妄想の館

なんて素敵にジャパネスク二次小説(鷹男×瑠璃姫)

初恋~叶わぬ思い~11

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宗義の衝撃的な告白にあたしは否定をするしかなかった。

だってあたしは宗義に一度たりとも体を許すわけがないんですもの。

どれだけあたしが否定の言葉を口にしても

けして動じない宗義にあたしは段々不安を抱いてしまう。

確かにあの雷の一夜は記憶が不確かだった。

でもあたしは宗義と口付けを交わしただけで

鷹男と違うと分かるくらいに他の人間に触られたら分かる自信がある。

そう伝えてもあの時は口付けを交わしていなかったとそう言ってくる。

あたしが否定の言葉を言えば、さまざまな理由を付けて

あくまであたしと一夜を共にしたと言い張る宗義に

段々気持ちがおかしくなっていったの。

どん!!!!「きゃ!」

あたしは桜の木を背に押され息も出来ないほどの接吻をされたの。

ただ口と口が触れるものじゃなく無理やり口を開けさせられ

その隙に舌と舌が絡まる情熱のある接吻。

息もできないほどの熱情をぶつけられたような気がした。

「このことが父上に知られたらどうなるでしょうね。

あんなにあなたのことを愛されていた父上。

まさかあなたに裏切られていただなんて」

「裏切ってないわ!!!」

「いいえ~あなたは裏切った。私と熱い口付けまで交わしてしまった。

ましてお腹の子もね」

「違うといっているでしょう!この子は帝の」

「そうだといっても一夜の夜の罪は消えません。

このことは父上には黙っていてあげますよ。

ですからあなたの体は父上だけでなく、私にもいただけますよね」

「そんなことが!ううん~~」

また口づけをされ耳元で妖しげな言葉を投げかけてくる。

「父上がこのことを知ったら絶望に打ちしがれることでしょう。

父上を絶望に突き落としたいのですか?」

「絶対に嫌よ!!!」

「でしたらこのことは私達二人の秘密にしましょう~

あなたの体だけ頂ければ私も内緒にしてあげますよ。

もしあなたが逃げてしまえばどうなるかお分かりですよね」

あたしはいつの間にか宗義の言葉に頷くことしか出来なかった。

心では自分は鷹男を裏切ってないと思っている。

でも宗義の言葉はやけにあたしの心に響き渡る。

鷹男以外の男に体なんて許したくない。

絶対に嫌なの!嫌なのに体は震えながらも宗義に体を預けるしか出来なかった。

何故あの時あたしは宗義の悪魔の囁きにのってしまったんだろう。

最愛なる鷹男を傷つけると知っていたのになんであたしは・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

あれからあたしと東宮宗義の秘密の逢瀬が交わされる様になった。

鷹男以外の男にこの体を許すことが出来るなんて思いもよらなかった。

なんであたしはこの男の言うことを聞いてしまったのだろうか。

まして息子と一つしか違わないというのに・・・・

あたしは身重だからこそ体を重ねる行為は宗義も控えて

ただあたしの体を喜ばせようと触れてくる。

でもあたしの心は鷹男だけのもの。

どれだけあたしの体に触れようとしてもあたしの体だけしかあげない。

何故かあたしの体はどれだけ愛撫を施されようとも何も感じない。

ただそれだけがあたしの唯一の慰めだった。

宗義はあたしが何も声もあげず醒めた表情をしていたとしても

大切なものに触れているように触ってくる。

いつも切なそうな目をして見つめてくる。

あの憎むような目ではなく何故かあたしに触れるときだけは

違う表情をしていたの。

でもあたしには関係ない。

どんな想いがあろうともあたしの心は鷹男だけのものなのだから。

あたしの体を宗義に好きにさせているから

当然あたしは鷹男から求められてもどうしても受けいれる事が

できなかった。

身重だからと体の繋がりはさせず、変わりにあたしは口付けを強請るの。

口付けだけはもう宗義に絶対にさせない。あたしの口付けは鷹男だけのもの。

そう決めたの。

鷹男に宗義の事は絶対に知られたくない。

このことを鷹男が知ったら傷つきすぎて

どれだけ大変なことになるか考えたくないくらい恐ろしいことを

あたしはしてしまっている。

もしこのお腹のおややが鷹男の子じゃなければどうしたらいいんだろう。

あたしは宗義の囁きを聞いてからおかしくなっていた。

普通なら鷹男に雷の一夜のことを聞けばよかったというのに

この頃そう考える事さえ出来なかった愚かなあたしだったの。

聞いていればこんな悲劇が起こる事なんてなかったと言うのに・・・・・

 

 

 

 


あたしの心は罪悪感で一杯になった。

このまま後宮に居ること自体苦しくて仕方がなかったの。

鷹男に引きとめられてもあたしは早めに里下がりを申し入れ

三条邸へと戻ることが出来たの。

このままあたしは後宮に戻りたくない気持ちでいっぱいだった。

でもこのお腹の子に罪はない。

誰の子だとしてもあたしの子なんだからあたしがしっかりしなくてはいけない。

そんな気持ちでいっぱいだったの。

鷹男からは毎日のように文をもらい嬉しい気持ちでいっぱいだったけど

宗義の事があって嬉しい気持ちも半減だった。

あたしが三条邸に戻ってしばらく経った。

どれだけ三条邸にいたとしてもあたしは不安で仕方がなかったの。

もしこのことがばれたらどうなってしまうのだろうか?

そんな想いが激しく心の中を駆け巡る。

こんな事が知れたら後宮は大混乱になってしまう。

帝としての責務が人一倍強い鷹男。

そんな鷹男の東宮が自分の妃と体の関係があったと知ったら・・・

鷹男は跡継ぎと最愛の妻、両方一辺に無くすことになる。

そうなると鷹男の次の帝が決まるのにまた貴族同士の争いが起こるだろうし

あたしと宗義の後見人である右大臣家内大臣家は失脚は免れない。

そんな大変な時態になってしまったら恐ろしくてこれ以上想像できない。

この事は絶対に知られてはならない。

けして鷹男に知られたくない。

そんな気持ちが強かった。

あたしは三条邸に戻った事で安心していた。

しばらくは宗義と会わなくてもいい、

そう思っていたというのに宗義はあたしが安定期に入ったと

どこかからか聞いたらしくお忍びでこの三条邸に忍び込み

あたしの体を貪って朝になる前には去っていく。

そう頻繁に来るわけではない。

何故なら鷹男もお忍びで三条邸に来てくれたから・・・・

あたしの体を心配していつも抱き締めてくれる。

あたしにいっぱい口付けをくれる。

鷹男に縋りたい気持ちでいっぱいなの。

でもこの秘密を鷹男にいう訳にはいかない。

鷹男が壊れてしまうと思うから。

自分の息子と妻に裏切られたら鷹男が壊れるとそう思っているからこそ

この秘密は一生隠し通さないといけないの。

宗義はあたしを憎んでいるだけ。

憎しみはいつか解けると思うから、あたしは宗義が

飽きるまでこのままいるしかできないと諦めていたのよ。

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