妄想の館

なんて素敵にジャパネスク二次小説(鷹男×瑠璃姫)

信じたいのに1

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愛する人と結婚がしたい。ずっとそう思い続けてきた。
愛って何なんだろうか?恋って何なんだろうか?
 
あたしにとっての初恋は吉野の君だった。
おままごとのような恋。
一緒に居るだけで幸せだった。
吉野の君が、あたしの前からいなくなることなんて思いつきもせず
吉野の里で駆け回っていた。
吉野の君の手が少し触れるだけで真っ赤になることもあったけれど
触れられても嫌じゃなかった。
むしろそこが温かい気がして心が温かく感じた。
一緒に居るだけで心が満たされるそんな恋だった。
 
けれど、そんな日々は消えてなくなった。
だって吉野の君はいなくなってしまったんだから。
おばあさまも亡くなり、あたしは泣く泣く京に戻ることしかできなかった。
 
それから日々が過ぎていった。
とうさまにどれだけ言われても私は親に言われた人と結婚はしたくなかった。
 
そんな私に運命の出会い。
 
これほどまでに人を愛することが出来たのか自分に驚いた。
好きで好きで好きで・・・・・・・・
あんなに愛した人はいない・・・・・・・
毎日恋した人を思い出す。その人のことしか考えられない。
人を愛し、そして結ばれて結婚。
それで物語は幸せに終わるのに
どうしてそれで現実は終われないんだろう。
この恋は辛いつらい恋になるだろう。
そんなことは分っていたのに私は鷹男の手を握ってしまった。
私は鷹男の隣にいて幸せになれる。
そうあの時は思っていたのに
 
なのに・・・・・・・
私の隣にあなたはいない・・・・・・・・
愛し合った二人は永遠に心が繋がることはないのかもしれない・・・・・・
私は手を握った瞬間に、この結末が分っていたのに・・・・・・・・・
苦しくて切ない恋・・・・・・
 
 
 
 
 
選んだのは私なんだから・・・・・・・・・・・
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
       ~信じたいのに1~
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
私は京から離れた吉野の里にいた。
吉野の君をどうしても助けたくて、
そのおかげで自らの身を省みることなく結果、
私の体はボロボロになっていた。
けれど吉野の君を助け出すためには
自分の身なんて省みることなんて出来なかった。
私はどうしても吉野の君を助け出したかったんだから!
結局吉野の君が助かったのかは分らない。
それでも私は吉野の君がどこか遠く離れた場所にいて元気でいてくれる、
そう願っているわ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
私の名前は京ではありえないほど地に落ちていた。
それでも後悔はしていない。
苦しんでいる人が目の前にいて助けることが出来るのなら
私は何があっても助けたい。
それが誰であろうとも。
それが私の性分なんだから。
でもそのために鷹男を苦しませてしまったのが心苦しかった。
鷹男に真実を告げる勇気がなくて
結果鷹男は院に吉野の君の正体を告げられた。
その苦しみをすぐそばで支えることができないのが切ない。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
私と鷹男の出会いはとんでもない出会いだった。
床下での出会い。
でも私はあの頃から本当は鷹男を愛していたんだと思う。
あたしって面食いだったのかもしれない・・・
吉野の君は顔が整い女性よりも美人だと言えるほどの容姿。
いつもにこやかに微笑んでいてあたしを守っていてくれた。
でもその対照的に鷹男は同じく顔は整っているんだけれど
雄々しく自分自身に自信がある為か堂々としている姿
けれど飄々としているのに視線の範囲は広く慧眼だった。
声も色っぽく聞こえるのはあたしが好意を抱いているせいなのか
声だけでドキッとしてしまう。
目と目が合うだけで鼓動が高まる。
これって恋だと思う・・・・・
 
好きで好きで好きで・・・・
でも鷹男の正体が分った時点で蓋をしていた。
だって、鷹男は東宮様だったんだもの。
ただの雑色だったら私はすぐにでも鷹男の元に行っていたかもしれない。
けれどもうすでに鷹男には妃である女御様がお二人もいて
その中に入るなんて考えられなかった。
鷹男に愛を囁かれても私はずっとそれを冗談として
受け止めることしかできなかった。
だって!怖いじゃない。
私のように容姿は平凡で教養があるわけじゃなくて、
ただ行動力があるおてんばな私。
ただそれだけの存在。
そんな存在が美しく教養が高い者達のあふれかえるところに入ってしまったら
鷹男は私のことなんてどうでもよくなってしまうかもしれない。
鷹男の気持ちを信じないわけではないけれど
鷹男の情に縋っているだけの女になるなんて
とても私に出来るものじゃなかった。
だからどうしても私は鷹男の手を握ることが出来ずずっと逃げていた。
 
