妄想の館

なんて素敵にジャパネスク二次小説(鷹男×瑠璃姫)

藤壺女御物語17 間章

夜の闇の中しずかに、静かに時間が経っていく。

夜の薄っすらと灯る蠟燭の灯が二人を映し出している。

 

あたしは緊張をしていた。

ついに夜御殿に呼ばれていたの。

以前から滅多にないお召しであったけれど、

あたしと帝の間では体を許したこともない。

ただ本当に隣同士で背中合わせに並んで寝ていただけ。

けれど、今日は違う。

あたしはついに愛する鷹男と夜を共にする。

 

「瑠璃姫」

お互い単衣姿であたしは少し恥ずかしかった。

鷹男は優しく声をかけてくれる。

両手であたしの顔を挟み込んでそのまま触れ合うだけのキス。

啄むだけでもあたしは真っ赤になってしまう。

あたしの初めてのキスは心臓がどきどきしてどうしたらいいのか

分からずに鷹男に委ねるしかできない。

「鷹男・・・」

目を瞑ってしばらくキスを堪能する。

小さな口づけが深く甘い口付けへと変化する。

息ができずに苦しくなってしまった。

「瑠璃姫、鼻から息をするのですよ。」

「もう!鷹男ったらどうしてそんなに手馴れてるのよ!」

つい肩を軽くたたいて詰ってしまう。

その時鷹男が苦しそうな表情をしたの。

「慣れたくてなれたわけではないのですよ。」

しまった。

言ってから後悔の念が沸き起こる。

帝は後継者を作るのも仕事だったわ。

慣れていて当たり前。

少し心が痛むけれど今はあたしと鷹男だけしかいない。

あたしは自分のほうから軽く口づけを啄む。

お互い抱きしめあいそのまま横になりあたしは

鷹男と結ばれることになったのよ。

 

 

 

瑠璃姫の緊張に私まで緊張しそうになる。

まるで初めての頃のように手が震えてしまう。

こういったことには慣れているが、本気で好きな女性に

触れたことは初めてだから舞い上がってしまった。

薄っすらと灯に浮かぶ瑠璃姫はいつも以上に艶があり

顔も少し赤らめすごく可愛らしかった。

両手で顔を挟んで唇に軽くキスをする。

一生懸命に私に合わせようとする姿に感動さえ覚える。

瑠璃姫は初めてなのだろう。

深いキスをすると息も絶え絶えに体が震えている。

ついおせっかいにも声を出したら

瑠璃姫に叱られてしまった。

そう、慣れたくてなれたわけではない。

だが瑠璃姫のしまったという表情ですぐに気持ちも収まり

瑠璃姫を堪能しようと思う。

気持ちが通い合っただけでこんなに体が喜びに満ち溢れるとは

思いもしなかった。

 

 

 

 

 

 

瑠璃姫との激しく燃え上がるような夜を過ごしながら

私は余韻に浸っていた。

瑠璃姫は疲れたのか艶めかしい姿で小さな息を立てながら

寝てしまっている。

私はいつからこの姫を愛してしまったのだろうか?

 

私は幼き頃から帝になることが決まっていた。

そのためにも誰かを依怙贔屓せぬ様徹底的に平等に扱うよう

教えられていた。

帝としての個はない。

感情を押しこらえるすべを幼き頃から教えられた。

だからこそ、数多の女御や更衣が入ったとしても

誰かを愛することはないと思っていた。

私の結婚は全て政治的なものが絡むからだ。

女性たちの裏には沢山の貴族の思惑がある。

だからこそ誰かを愛することなどないとそう思えたし

平等に接する自信もあった。

なのに・・・・

瑠璃姫は違った。

あんな衝撃的な出会いで私は最初はただの好奇心だったはずだ。

けれど、私と話す姫は誠実で好奇心旺盛で

そして頭の回転も速く気になる存在になるのもあっという間だった。

姫と話すと楽しくて、時間をよく忘れてしまう。

彼女は私が帝であることは知らない。

知らないからこそ素の自分にもなれた。

だが姫は身分で相手を変える人ではないことを短い間ながら

理解もしていた。

彼女を知れば知るほど私はのめりこんだ。

けれど吉野の君の存在であっという間に私は瑠璃姫のことを

手離さなくてはいけないようになった。

手離したくない。

けれど弟宮のことを思うと手放すしかないのか。

葛藤に揺れた。

結局は私のもとに瑠璃姫は残ってくれた。

瑠璃姫・・・

私の愛する姫よ・・・・

もうあなたを手離そうとは思いません。

あなたが私の手から離れないように、

もうそう思えないように存分に愛してあげますよ!

 

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