妄想の館

なんて素敵にジャパネスク二次小説(鷹男×瑠璃姫)

嵐のような恋物語16

あたしが気を失ってからどれだけ経ったのか全然分からなかった。

ここは窓もない塗籠だったの。

気付いてからとにかくここをでようと思って戸を開けようとしたけど

鍵がかかっているみたいであかなかったの。

仕方がないからあたしはまずどうしてここに居るのか思いだすことにしたのよ。

確か吉野の君があのお寺に来て欲しいと頼んだからあたしは行っただけ。

そこに吉野の君が現れてそしてあたしは

吉野の君が近づいてきたけどどうしてなのかと思いながら

急に口を何かの布で塞がれて気を失ったのよ。

だったら吉野の君にここに閉じ込められたということになるわ。

でもどうして・・・・

左大臣達の身分が高い協力者はまさか吉野の君?

でも吉野の君は東宮になりたいから、だから左大臣達と組んでいるの?

でも左大臣達の目的は正良親王さまが東宮位につくことよ。

吉野の君の目的とは重ならないじゃない。

だったら吉野の君は何が狙いなの?

東宮位じゃないなら鷹男への怨み?

でも吉野の君は鷹男からいじめにあっていないとそういっていたのになんでなの?

吉野の君。

いったいどうしてこんなことをするの?

あたしは理由が見つからない上本当に吉野の君が左大臣達と協力しているのか

まだ半信半疑だったの

それからどんどん時間が経っていった。

今が朝なのかそれとも夜なのかも全然分からなくて

だんだんお腹も空きはじめてきたの。

そうして誰かの足音がしてこの塗籠の前に立ち止まった。

鍵を開ける音がして中に入ってきたのはやっぱり吉野の君だったの。

あたしは吉野の君に本心を聞きたくて詰ってしまったのよ。

「吉野の君!ここは一体どこなの?早くあたしを三条邸に返して頂戴!」

「瑠璃姫それは出来ません。

あなたには当分ここにいてもらいます。

あなたが動くことで私達の計画が崩れてしまいますので」

「何、何を言っているの?計画って何のこと。

やっぱり左大臣達と組んでいる鷹男のスパイは吉野の君、あんただったの!」

あたしは真実ではないという期待を胸に尋ねたの。

でもその期待はあっさりと裏切られたの。

「もう分かっているでしょう。私が兄上を裏切り左大臣達と組んでいるのは・・・」

「嘘よ!吉野の君が鷹男を裏切るなんて絶対に嘘よ!

吉野の里で二人はとても仲良しだったじゃない。

鷹男は吉野の君にとっても優しかった。あたしはそれをみていつも悲しかったもの。」

「兄上が私に構っているからですよね。瑠璃姫」

「え?」

「知っていましたよ。瑠璃姫が初めから私じゃなくて兄上を愛して見えたのわ。」

「そんなの違うわ。あたしは吉野の君が迎えに来るのをずっと待っていたんだもの」

「いいえ、あなたはあの頃気付かぬ不利をしていたのです。

私がプロポ-ズして二人で育っていたら

瑠璃姫は多分私のことを愛してくださったかもしれない。

しかし現にあの後兄上は吉野の里に来て

そして私達二人の中に入り込んできた。

そして兄上の私に対する優しさが瑠璃姫に与えられないことで

瑠璃姫は必死でそれを耐えて見えました。

兄上に必死で構って貰おうとする姿にまだ幼い瑠璃姫が

本心を知る前にわたしが瑠璃姫を奪いさればそれでいいとそう思っていました。

しかしだんだん年を重ねるうちにあなたを迎えることが出来る地位まであがるのに

結構時間がかかってしまった。

それでもあなたを迎えることに必死でしたがそれでも幸せでした。

でもあなたの心が気になってしまったのです。

あなたの兄上を愛する気持ちが段々邪魔でしょうがなかったのです。

まずはあなたが兄上を好きなことを自覚させて

そしてあなたが兄上を嫌えばこれで瑠璃姫から兄上の気持ちが消え去る

そう思いました。」

「まさかあたしと鷹男が吉野の里で再会したのは」

「ええ~私が兄上の母宮さまである丞香殿の女御さまに上手くいって会わせました。」

「なんですって。じゃあ左大臣達があたしの命を狙っているというのは」

左大臣達に陰謀を唆したのは私なのです。

左大臣達は昔から兄上が東宮になるのは都合が悪いから

東宮位から失脚させようと思っていたのは知っていましたから。

私はもともと東宮位には全然興味はない!

昔から欲しかったのは瑠璃姫あなただけだったのです!

あなたと静かに一緒に暮らすのが幼い頃からの夢だった。

なのにあなたの心は兄上にいってしまっていた。だから計画したのです。

瑠璃姫が兄上に失望して私に心をくださることを」

「そんな・・・そんなことって・・・嘘よね!吉野の君!

本当は左大臣達に唆されて左大臣達に協力の振りをして

鷹男に協力しているんでしょう。

吉野の君が鷹男を裏切るなんてそんな・・・」

「瑠璃姫。私は昔から兄上が羨ましかった。

頭の回転がよく、容姿も優れていて私が後宮に迎えられた時思ったのです。

とても兄上は皆に愛されていると。

兄上が東宮になるのは相応しい、そう思っていました。

しかし恐怖ではあったんです。

私が一番愛している瑠璃姫を奪われるのではないかと。

吉野の里の時から兄上が瑠璃姫を愛していたのは知っていました。

しかし兄上は東宮

そう簡単に女御を決めることは出来ません。

だから二人を再会させて

それで二人の気持ちが終結して別れればいいという期待もあったんです。

二人の気持ちがここで離れれば次の計画は実行しなくてもよかったのですから。

しかし二人の心は重なってしまった。

だから左大臣と組んで二人の仲を引き裂こうとそう思ったのですよ。」

「そんな・・・吉野の君・・・・」

「瑠璃姫。悪いですがこの計画が完全に実行されるまでは

大人しくいてもらいますから。

外には護衛のものがいますから絶対にここからでないでください」

「ちょっとダメよ!吉野の君!そんなことをしたら吉野の君が罪を犯して捕まるわ。

だからもう辞めて」

「もう遅いのです。計画は終盤にきてしまっています。だからもう遅いのですよ」

そういって吉野の君はこの塗籠からでていってしまったの。

あたしはただただ何も起こらないように

鷹男や吉野の君が無事でいるようにそう思うことしか出来なかったの

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