妄想の館

なんて素敵にジャパネスク二次小説(鷹男×瑠璃姫)

交差する思い2

私はどこで間違ってしまったのだろうか。

いやもう分かっていた事ではないか、初めから私は間違っていたのだ。

しかし、仕方がなかったのだ。

私を選ばずに高彬を選ばれてしまったのだから。

私はどうしても瑠璃姫が欲しかった。

だからこそ、無理やり瑠璃姫の体を蹂躙して

帝の立場を使って信頼のある部下である高彬から瑠璃姫を奪ったのだ。

立場を利用して無理やり瑠璃姫を女御として入内させた。

入内させることを決めた時はすぐに瑠璃姫を迎えようといろいろ動いた。

しかし、右大臣の娘を入内させたことで

私の後見人となってくれた右大臣家を無視することも出来ず

その上、瑠璃姫は内大臣家の総領姫。

大臣家の最大の敵になるかも知れない大貴族の姫君を

帝であるこの私自身の希望で入内させるなんて

大臣家を軽く見ていると勘違いされても困ること。

だからこそ、貴族の姫君が入内されるしきたりに則って

私は我慢しなくてはならなかった。

私は本当は危惧をしていたのだ。

あの瑠璃姫が私がとった卑劣な行為に怒りを感じ、

尼にでもなるかそれとも無理やり高彬の元に行ってしまうのではないかと。

しかし、結局瑠璃姫は私の元に入内なさった。

あの行為から3ヵ月後瑠璃姫は藤壺の女御として後宮に入ったのだ。

そして、驚くことに瑠璃姫はあのとき結ばれた一度きりの行為で

私の御子を身篭られていたのだ。

だからこそ、瑠璃姫は私から逃れることはなかったのだ。

そう思っていた。しかし本当は違っていたのだ。

瑠璃姫を召したときに私は驚いてしまったのだ。

いつもの元気な瑠璃姫ではなくやつれて生気のない瑠璃姫へと

変貌を遂げていたのだから。

私が瑠璃姫と声を掛けたら瑠璃姫は一言

「もう、あの瑠璃姫は居ないのです。

ですから私のことは藤壺の女御と言って下さい。

それ以外は私は答えません。」

そういった瑠璃姫の顔は険しくそして信念を感じさせるものだった。

もう私の愛した瑠璃姫は居ないのだとそう感じることしか出来なかった。

私は敬語を使わずに昔のように2人の時は鷹男でよいと答えたが

瑠璃姫の言葉からけしてもう鷹男とは呼ばず、お主上としてしか答えなかった。

それから毎日のように瑠璃姫を召したが

もうすでに瑠璃姫は私の御子を身篭っており

体に触れるだけで瑠璃姫は体を震わせるだけで拒否することもせず、

我慢するだけだった。

身篭っていることもあり、

無理に抱くことも憚れたが触れるのだけはやめられなかった。

瑠璃姫の心はドンドン遠くなる一方

しかし触れないとドンドン瑠璃姫の中の私が居なくなるような恐怖が襲い

恐くなってしまう。

だから、私は瑠璃姫を毎晩抱くのだ。

私が毎日のように瑠璃姫を寵愛していることやその上、

すでに瑠璃姫が私の御子を身篭っていることから

他の貴族が私の寵愛をもっと他の女御にも移すべきだと囁く声が多かった。

そして右大臣家でも内大臣家の繁栄がこのままでは約束されることだとして

丞香殿にも情けを掛けるように再三いって来る様にもなってきた。

出世意欲が少ない内大臣は右大臣への顔色をよく伺っていたが

私は瑠璃姫しか愛していないのだから仕方がない。

でも肝心の瑠璃姫はもう私を見てくれることもない。

私はどうすればよいのだろうか。

瑠璃姫、どうか私を見てください。

お願いです。私のことを考えてください。

瑠璃姫・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

あたしは何をしているんだろう。

本当は吉野の里から京に戻ったら高彬と結婚するつもりだったのに

あたしは鷹男の女御である藤壺の女御として後宮に仕える身となってしまった。

吉野の里での鷹男からの仕打ちにあたしは呆然としてしまったの。

あたしが考えたくない事ばかりを言い貫き

そしてあたしの体だけを奪った鷹男が許せなかった。

どうしてあたしの心から追い出そうとしていたのにあたしの心を揺さぶろうとするの?

