さんが僕を裏切るなんてありえない」

「違う!!!違うのよ・・・」

「何が違うんだい、瑠璃さんは今上帝に無理やり奪われて身篭った。

だから入内した。そうだろう」

「それは・・・」

「じゃあ瑠璃さんもしお腹の子がいなかったら入内してたのかい?」

「!!!・・・」

「それが返事なんだよ。僕はこのまま黙ってるわけには行かないよ。

そんな辛そうな瑠璃さんを見たくないんだ。」

「高彬!!!」

あたしは高彬に抱きしめられてそして思わず泣いてしまったの

 


それから高彬はここにいてはまずい為

また隠れて会いに来ると言ってくれたの。

あたしは高彬への想いをもう一度考え直す必要があったの。

いえ、もう最初から答えは出てたのにどうして言わなかったのか、

あたしはすでに鷹男を選んでいたくせに

それなのにあたしは卑怯者よ・・・・

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