妄想の館

なんて素敵にジャパネスク二次小説(鷹男×瑠璃姫)

好きなのに~揺れ動く恋心11

鷹男が方違えのために非公式ではあるものの訪れたため三条邸では大慌て。

それでもさすがは腐っても貴族の名門。

鷹男を受け入れる準備はあっという間に終え今では優雅に宴を催し

楽があたしの部屋まで聞こえてくる状態となった。

鷹男が三条邸にいることは内密だとはいえ、

仮にも東宮様を迎える事が出来たんですもの。

盛大とまではいかなくても十分素晴らしい宴を催していると思うわ。

あたしは父さまにこんな機会はないから宴に参加しなさいと言われた。

でもそれは無理だった。

あたしは鷹男を忘れるつもりだったんですもの。

御簾越しとはいえ遠目でも見てしまったら何を思うか分からない。

今の気持ちをあたしは考えたくなかった。

あたしの心は揺れている。

それでもそれが何なのか知るのが怖かった。

もう、裏切られるのはこりごりですもの・・・・・

 

 

 

 

少し前まで小萩があたしの傍に付いていてくれた。

宴はより一層盛り上がり、

ここまで華やかで楽しそうな笑い声が聞こえてくる。

なのにあたしが行かないばかりに

小萩にまで我慢させるのも申し訳ないわ。

小萩は見たこともない東宮様より

東宮様に仕える近侍のものに興味があるらしく

小萩の仲のいい女房達が小萩を誘いにきているのを知っていた。

それでもあたしを一人にするのは気が引けるといい

あたしの傍を離れなかった。

そんな小萩の気持ちはありがたいと思うけど

小萩も宴の楽しさを味わって欲しい。

だから無理やり宴を見に行くように、楽しむように言ってあげたの。

小萩は最初は嫌がっていたけど感謝の言葉を述べて宴へと去っていく。

はあ~~~~~~~~

これであたしは一人ね。

宴への警備に重点が置かれるからこちらはいつもより寂しさを感じる。

今何刻なんだろう~

宴が始まり大分経つわよね~

早く終わり、鷹男はこのまま去ってくれればいいのに・・・・・・・

その時!!!!!!!!

誰かが妻戸を開ける音がしたの。

こちらに来るものなど小萩達女房以外いない筈。

でも女の足音ではない。

男?!?!?

まさか!?!?!?

あたしの前に現れたのは見たこともない男だった。

にやけた顔でどこかの馬鹿貴族の子息なんだろう。

その男が近づいてくる。

「瑠璃姫、やっとあなたに出会うことができました。」

「ちょっとあんたは一体誰!!!!!

近づかないで!!!!出て行って頂戴!!!」

「そんなつれない事を言わないでください。あなたの未来の婿殿ですよ。」

「ふん!あんたなんて全然知らないわ!

それに、それにあたしの結婚相手はたか・・たか・・・」

「聞きたくありませんね~~~その嫌な名前は!

衛門佐などただのいい所の坊ちゃんなだけではありませんか。

女の身分を手に入れて自分を出世させることには人一倍気が付く!」

何ですって~~~~~~

どうしてこの見知らぬ男に高彬のことを馬鹿にされなくちゃならないの?

こんないかにも脳みそもないような男に高彬の悪口なんて言われたくはないわ。

あたしはか~と頭に血が登ってしまった。

この男の挑発に乗りこの男をぎゃふんと言わせないと

いられなくなるくらい興奮していた。

この時、誰か助けを呼べばいいのに挑発にあたしは乗るだけだった。

「あんたのような知性のない馬鹿男に

高彬のよさなんて分かるはずはないわ~~~」

「この女!!!」

「きゃっ!!!」

急にこの男はあたしに接近してきてそのまま押し倒されてしまったの。

ものすごい勢いで両腕を上に持たれどれだけ抵抗しても離せない。

「ふふふ、いくら奇特な姫だという噂があろうとただの姫君。

男の力に勝てるはずがないのに~

さあ~瑠璃姫、観念して私の物におなりなさい!」

「ふん!!!誰があんたの物になるものか!

あんたよりも優秀な高彬が助けてくれるわ。

あんたみたいな最低な男と違ってね!!!」

「ふふふふ・・・あははははは・・・」

「何がおかしいのよ!」

「あなたこそ何を思い違いをなさっているのですか?

高彬が私よりも優秀なはずなんてありませんよ!

あんな身分だけの男。

私の方がずっとず~~~と優れているはずです!!!」

高彬のことを比較すると更に興奮状態になっていくこの男。

それでも優秀なのは高彬だとあたしは断言できる。

「高彬は絶対にあんたよりも優秀に決まっているわ!」

「瑠璃姫がそう思われても高彬はここにはきませんよ。」

「何故よ!高彬はとても優秀だわ。

あんたがここに来たこともすぐにばれるに決まっているじゃない!」

「ふふっ、瑠璃姫、私が勝算なしに

あなたを物にしようと思ってはいませんか?」

「何ですって!?」

「ええ~~~私はあなたを高彬から奪うために色々手を打ったのですよ!」

「まさか!?」

「ふふ、鼻がよく利く姫君ですね~そうです。

この三条邸への東宮様の方違えは

あなたを私の物にしようと計画して起こったものなのですよ!」

「なっ!?あんた馬鹿じゃないの!

そんなことして他貴族に示しなんて付かないじゃないの!

それにあたしは高彬との婚約は決まってしまっているわ。

それを略奪しようだなんて卑怯よ!

他貴族の連中も難を示すに決まっているわ。」

「そうですね~ふふ、しかしそこはね~

なんとでも出来るものなのですよ。」

「あんたこそ女の身分を利用して出世することには

他に追随を許さないほどできる人なのね!」

「この、尼!」

「うっ!」

あたしの腕を抑え込む力が増してきて結構苦しい。

「ふん、何とでも言えばいい。

高彬は私の友人達が酒を飲ませた上絶対に離さないだろう。

さっさとお前を物にすればいいんだ。

お前などなんとも思わんわ。

お前が大納言家の娘じゃなければ

抱こうとなど思いもよらないわ!」

そう言い、この男の気持ち悪い唇が近づいてこようとした時

あたしは咄嗟に目を瞑り心の中で叫んだ!

「「鷹男~~~~~~~~~~」」


ガツン!バキン!

急にあたしの体の上の重みが消えてなくなった。

あたしは驚いて目を開いた。

その時!あたしが会いたくて会いたくて、

でも会いたくなかった鷹男の後姿が目に付いたの。

「鷹男!」

東宮様!!!」

急に現れた者の姿にこの男は呆然としていた。

あたしは目に涙を浮かべた。

怖かった。

とても怖かった。

このままあたしはこんな卑怯な男の物にされるところだったんですもの。

そして助けてくれたのは鷹男。

でもどうしてここに鷹男がいるの?

鷹男は宴に参加していたんじゃないの。

あたしにもう会わないと

そう酷い言葉を残して去って行ったのに何故現れるの。

今の状況が飲みこめずあたしはただ黙って見守ることしか出来なかったのよ・・・

にほんブログ村 小説ブログ 二次小説へ
にほんブログ村