妄想の館

なんて素敵にジャパネスク二次小説(鷹男×瑠璃姫)

交差する思い4

結局あたしはどれだけ考えてもどれだけ考えても高彬への恋心はどこにもなかった。

高彬と燃える様な情熱の恋だったわけじゃない。

たまたまあたしが既成事実を作られそうになった所を

高彬が助けてくれて、そしてその時吉野の里から帰った時

筒井筒の仲になったことを思いだしたんだもの。

あたしはすっかり忘れていてあのときから高彬を意識するようになった。

高彬と結婚すると覚悟を決めたのに

なかなか邪魔が入って結局結婚できなかったのよね。

でもあたしさえ本当に高彬を好きなのだとしたら

なにがあっても早く結婚できたはず。

でもできなくていろいろな事件に巻き込まれたというか、自分で突っ込んだだけ。

結局吉野の君と再会してそこでもう高彬への気持ちは情でしかなかったんだわ。

高彬があたしだけを愛してくれると言ってくれたからもう苦しい恋じゃなく

安心感のある恋に飢えていたんだと今なら思える。

吉野の君に再会して、でも悲しい事実で離ればなれにされ待っても現れなかった人。

そして今上帝という身分だからこそ、

他の女御さまとあい争うことを恐れ恋心を消してしまった、

だから安定感のある高彬を選んだのね。

今はもう高彬への情と彼を裏切ったことへの謝罪の念しか感じない。

高彬に何を言われても受け入れるわ。

これはあたしが受けなくてはいけない罰なの・・・

あたしはこれを受け入れてそしてあの人に伝えるのよ・・・

 

 

 

 

 

 


あれから高彬から秘密裏に文が来て今日この場で出会うことになる。

高彬を傷つけることになっても、でもあたしの本心を伝えないといけない。

そうしないと高彬もあたしも前に進めないんだから・・・


「瑠璃さん、体は大丈夫なのかい?」

「ええ~高彬こそ大丈夫なの?」

「僕の心配は大丈夫だよ。

瑠璃さんのほうこそ一人だけの体じゃないんだから無理してはいけないよ。

それに瑠璃さんの体の中の御子さまは僕の子供になるんだからね。」

「駄目よ!高彬!それは駄目!」

「瑠璃さん!大丈夫だから、

そりゃあ僕が御子さまの本当の父親になれるかわ分からないけど僕頑張るから。

だから瑠璃さんは何も心配しなくてもいいんだからね。」

「違う!違うのよ!高彬!」

「何が違うんだい?」

「違う違うのよ高彬!あたしは鷹男に無理やり抱かれたわけじゃない・・・

いえ確かに無理やりだったかも知れないけど、でもあたしは・・・」

「瑠璃さん、瑠璃さんいいから、いいんだからね・・・」

「高彬?」

「瑠璃さんが本当は今上帝に惹かれていったのは知っているさ。

でも瑠璃さんは今上帝に別れの文を贈ったんでしょ。

だから瑠璃さんは僕に京に戻ると文を送り届けた。」

「ちょっと高彬、

あんたなんであたしが鷹男に別れの文を届けただなんて知って・・・」

「やっぱり瑠璃さんはお主上に別れの文を届けたんだ」

「???高彬あんた騙したのね!どうして騙すのよ!」

「どうしてじゃないじゃないか!

瑠璃さんが本心を言わないから、

だからみんなこんなに苦しむことになるんじゃないか!

確かに文の件は騙したよ。

でも瑠璃さんが文をお主上に預けたのは僕は知っていたさ!

でもその中身は知らないよ。

ただ京に戻る分なら普通に戻ればいいじゃないか。

それなのに瑠璃さんは戻ってすぐに軟禁。

そして女御としての宣旨を受けた。

もうこれだけでお主上が無理やり瑠璃さんを奪ったとしか思えないよ。」

「それは・・・」

「だから瑠璃さんはお主上と仲が良くない」

「そうだけど・・・でも・・でもね高彬!」

「僕は瑠璃さんの本心は聞きたくないからね。」

「ちょっと高彬あんたもしかして知って」

「だから聞きたくないと言ってるじゃないか」

「・・・・・」

あたしはどうしたらいいのか分からなくなったの。

でも高彬にいわなくちゃ。

「高彬ごめんなさい!あたしが悪いのよ!