鷹男への気持ちを自覚してから私はずっと苦しかった。
いつも思い浮かべるのは鷹男なのに
声を思い出しては顔が赤らむくらい好きだったのに
あたしの恋心を封印しようとしていた。
このまま鷹男を忘れて身近にいる高彬の手を握ったほうがいい。
そう思いながらずっと鷹男への気持ちに蓋をしていた。
それでも鷹男は私への気持ちを諦めなかった。
ずっとずっと鷹男は私に文をくれたりお忍のびをして三条邸を訪れたり。
鷹男の気持ちが嬉しくて嬉しくて。
けれど私はそれを素直に受け止めることはなくずっと鷹男を拒否していた。
そう、それは鷹男の気持ちを試すかのように
私はずっと鷹男の気持ちを受け入れることが出来ずにいたの。
 
 
 
 
 
 
そんな時間が続き、ついに吉野の君の起こした謀反が起こってしまった。
この事件でどれだけの人が苦しんだことか。
その元凶の私が鷹男を慰めることも出来ず私は遠い吉野の里にいた。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ここ吉野の里は桜がとても美しい場所だった。
私の家が所有する吉野の里の別邸で私は体を癒していたの。
京の出来事はなかったかのようにここは静かで
何もかも忘れてしまえるほど穏やかな毎日だった。
この後私はどうすればよいのか分からなかった。
 
 
 
 
 
 
 
私はこの吉野の里で一番大きな桜の木の下にいたの。
もう長いことここにいたせいか、体の傷は大分治っていった。
もう一人で桜を見てもいいくらい回復もしていた。
私はしばらく桜を眺めていた。
その時強い風がざ~~~~~~~~~~~
私は目が開けられない状態だった。
やっと目が開けれたとき私の目が大きくなっていく。
 
 
「どうして・・・・・・・・」
 
ずっと会いたかった。
会いたくて会いたくて・・・・・・
愛する気持ちに蓋をしてこの恋を諦めるつもりだった。
愛する人を共有するこの世の中の恋愛に私が馴染むなんて出来ない。
だったら諦めるしかできなかったから。
このまま私が離れさえすればいつか忘れることが出来ると思っていたのに
どうしてあんたは私の前に現れるの。
いつも鷹男はそう・・・・
私の気持ちが揺れているときに現れる。
 
「瑠璃姫、迎えに来ました。私はあなたを諦めるなんてできません。
 この狂おしいほどの想いをどうか消さないでください。
 私はあなたを一生離しません。あなたがどれほど苦しんだとしても
 私はあなたが欲しいのです。」
「私が嫌がっても?」
「もちろんです、もう私はあなたを待つことを止めました。
 私はあなたさえ隣にいたらそれで嬉しいのです。あなたに恨まれたとしても
 私はあなたと共に行きたい。」
 
鷹男の真摯な瞳が私を貫いていく。
私は鷹男の気持ちが離れていくことを恐れていた。
それは人というのは誰もが気持ちが変わってしまうから。
どれだけ私を愛していると囁やいたとしても
私はそれを真に受けるほど馬鹿じゃないから。
でも、鷹男は私が苦しんだとしても私が欲しいといってくれた。
鷹男は我儘なのね。それだけ貪欲であたしを独占したいのかって思うと
心が震えるかのようにときめきを感じる。
今だけかもしれないのにね・・・
私がどれだけ欲しいのか鷹男の熱い視線を受ければ体がうずくほど。
その情熱に流されてもいいと思えるほどだった。
久しぶりに会う鷹男の姿。
やっぱり私の心は鷹男で一杯だった。
このまま鷹男に会わなければ多分私は鷹男を忘れることが出来たと思う。
でも鷹男への気持ちがあふれている今。
鷹男本人に会ってしまえばもう気持ちを止めることなんてできない。
今鷹男の手を握れば、苦しい道しかないことは分っている。
けれど私は一人じゃない。
鷹男が隣にいてくれる。
私は鷹男の気持ちを信じたい。
信じる気持ちがなくならなければ私はやっていけると思うから。
 
 
 
 
 
 
そうして、私は鷹男の元に嫁ぐことになったの。
苦しい道と分っていながら・・・・・
 

 

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