妄想の館

なんて素敵にジャパネスク二次小説(鷹男×瑠璃姫)

嵐のような恋物語1

あたしが9歳の頃、母上が弟の融を産んだ後体調を崩したままだったから

あたしは吉野に住む祖母に預けられそこで暮らしていた。

そこには一人の童がいたの

お祖母さまの話ではその童は高貴な身分の方の御落胤らしいんだけど

母上の身分が低いから認知もされていなくて

本妻に迫害されてここ吉野の里に逃れてきたらしいの

だから本名はしらなかった。

あたしはその童を吉野の君と呼んでいたのよ。

彼は11歳でやたら綺麗な顔をしていた。

いつも二人で1日中花摘みやかけっこ、かくれんぼをして遊んでいたわ

そんなある日、吉野の君があたしにこういったの。

「瑠璃姫、やがて私が父上に認められ都に呼ばれ官位を授かることが出来たら

お迎えに行ってもいいですか?」

あたしはそのとき意味が分からなかったけど嬉しかったからうんといい

お約束に接吻をといわれたのにあたしは意味が分からなかったからつい、

手を出してしまったの。

そして吉野の君はそれでも迷うことなくあたしの手に花を授けてくれた。

そんな愛らしい暮らしをしていたあたし達二人の中に突然嫌な奴が現れたの。

それが鷹男だった!

あたしたちがいつもどおりに遊んでいたとき

吉野の君と年が近そうな男の子があたし達に話しかけてきたの。

「おい、お前達、そこにいるのが吉野という童か?」

「ちょっと、あんたは誰よ!急に話かけてきてなんなの、その言い方!

「女に言ったわけじゃない。そこにいるお前に話しかけたんだ。」

「女ですって!あんた、あたしはこれでも可愛い貴族の姫よ。

なのになんなのその態度!むかつく!」

「あははは!おまえのどこが可愛らしい女の子だというんだ!

普通の姫さまは邸の奥で大切に育てられ

筝の琴や歌の勉強をして自分を磨いている方々だ。

お前のように顔も隠さない姫がどこにいるというんだ。」

「むむむ~むかつく~~~~~~~~~」

あたしは初対面だというのにこの男と最悪な出会いをしてしまったの。

それからあたしとこのむかつく男とのいい争いを黙ってみていた吉野の君が

あたし達に話してくれて一旦この場を離れることになって、

あたしはそのまま祖母の元に帰ることにした。

邸に戻ってもあの男の顔が目に浮かび腹がたって仕方がなかった。

そうしてあくる日になったとき、もうあの男に会いたくなかったけど

それでも吉野の君には会いたかったから、あたしは吉野の君に会いにいったの。

そうしたら吉野の君の母である佐子姫さまが

吉野の君が先にいつもの遊ぶ桜の木に向かったと聞いて

あたしはその場に足早に向かっていた。

そこには吉野の君がいたのに、あのむかつく男も一緒だったの。

思わずその男に向かって大声を上げてしまったのよ。

「ああああ~~~~あんたは昨日のむかつく男!!!

なんであんたが吉野の君と一緒にいるのよ。

吉野の君から離れなさい。

あんたみたいなむかつく男と一緒にいたら吉野の君が穢れるわ。」

「お前って本当に貴族の姫なのか?物凄く言葉使いが悪いぞ!」

「うるさい!あたしは大納言家の姫である瑠璃姫よ!

これでもれっきとした摂関家の流れを汲む

家柄の姫なんだからね。あたしを馬鹿にするな!!!」

「・・・分かったよ。お前が貴族の姫なのは分かったさ。

でもここまで野蛮だと誰も嫁のきてがないんじゃないか?」

「うるさいわね~そんなことなんてないわよ。

それに、あたしには吉野の君がいるんだから

あんたみたいなむかつく男と違って

優しくて素敵な吉野の君があたしを貰ってくれるんだから!」

「吉野!お前正気か?あんな野蛮な姫を選ぶというのか?

貴族の姫ならもっといい方が居られるというのにお前は物好きなのだな」

「兄上、けして瑠璃姫は野蛮な姫君ではありませんよ。

心根も優しく可愛らしい私の姫です。」

「・・・」

「ちょっと吉野の君!こいつを兄って言った?」

「はい、この方は私の兄君です。実は会ったのが昨日初めてだったんですけどね。」

「ううううそ~~~吉野の君のような素敵な人の兄がこいつなの?信じられない!」

「吉野!この女殴って良いか。本当にむかつく女だな。こんな姫見たことがない!」

「兄上。落ち着いてください。瑠璃姫はとても優しくていい人ですよ。」

「しかしなあ~」

「ねえ~あんたが吉野の君の兄という事は佐子姫さまの子供なの?」

「いや、私と吉野の父上は一緒だが母上は違う」

「だったらあんたは吉野の君の母上たちを迫害して来た本妻の息子ってわけなのね。

吉野の君をいじめるならこの瑠璃が許さないんだから!」

「ちょっと待てよ!なんで俺達が吉野たちを迫害して来たというんだ。」

「だってお祖母さまがそういってたから」

「確かに俺達の母は違うし本妻は俺の母上だけど実際母上同士は仲が悪くないさ。

むしろ仲がいいほうさ!母同士は姉妹なんだからな」

「え!じゃああんたは佐子姫の姉上の息子なの」

「そうだ。ただ俺達の父上の息子があの時いたらいろいろ問題があって

佐子姫は姿を隠してしまった。

俺の母上は仲が良かった妹君が居なくなったことに傷心して

ずっと佐子姫を探し続けてきたんだ。

そしてやっと手掛かりが分かって、この吉野に来たわけだ。

俺はこれでも体が弱くてなついでだから養生に来たわけだ。

母上もこっちに来て佐子姫に戻るように言いに来たんだけど

なかなか言い返事が貰えないみたいだから

いい返事が貰えるまでは俺もここに居るつもりだ。

だから吉野よろしくな!一緒に遊ぼうぜ!」

「ちょっと待ってよ!あたしの吉野の君を取らないでくれる?

あんたみたいな野蛮なのと一緒にいたら吉野の君が穢れる」

「なんだと!いったな!」

「お待ちなさい。二人ともどうしてそうやっていがみ合うのです。

いつまでかは分かりませんが

吉野にいるのでしたらもう少し仲良くなさったらどうですか?」

「だって、この男むかつくんだもの。」

「男というな!俺には鷹男という名前があるんだからな!」

「ふ~ん、今聞いたわよ。初対面の相手に名前も名乗らなかったあんたが悪いのよ。

それがどこのいい男だというのよ!」

「なんだと。こいつ」

「だから兄上!いい加減にしてください!」

「すまん、吉野」

あたしと鷹男の出会いは最悪だったけど

兄弟であった吉野の君と鷹男は初めて会ったときから

何故か仲が良くてあたしは鷹男に吉野の君が取られたように感じてたからつい、

意地を張ってしまっていたの。

佐子姫の説得に時間がかかったからそれまではあたしたちは

初めは喧嘩ばかりしていたけど

その内仲が良くなって今度は3人で遊ぶようになったのよ。

 

 

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