妄想の館

なんて素敵にジャパネスク二次小説(鷹男×瑠璃姫)

好きなのに~揺れ動く恋心14

あたしはついに後宮へと足を踏み入れた。

自分の位置がどこなのかさっぱり分からない。

でも前に進むしかないのですもの。

あたしは誰かに見つからないかビクビクしながら廊下を渡っていく。

人気を避けながらドンドン奥に誘われるかのように入っていく。

そして前から誰かが向かってくるのに気がつき慌ててある部屋に入った。

丁度そこは命婦の賜る部屋の一つだった。

そこで命婦の衣装を手にし自分の衣装と取り替えた。

これで少しは周りに不審には思われないと思う。

でも、まだ日が高く人気が多くて身動きがしずらい。

あたしは仕方がないため階におり

その床の下に潜り込んで夜になるのを待つことにしたの。

さすがに階の床の下に人がいるとは思わないみたいで

色々な人達が噂話をしながらこの上を

歩いていく。

そしてとても信じられない噂をここで知る事が出来たの。

それは誰かは知らない。

見知らぬどこかの女御様に仕える女房達の噂だった。

 

 

「最近の東宮様はいったいどうされたのやろう~」

「ほんにおかしいですわ。」

「最近内の女御様にお渡りにならないようやし~」

「ええ~お気に入りの命婦たちにも

お渡りもお呼びもされていないようですわ。」

「お体でも壊されたのやろか~?」

「そんな話は聞いてないそうですわ。

だから東宮様に今までお情けを頂いていた方々は

不思議がってお見えだそうです。」

「あるお方からは東宮様には

ついに本命がおできになったという命婦もおるようやし一体

どうなってしまったのやろ~」

「これは後宮中の女子達が真実を早くお知りになりたいと

色々情報を探っているようですが

結局真実は分からないようなのですわ。」

「以前の東宮様でしたら数々の女子達の間を

渡り歩いていたというにほんにさみしいどすな~」

「本当に~以前の東宮様に早くお戻りになっていただきたいですわ。」

そう立ち話をしながら女房達は去って行った。

 

 

一体さっきのは何?

鷹男のことを言っていたの?

何故今頃になって女性のもとに通っていないのよ!

鷹男は女達を利用しながらさまざまな女達を抱いていたんじゃないの?

ここに来て更に鷹男の気持ちが分からなくなってきた。

一体どう言う意味があるの?

まさか!先ほど女房達が言っていた

鷹男の本命が出来たから女の元に通うのは止めたの?

もしそうだったらあたしはここに何しに来たんだろう~

鷹男の気持ちが見えないから直接危険を冒してまで来たのに

どんどん気持ちが萎んでいってしまう。

あたしは真実を知りたかっただけなのにまさか、

本命の女性が現れていただなんてどうしたら・・・・

でも・・・・・・・

それでも・・・・・・・・・

あたしは鷹男の気持ちが知りたかった。

あんなわけのわからない言葉を残して去って行った鷹男に

今度こそは真実を聞きたい。

一度目は高彬とあたしの関係を勝手に勘違いをして

怒って私の元を去って行った。

二度目はあたしの貞操の危機を助けてくれた。

あたしを利用する価値が無くなったからと

去った口で意味も分からずにあたしの気持ちを

翻弄するだけ翻弄して。

段々ムカついてきたわ。

絶対に鷹男に聞いてやるんだから!

あたしの気持ちは硬かった。

 

 

 

そして夜の帳は落ちた。

階の下の床下に潜っているうちに

鷹男が今どこの部屋にいるのか分かってきた。

色々な人達の向かう先のおかげで大体の方角は見えた。

あたしは夜を味方に付けて鷹男の場所に向かうことにしたの。

 

 

 

警護は凄く厳しいはずなのに

あたしが身に纏っている命婦の衣装のせいか誰もあたしを

咎めるものはいなかった。

薄ぐらがりの蝋燭の火の下、

あたしは扇で極力顔を隠しながら少しずつ少しずつ

鷹男に近づいていく。

 


そうしてやっと鷹男が休む部屋にたどり着いたの。

ゆっくりと御帳台の中に入っていく。

さすがに夜が深いためか鷹男はもう寝てしまっていた。

そろ~とあたしは鷹男に近づく。

鷹男の顔がしっかり見れる位置についた途端

あたしの心は最高潮に高く上がっていく。

そろ~と前にかかった前髪を払おうとしたときだった。

バッ!!!!

