妄想の館

なんて素敵にジャパネスク二次小説(鷹男×瑠璃姫)

人魚姫の涙(鷹男編)7


写真素材 cg.foto

瑠璃姫の顔色もよくなってきて私はやっと安心する事が出来た。

もう状態も落ち着いてきたと侍医がそう教えてくれたからだ。

私はやっとこれで真実を見つけにいくことができる。

運命の姫君が梨壺ではないということを確認しに私は梨壺に乗りこんだのだ。

先触れもなく突然の私の訪問に皆驚いた様子だった。

しかし私を認めた女房達はすぐに私の席を作ってくれる。

それを無視した私は梨壺に近づき真実を迫った。

東宮様?いかがなさったのですか?

このところ梨壺にお越しくださる事がなく私は寂しかったですわ。

でも今日いらしてくださり私はとても嬉しいです。」

私に向かって挨拶をする梨壺。

私の態度に驚くことなくいつもの挨拶をしてくれる。

「桐壺さまのおかげんはいかがですか?

私もあのような事件を起こした桐壺さまの事が心配なのですわ。

私も見舞いに行った方がいいのかしら?

東宮様、私一人では桐壺さまの見舞いには行きずらいですから

ご一緒させていただくと嬉しいですわ。」

梨壺は私を無視して更に言葉を被せていく。

「それにしても東宮様が久しぶりにこちらにお越しくださり

私は嬉しゅうございます。

最近はいくら桐壺さまがお加減を崩したとはいえ

こちらをもう忘れてしまったのかとそう思って仕方がないのですわ。

でもこちらに来ていただき私は誠に嬉しゅうございます。」

私の腕を取りそのまま私に体を預けようとする梨壺。

その姿に私は一体彼女の何を見ていたのだろうか?

いつもなら私はそんなしぐさに心を奪われ

彼女を愛おしく思うのに今回は全然違って見えた。

私を東宮としてしか見ない愚かな女達の姿と重なって見えたのだ。

その姿。言葉は瑠璃姫を心配している言葉だが視線、

しぐさが全然心にも思っていないのだ。

梨壺が運命の姫君だと思っていたからか私の目が曇ってしまっていた。

こんなにも私に取り入ろうとする姿に、私は何故気がつかなかったのだ。

私は梨壺が運命の姫君ではないとそう確信した。

決着を付けなければ。

私は絡まる梨壺の腕を払った。

「あっ!?東宮様?いかがされたのです?」

「梨壺・・・・あなたに聞きたいことがあります。」

「ま~一体なんのことでございますか?」

「あなたは私に秘密にしている事がありませんか?」

「さ~私は東宮様に嘘はつきませんわ。」

「でしたら真実を話してくださいますね。」

「はい、もちろんでございますわ。」

「では、私が幼い頃に右大臣家の庭で出会ったのはあなたではない。

そうですね」

「まあ~~~東宮様!私を疑いになられるのですか?

私があなたの運命の姫君ではないというように

ふふ、どなたからおききなさったのか分かりませんが

東宮様は私を疑って見えるのですね。」

「疑っているのではありません。確信しているのです。」

「どうして今さらそのようなことを?」

「聞いたのですよ、蘇芳からね」

その名前を口に出した途端梨壺の表情が変わった。

私はその姿を見て疑いが更に高まった。

そのまま蘇芳から直接聞いたわけではないが

そのまま梨壺に聞きだそうと思った。

「蘇芳から聞きました、私のことを探っているあなたの女房の事をね。

私は危くあなたに騙されました。

まさか運命の姫君だと信じていたあなたに

嘘をつかれていたとは夢にもおもいませんでしたよ。」

私の言葉に観念をしたのか梨壺は急に本性を現したのだ。

「ほほほほほ~今さらそのようなことおっしゃられても知りませんわ。

東宮様は運命の姫である私を愛してくださっていたのでしょ。

だったらそのままでもよろしかったのに

まさか蘇芳さんに探りを入れられただなんて思いも寄りませんでしたわ。

あのまま素直に私に騙されればよろしかったのにね。

ふふ、東宮様は真実をお知りになりたかったのでしょう。

東宮様が知って見えるとおり私はあなたの運命の姫君ではございません。

父君である右大臣に言われて私は貴方の理想の姫君を

演じただけでございますわ。あのまま私達は幸せだったではありませんか?

もうすぐ御子も誕生しますし、

今さら運命の姫君を見つける事なんて出来ませんわよ」

梨壺の勝ち誇った態度に私は何故この姫を運命の姫と

間違えてしまったのだろうと愕然とした。

このまま梨壺の勝ち誇った姿をそのまま見ているわけにはいかない。

私はそのまま釘をさした。

「梨壺、あなたに感謝をしなければなりませんね。

あなたが私に真実を教え、そして見せてくれた。

私はようやく目が醒めました。これで運命の姫君だけを愛する事が出来ます。

もう私の手もとには大事な大事な真実の運命の姫君がお見えなのですよ。

あなたのことだから私が真実の姫君を見つけたら

入内するのを妨害するつもりでしょう。しかしもう遅い!

私は自分の全てをかけてその姫を全力で守って見せます。

もう、あなたを愛することはないでしょう。

右大臣にもこの件のこと問いただすつもりです。

どれだけ私達がかの姫を苦しめてきたのかあなたも知りなさい!!!」

私は大きな声で梨壺を叱咤しそのまま自分の部屋に戻ったのだ。

梨壺を叱ったとはいえこのまま黙っているか心配だ。

しかし、それよりも心配なのは瑠璃姫のことだ。

真実の運命の姫は絶対に瑠璃姫に違いない。

初めて会った時からものいいたそうな視線をかけてきたのは

多分このことを伝えるためだったのだろう。

そうとも知らず私は自分の態度を悔いた。

瑠璃姫のことを考えると私はどれだけの苦しみを与えてきたのだろう。

そう思うと瑠璃姫に会いに行くのが怖くなった。

瑠璃姫の視線が私を捉えるときどう対応したらいいのか悩んでしまう。

私はそんな後悔のために、瑠璃姫が目を覚ましても

直接会いにいくことが出来なくなってしまったのである

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