妄想の館

なんて素敵にジャパネスク二次小説(鷹男×瑠璃姫)

恋しくて~鷹男視点3~

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画像は下記サイト様から。
https://www.beiz.jp/

 


暗い暗い感情が私を支配する。

宗唯と瑠璃姫が偶然会っただけなのに黒く醜い感情が浮き彫りになってくる。

この感情が何なのか知らない。

いや、あえて何なのかは考えたくなかった。

それは私にとっては禁忌なのだから。

瑠璃姫をこれから破滅させるためにそれ以上は考えてはいけないのだ。

私は激情のまま計画を実行した。

もうすぐ・・・もうすぐですね・・・母上。

これで母上は・・・・幸せに・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とても天気がよく鷹狩りには最も適した気候。

瑠璃姫は一番端っこにいるがとてもはしゃいでいるのが見える。

初めて鷹狩りを見るのだろう。

興奮しているさまが遠くに居る私にも分かるくらいだった。

これから瑠璃姫の身に何が起こるのか。

そしてその悲劇を起こす元凶は私。

瑠璃姫は夢にも思っていないだろう。

私の部下が私に合図を送る。

そして私はそれにうなずいた。

さあ~これで瑠璃姫の命は今日で終わるのだ!

「きゃあ~~~~~~~~~~~~」

沢山の人々が悲鳴声を上げる。

わざと興奮させておいた猪が鷹狩りの場を混乱に導いていく。

瑠璃姫は予定通り人気が少ない山奥へと逃げていったのが見えた。

これで私の部下は瑠璃姫の命を奪うだろう。

私はそれが実行されたか確認にいくだけでいいのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だが・・・・・・・・・・何故達成は間近なのに嬉しくないのだ。

昔からずっとずっと瑠璃姫を恨んでいたのに。

母上が狂ったのは瑠璃姫親子のせいだと。

そう思っていたのに気持ちがぽっかり空いたような気がした。

生きている瑠璃姫をもう二度と見ることはない。

そう思ったとき!

バッ!!!!タタタタタッタ~~~~~~~

私はすぐに瑠璃姫の元へと走っていったのだ。

 

 

 

 

 

 

 


瑠璃姫だ!

やっと追いついたか。

瑠璃姫は驚きの声を上げながら私の部下に向かって叫んでいた。

弓を向けられていて恐怖に震えているのが見えた。

バキッ!しまった!

私は思わず枝を踏んで音を立ててしまったのだ。

その音に弾かれるように瑠璃姫はこちらを見た。

そして驚きと嬉しさの混じった視線を私に向かわせる。

私は覚悟を決めた。

私が黒幕なのだと。

瑠璃姫の命を狙っているのだと。

そう瑠璃姫に告白をした。

けれど瑠璃姫は私の言葉に耳を傾けない。

この状況を見てもまだ瑠璃姫は私を信じていたのだ。

私は瑠璃姫に弓を向けた。

もういい!私の腕で瑠璃姫を殺してしまえば早いのだから。

直接手を下すのはさすがにかわいそうだとは思ったが

知られてしまったのだから仕方がない。

私は瑠璃姫に矢を放った!

「痛い!」

瑠璃姫の悲鳴が聞こえた。

矢は瑠璃姫の足をかすめていた。

まずは動きを止めてからゆっくり命中させればいい。

そして次の矢で瑠璃姫の心臓を射抜けば終わるんだ。

私はすぐに弓を構えた。

瑠璃姫の心臓へと定め、後は矢を離すだけ。

ジリジリ~~~~~~~~

矢を放せばいい。

それで決まる・・・・・・・・・・・離せ離せ離せ!!!!!!!!

何故手が動かない。

瑠璃姫への心臓へは標準を定めているのに手が外れない。

 

 

 

瑠璃姫を殺せ・・・・・瑠璃姫を殺せ・・・・・瑠璃姫を殺せ・・・・

母上の声が聞こえる。

これで終わりだ!

なのに出来ない・・・・出来ないんだ・・・・・

私には出来ない。

瑠璃姫を殺めるなんて

その時!!!!!!