ええ????????????

急に触れようとした腕は

鷹男の腕で掴みあげられあたしを抱き締めようとする。

一体どうして??????

分からない~分からない~分からない。

アッ

あたしは鷹男にそのまま抱きすくめながら身動きが取れない。

そして鷹男はあたしに話かける。

「私は夢を見ているのだろうか?

私がずっと欲していた姫が我が腕の中にいる。

あなたがこの東宮御所にいるわけがないのに

あなたを求めて止まない私についに幻想まで

見えはじめたのかも知れない。

これは夢なのだ。

だからあなたに今本心を言っていいのだろう。

瑠璃姫、あなたを愛していますよ。心から・・・・」

なっ????????????

嘘・・・・・・・・・

どうして・・・・・・どうして・・・・・・・・

鷹男は多分勘違いをしているんだろう。

あたしを抱き締めながら

まだ誰を腕の中で抱きしめているのか分かっていないんだろう。

声は少し震えながら切なげな声でそう囁く。

あたしは嬉しくて嬉しくて仕方がない。

真実を知りたくてやってきたのに

こう囁かれては感動するしか出来ないじゃない。

まだ寝ぼけているのだろうか?

それとも他の人に言っているのだろうか?

鷹男はそのままあたしを抱き締めた腕を離さない。

どれだけ経ったのだろうか?

それほど経っていないのかもしれない。

あたしを抱き締める腕が更に強くなったとき

パッツっと

腕の力が消え鷹男はあたしから離れていく。

「誰だ!」

厳しい声があたしの方に向かって鳴り響く

そしてあたしの姿を認めて鷹男は声を無くした。

「!!!!!!!!!」

どれだけあたしと鷹男はお互いを見つめ合ったのだろうか。

その沈黙を破ったのは鷹男のほうだった。

「まさか・・・・瑠璃姫?本当に瑠璃姫なのですか?」

声は震え、半信半疑にあたしに問いかける鷹男。

「ええ~本物の瑠璃姫よ、鷹男。」

「どうして!どうしてあなたがここにいるんだ!

あなたがいるはずがない場所なのに!」

「だって!しょうがないじゃない!

あんたはあたしに訳のわからない事だけ

言って去って行ってしまったんだもの。

あたしを混乱させるだけさせてあんたは行ってしまった。

だからあんたの本心を聞きにきたんじゃない!」

あたしは段々声が大きくなり興奮していく。

あたしは真実が聞きたかったんだもの。

鷹男の真実が!

あたしをやっと認めた鷹男は凄く驚いていた。

そしてもう一度鷹男はあたしを抱き締めてくれる。

ぎゅっと強く強くあたしを抱き締める。

「まさかあなたが来てくれるとは思いもよりませんでした。

あなたはもうすぐ高彬と結婚する。

だからあなたは私のことは忘れて高彬と幸せになるのだと思ってました。

だからあなたの幸せのために

私はもうあなたの前には二度と会うことはないのだとそう思ってました。

ですがあなたは私の前に現れた。

あなたがここにいてくれる。

私はもう逃げない!あなたが欲しい!あなただけが欲しいのです。

もう他の女達などいらない。

瑠璃姫、私の女御になってくれますね。」

あたしはまだ色んな事が聞きたくて仕方がなかったはずだった。

だけどこういわれたらあたしはただ黙って頷くだけ。

あたしを鷹男でいっぱいに満たして欲しい。

その気持ちが強く

あたしはついに鷹男に抱かれることになった。

そのまま鷹男はあたしを狂おしいほど求め

声に出さなくてもあたしを欲している事が分かる。

あたしはそれだけで幸せだった。

ずっとずっとあたしを離さないで頂戴。

あたしはそのまま鷹男に身を任せてしまったのよ・・・・・

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