妄想の館

なんて素敵にジャパネスク二次小説(鷹男×瑠璃姫)

藤壺女御物語40

あたしは今後宮ではなく三条邸に戻っていた。

あれから恙なく平和な日が続きやっと里下がりして三条邸に来ることができた。

あたしの懐妊に鷹男はじめ父さまや融や大皇の宮様、様々な人から

お祝いの文を頂いたり直接感謝の言葉を頂いたり

懐妊が分かった時はすごく忙しかった。

妊娠初期は何があるかわからないからと小萩たちがすごくピリピリしていて

何もしてないのに動いたら駄目だとかちょっと散歩に行くのさえ制限されて

ストレス全開よ!

でもご飯がなかなか口に入らなくて苦労したわ。

妊娠していると皆食べるものが変わるのね。

あたしは柑橘類しか食べられなくなってこってりしたものは匂いを嗅ぐだけで

吐いてしまって大変だった。

それから妊娠初期は終わって今度は何でも食べられるようになったんだけど

おなかが膨らんできて胃が圧迫されたのか食べたくても食べられず

それも苦労したわ。

妊娠すると小腹はすくし眠気は急に来るしでいろいろな経験ができた。

そんなたわいもない生活が続きやっと里下がりを迎えることができた。

本当はもっと早く帰りたかったんだけれど鷹男が中々承諾してくれなくて

初めて夫婦喧嘩もしちゃったりしてね。

ふふっ、なんだかそれだけ鷹男に愛されてるんだな~って実感しちゃたりしてね。

 

 

三条邸に戻っても生まれるまでは特に何かできるわけもなくてね。

本当なら三条邸を出てどこかに出かけるのも楽しそうだけれど

あたしのおなかの中にはややが授かっているからもしものことがあったら

後悔でいっぱいになる。

だから大人しく自分の邸に閉じこもっているのよ。

時々こちらに藤宮様や大皇の宮様がいらっしゃったりして楽しく過ごしていたわ。

 

 

それでも暇だから、あたしは融の部屋に遊びに行こうと思い

部屋に向かって歩いていたの。

そうしたら融の部屋の前の庭先に一人の公達がいた。

その人は高彬だった。

高彬はあたしの姿を見て驚いたようで庭先から近づいて膝まずき挨拶をしてくれた。

藤壺の女御様、まさかこちらにいらっしゃるとは思わず

挨拶にもいかずに申し訳ありません。」

「やあ~ね~高彬、ここは三条邸よ。あたしたち幼馴染じゃない。

ここでは瑠璃といってもいいのよ。」

「それはできません。」

「堅い!カチカチよ、高彬ったらあたしがいいって言ってるんだから

ここでは軽い口調で言ってよ。」

せっかく後宮の堅苦しさから出てこれたのに自分の実家でも

堅苦しいなんてやだわ。

あたしの反応に高彬も仕方がないと思ってくれたようで

普段の高彬になったわ。

「相変わらずだね、瑠璃さんは、すぐに僕を困らせる。」

「そんなことないでしょう。せっかく実家に帰ってきたのに

女御様扱いはうんざりよ。」

「瑠璃さんだけだよ、そんなこと言うのは!でも元気でよかったよ。

久しぶりに会えて。」

「そうよ!あんたはあたしに会いに来てくれないしさ、

幼馴染なんだから融だけじゃなくあたしにも会いに来てよね。

後宮と違って会いやすいじゃない。」

「そうだけどもし変な噂を立てられでもしたら」

「変な噂?」

「そんなの立てられないわよ。あたしたちやましい関係じゃないもの。」

「でもお主上が僕たちを見たら変な疑いを抱くかもしれないじゃないか。

それは困るしさ。嫉妬されるかもしれないし。」

「嫉妬!」

それは駄目、以前校書殿の時のお仕置きを思い出す。

あんなことやこんなことまでされちゃって大変だったんだから。

あたしは真っ赤になってしまう。

話を変えなくちゃ。

「高彬、なんで庭先にいるの?」

「ああ~ここで僕たちいっぱい遊んだよね。」

「そうね~ここで相撲を取ったり凧あげをしたり子供同士楽しかったわね。」

あたしはそのまま庭先に降りて行った。

「ちょっと瑠璃さん、庭に降りちゃだめだよ。」

「なんで?自分の庭はしょっちゅう降りてるけど融の庭は何年ぶりかしら。

ほんと久しぶりよ。大して変わり映えはしないけれどそれでも

懐かしいわ。」

あたしはそういいながら高彬に近づいたその時

「姉さん!なにやってるの?」

「え!」

「危ない!」

急に融の声に吃驚してあたしは何もないところでずっこけそうになってしまった。

その時とっさに高彬が抱きしめてくれて危うくこけそうになったのが

難を逃れた。

「もう!融!急に声をかけないでよ、危うくこけそうになったわ。

もしこけたらどうしてくれるの!」

「や、やだなあ~ごめんよ姉さん。こけなくてよかったよ。」

「る、瑠璃さん、もういいかな?」

「あっごめん高彬助かったわ。」

高彬は少し顔が赤かったけれど高彬のおかげで何とかなったわ。

お腹のおややに何かあったら大変ですもの。

その時だったバタン!!!!

誰かが倒れる音がしたのよ。

そっちを見た途端すぐに高彬が動いた!

「夏!」

融の後ろで倒れている夏を見つけ高彬はすぐに医師を呼べと叫び

御姫様抱っこで寝床に連れて行ったのよ。

 

 

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