宗唯の中断の声が入った。

 

 

 

 


「兄上!弓を退きなさい!」

「宗唯!何故お前が!」

「兄上時間をかけすぎです。もうこれ以上は兄上が疑われます。退いてください。」

「・・・・・・・・・・」

「兄上、もう瑠璃姫への復讐は止めた方がいい。

瑠璃姫の命を狙って苦しむのは兄上なんですよ。」

私は宗唯の声を聞いてホッとしたんだ。

そんな気持ち感じてはいけないのに。

宗唯はすぐに放心状態の瑠璃姫を助けて私の前から立ち去っていった。

宗唯は私の事情を知る数少ないものだったから・・・・・・

私はしばらくこの場から動けなかった。

先ほど瑠璃姫が居たところをじっとにらむ。

どうして私は動かなかったんだ。

私は戸惑い自分の手を見つめるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ずっと長年復讐をしようと計画を立て、ついに決行した。

だが結局失敗に終わってしまった。

本当なら計画は上手くいき計画は成功するはずだった。

後一歩のところでまではいったのだから。

それなのに失敗したのは私の気持ちが揺らいでしまったから・・・・・

ずっとずっと瑠璃姫を怨んでいたのにどうしてあの時

弓を心臓に射ぬけたかったのか?

今さら考えても意味がない・・・・

今度からは瑠璃姫を狙うのは難しくなるだろう。

馬鹿な人間じゃなければもう私に近づくことはないはずだから。

今は自ら謹慎をし、次の手を考えやすい環境を作り上げることができた。

だったらすぐにでも次の計画を立てるべきだ。

それなのに思いつくことが出来ないのは

瑠璃姫の傷ついた表情がずっと脳裏から離れないでいるからだ。

だからなかなか次の案が浮かばず困惑していた。

その時急に瑠璃姫が現れたのだ!

急に現れたと思えばいきなり目の前で倒れた。

倒れたとき、あまりの早さに全くついていくことが出来なかった。

彼女の言うことは冗談なんだとそう思ってしまった。

けれど彼女を抱きかかえ何度も呼んでも彼女は返事をしなかった。

息もしず脈も取れず私はこれが冗談ではなかったことに

今さらながら気が付いたのだ

瑠璃姫が死んだ・・・・・・・・・・・・・・

瑠璃姫は動かない・・・・瑠璃姫は息もしていない脈も取れない・・・・・・

だったらお前の願いどおり邪魔者はいなくなった・・・・・

これで私は母上の言うとおりにすることが出来た。

母上も落ち着くだろう~

それなのにこれはなんだ?

私の目から涙がドンドン落ちてくるのだ。

復讐は成功したのに、瑠璃姫はいなくなったのに悲しい気持ちに包まれる。

そしてどっと後悔だけが私の胸へと押しつぶしに掛かってくるのだ。

瑠璃姫・・・・・瑠璃姫・・・・瑠璃姫・・・・・・・・

私は何度も彼女の名前を呼ぶだけ。

その時だった。

私と瑠璃姫だけのはずが、もう一人誰かの声が聞こえてきたのだ。

「兄上・・・・兄上は結局瑠璃姫を死なせてしまったのですね。」

宗唯の出現に私は驚いていた。

「どうしてお前が・・・・」

「瑠璃姫に毒薬を渡したのはこの私だからです。」

どん!

私は宗唯の胸倉をつかみそのまま柱に押し付ける!

「どうしてお前がそんなことを!!!!!

どうして瑠璃姫に毒薬を渡したんだ!!!!どうして!」

「それが兄上と瑠璃姫の願いだったからです。」

宗唯は表情を変えずに私に言った。

そうだ・・・・瑠璃姫の死は私が願ったことだ。

だが・・・・・それでも・・・瑠璃姫が自分で死を選ぶだなんて

思いもよらなかったのだ!

こんな私のために・・・・

「兄上瑠璃姫をこちらにお渡しください。」

「何故だ!」

「何故?そのようなこと聡いあなたならお分かりでしょう。瑠璃姫は死んでしまった。

けれど、その死はあなたが関わっていることは

周りに知られてはいけない。

ですから瑠璃姫を私が預かるのです。そのように瑠璃姫から遺言を受けてますから。」

嫌だ!!!!!!!!!!!

私は瑠璃姫の亡骸から離れたくなかったのだ。

だが宗唯に瑠璃姫を渡す方が正しいことは分かってもいたのだ。

しかし理屈では分かっていても感情がついていけないのだ。

私はもう少し、もう少しだけ瑠璃姫の傍にいたくて宗唯にそう言った。

そうして後半刻だけ猶予を貰ったのだ。

それだけでは時間が全く足りない。

でも自分が起した結果なのだ。

それを受け止めなければ。

 

 

 

 

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