本当は高彬じゃなく鷹男が好きなくせに認めることができなくて、

だからあんたを傷つけてしまった・・・

鷹男のことを考えたくなかったからだからあんたを選ぼうとしてしまった・・・

鷹男にはあんたの姉君や他に女御さまも見える。

あたしがいても鷹男に愛され続ける自信なんて全くないもの・・・

それにあたしは考えるよりも先に行動して

後宮をトラブルに巻き込むかも知れないじゃないの・・・

鷹男に嫌われちゃう・・だから」

「ふ~瑠璃さん、本当に瑠璃さんは馬鹿だね。

どうしてお主上を信じることができないの?」

「え!」

「お主上は僕が見てもとても素敵な殿方だよ。

僕なんてなんでも適わないさ。

そんな人が瑠璃さんを受け止めることが出来ないわけないじゃないか」

「でも・・・」

「瑠璃さん、瑠璃さんらしくないよ。」

あたしはつい高彬の前で大泣きしてしまったの

「高彬の馬鹿!あんたはあたしのことなんだと思っているのよ!

いくらあたしでも貴族の姫らしくはないけどそれでも不安な気持ちはあるのよ!

仕方がないじゃない!

こんなに不安な気持ちになったことないんだもの。

鷹男のことを思うと不安で仕方がないのだもの。

あんたみたいに女心も分からない奴に言われたくないわよ。」

「ふふ、瑠璃さんそれをお主上にお話になったらどうだい。

瑠璃さんは瑠璃さんなんだから全然悪いことじゃないんだから」

「だって鷹男は貴族の姫君らしくないあたしだから気に入っただけ・・」

「瑠璃さん、男はね、本気で愛した女のどんなとこも愛おしいものなんだよ」

「ちょっと」

「僕はそんなおかしいくらいに人を愛することが出来る瑠璃さんが好きなんだ」

「高彬・・・」

「もういいんだよ。僕のことは」

「でも高彬あたしはあんたを裏切った。もしかしたらあんたのことなんて・・・」

「知っていたさ。瑠璃さんが僕のことを本気で愛してくれてなかったことを・・・」

「高彬」

「それでも瑠璃さんが僕を選んでくれた、ただそれだけでよかったんだ。

でも結局お主上に先に手を打たれて・・・

初めはお主上に裏切られたと思った、瑠璃さんを奪おうと思っていた。

でもお腹に御子さまがいると知ったんだ。だから身を引こうとしたさ、

いろいろ考えすぎてこれでも僕も悩んだんだよ。

そして瑠璃さんに会いに行こうとも思った。

でも瑠璃さんはやつれていくし、お主上も苦しんで、

そんな時僕は瑠璃さんを見かけてしまったんだよ。

瑠璃さんがお主上をそっと影で見ている姿を・・・

そして本当の瑠璃さんの想いを・・・

だから丁度いいと思ったんだ。

ここならまだ後宮よりは三条邸の方が話しやすいし、

瑠璃さん素直になりなよ。」

「ううっ高彬ありがとう。許してくれて。」

「いいんだよ。瑠璃さんと僕の尊敬するお主上が幸せになれるんだから」

本当にあんたはいい人。あたしよりもあたしのことを知ってくれている大事な人、

高彬のおかげであたし幸せになる、だから応援しててね。

 

 

 

 


あたしはあれから元気な御子さまを産んだ。

結構苦しんだけど、でも愛する鷹男との子供だもの。

鷹男早くあなたに会いたい。あたしはあんたの本当の愛される人になるわ。

だから待っていて・・・

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