妄想の館

なんて素敵にジャパネスク二次小説(鷹男×瑠璃姫)

人魚姫の涙(鷹男編)8


写真素材 cg.foto

私は自分から行動することも出来ず悩んでいた。

その内瑠璃姫の方から文が届いた。

本当なら元気になった瑠璃姫を見に行きたい。

早くあなたに会いたい。

そんな気持ちが湧き起こる。

しかし体が動こうとしないのだ。

結局体を労わるようしたためた御文を届けるので精一杯だった。

そうして私は瑠璃姫を避けてから随分経ったある日、

急に高彬が私に面会を求めてきたのだ。

高彬の用件がなんなのか私は気になった。

高彬の姉上である丞香殿の女御のことか、

もしかしたら瑠璃姫の事で何かいいたいことがあるのであろう。

瑠璃姫が池に入った直前高彬と瑠璃姫の間に

何かがあった事は確かなことであったのだから・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


私の前に高彬が真剣な面持ちで正面をみて座っている。

いつもと雰囲気が違う高彬に、私は高彬が何か私に

聞きたいことがあるのだろうと感じた、

高彬の希望で人払いをした私は何用なのか高彬に尋ねた。

「高彬、私に大事な用件があるとのこと。一体何用があるのだ。」

東宮様、私の用件を言う前に一つ確認したい義がございます。」

「確認?それは一体なんなのだ?」

東宮様が先日丞香殿の女御様に問いただした件

私の耳にも入ってきてます。

まさか身内が主上を謀るようなことをおかすとは

夢にも思っておりませんでした。まずはそのことを謝ります。

申し訳ございませんでした」

高彬が悪いわけではないのに身内のことで謝る姿勢は高彬らしいと思った。

「その件はもうよい。騙された私も悪いのだから。」

「・・・・・・・東宮様、私が対面を希望したのは桐壷の女御様の事なのです」

「瑠璃姫・・・・・・」

東宮様、失礼だと思いますがどうしてもお聞きしたい。

桐壷の女御様、いえ、瑠璃姫のことどう思われていますか?」

高彬の質問に私は理解できなかった。

何故そのような質問を投げかけてくるのか?

その意味がさっぱり分からなかった。

しかし高彬の真剣な眼差しに私も真剣に答えなくてはならないとそう思った。

「私は瑠璃姫のことを愛している。

あそこまで瑠璃姫を傷つけてしまって私はどうしたら

償えるのかよく分からない。しかし、私は瑠璃姫を愛おしく思っている。」

その言葉に満足したのか高彬は黙って私の答えを聞きこう申し立てた。

東宮様の気持ちがそうならば・・・・・・・・・

分かりました。では東宮様、用件を申し上げます・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


私は今右大臣家にいる。

高彬の用件と言うのはこの右大臣家に来て欲しい。それが用件だった。

ここに何があるのかは高彬は教えてくれなかった。

しかしあの堅物の高彬が私を御所から抜け出す手引きをするなんて

ありえない話だった。

それを許した高彬。

ここに何かがあるのであろう。

私は右大臣家にきたのならあの思い出の池の前に行こうと思った。

一度だけしか来たことがない場所であったがあの頃と殆ど変わることなく

あの大切な大切な思い出が私の頭の中を駆け巡るようだった。

そうしてどれだけ時間が経ったのだろう。

誰かがこの庭先に近づいてくる気配がしたのだ。

私はそちらの方に目をやった。

!?!?!?

なんとそこには瑠璃姫が私と同様驚いた表情で私を見つめていたのだ。

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