あたしは吉野の里で鷹男をへの気持ちを追い出すこと、

ううん考えないように闇に葬るつもりだった。

なのに鷹男は、あたしの心を踏みにじっただけ

そしてあたしは鷹男のことを考えさせられてしまった。

あの一夜限りの逢瀬にまさか鷹男が現れるなんて思いもしなかった。

ただでさえ身分があるため軽々しく出歩ける身でもないくせに

あたしの届けた文を見ただけで

あたしに会いに来るなんて馬鹿よ鷹男は・・・

あたしはあなたを愛していることを考えたくなかったのに・・・

だって、鷹男は素敵だもの、

あなたの周りにはすでに多くの女御さまが入内なさっている。

その上、また貴族の思惑で新たな女御さまを迎えなくてはいけない。

あなたは帝としての立場を誰よりも理解し、

そしてその職務に誇りを持って行動している。

そんなあなたが、あたしだけを愛してくれるとはいえ、新たな女御さまを迎えるのに

あたしのことを想いながら苦しむ姿なんて見たくない。

あたしが我儘だから、そんな想いは消さないといけないのに

あなたを守ろうと思うあたしがいるのにあなたを傷つけるのはあたし自身

そんなの我慢できない。

だからこそ鷹男を苦しめる元凶であるあたしは鷹男の傍にいたら駄目なの。

ふふふ、ほらすぐに鷹男のことばかり考えてしまうわ。

吉野ではあんなに吉野の君ばかり考えて吉野の君への想いは昇華させたはず。

そしてあたしが次ぎの恋をするのに高彬を選ぶつもりだったのに

それなのにあなたは現れた。

こんなうじうじしたあたしは嫌い。

だからあたしは無意識に鷹男のことは考えたくなかったのかもしれない。

無意識な想いが鷹男もそして高彬のことも傷つけてしまうことになるのに。

 

 

 


父さまは吉野の里での逢瀬の後すぐに鷹男から命を受け、

あたしを女御として入内させる準備をするよういい遣ったの。

そして、あたしは無理やり京に連れられ三条邸に軟禁されてしまった。

高彬と結婚するつもりだったけどすでに遅くて、

もうあたしが入内することは決定事項だったの。

もちろんお役目大事な高彬があたしの所に来るわけもなかった。

でも昔のあたしだったらあたしと結婚するつもりだった高彬なのだから

帝に刃向ってでも

あたし奪い去ってくれるそんな淡い恋にも憧れたこともあった。

でもあたしは鷹男のことを深く考え始めたがため

高彬への想いが薄れていたことに罪悪感を覚えるだけだったの。

高彬との思い出の数々は思いだしては消えていく物だった。

あたしは軟禁されている間行動することはできなかったの。

そして最大のあたしの気持ちと向き合うことになってしまった。

それは、あたしが鷹男に嫌われるのではないかと言う思いだったの。

だってあたしなんて容姿が綺麗でもなく教養もあるのではなく

鷹男の女御となっても役に立たないもの。

ただ好奇心が旺盛で他の姫君と違う突飛とした行動をするしかないただの道化。

あたしは鷹男を安らげることが出来る女御さまになんてなれない。

ただ鷹男の評判だけを貶めることしか脳がないそんな姫だもの。

鷹男が気に入っている勘のよさなんてあっても鷹男を助けれるのか分からない、

そうよあたしが動くことによって誰かを犠牲にするかもしれない???

あ~そうか、吉野の君の事件はあたしが軽々しく動いた事による結果だった。

だから後悔しているのかもしれない。

あのときにもっと早く吉野の君を止めることが出来れば

そうしたら皆が幸せになることが出来たのかもしれない。

ふふっあたしは自分に自信がなかったのね。

だからあたしは自分だけを愛すると誓ってくれても信じられなかったのね。

あたしはやっぱりまだ自信がつかない

もう誰も傷つけたくない。

だからあたしは鷹男に恋心を抱いていることはけして知られてはいけないの

あたしを愛さなければ鷹男は他の女御さまを愛することが出来る。

そして女御さまも鷹男に愛されて幸せになれるの。

あたしはもういいの、このお腹の中に鷹男の御子が授かっているのですもの。

それだけでいいの

それだけで・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 


そうして入内するのにあの運命の一夜から3ヶ月経ったあの日入内した。

そしてあたしはお腹の中に子を身篭っていることは

けして小萩と主治医以外は隠しとおした。

でも入内してから鷹男との夜、拒否しようとしたとき

自分のお腹が気になってしまったのね。

だからすぐに鷹男にばれてしまったの。

それからあたしの体に御子がいることを鷹男は少し経ってから皆に報告した。

そしてあたしは子を産む為に里帰りすることになったの。

あたしたちの心はすれ違ったまま

あたしたちは何ヶ月も会うことは出来なかったの。

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