妄想の館

なんて素敵にジャパネスク二次小説(鷹男×瑠璃姫)

嵐のような恋物語7

お互い告白を済ませ、自分達の想いを確かめあって

あたしたちはそれから吉野の里を離れたの。

でも今度はちゃんと鷹男の身分も聞いて以前のように音信不通ではなく

頻繁に非公式ではあるけど

鷹男から何度も御文をもらってあたしも贈ってと

中々あえないけどそれでも気持ちが通じていると

そう思っていたのよ。

鷹男は本当ならすぐにでもあたしを東宮妃にしたいと言ってくれてたけど

実際はあたしと吉野の里で再会する前から

大臣家の姫君が鷹男の女御さまになる話は決まっていたみたいで、

だから右大臣家の姫君がまず東宮妃として入内なさってから

あたしに宣旨がくだされるってわけなの。

吉野の里で別れる前にすでにその話は鷹男から直接聞いていたから全然気にしない。

だって右大臣家の姫君を愛しているから鷹男は入内させるのではなく

御両親からのたっての願いだったから、鷹男の意志ではないの。

鷹男はあたしだけを愛してくれる、そう誓ってくれたしね。

だからまだまだあたしが鷹男の元に上がるのは先の話だから

のんびりやっていけばいいわ。

そうあたしは楽観視していたの、

まさか、こんな事件に発展するとは思いもしなかったのよ。

それは少したったある日のこと、

今まで頻繁に御文をくれた鷹男から全然連絡がこなくなってしまったの。

まさかこちらから東宮さまあてにどうどうと連絡することなんて出来ないから

あたしはただただ待つしか出来なかったの。

大臣家の姫君がもうすぐ鷹男の元に行くから、

だから鷹男も忙しくてそれで連絡がないとそう思って

いたのに違っていたの。

ある夜のこと、あたしは三条邸でもう後は眠るだけの時、

誰かが妻戸をかすかに叩く音がしたの。

そうしてあたしは不審に思い戸の近くにいって誰なのかと尋ねたの。

そうしたらなんと鷹男だったのよ。

「ちょっとあんたは鷹男じゃない!どうしたのよ、こんな夜遅くに」

鷹男の表情は暗くいつも自信に満ちた姿ではなく、凄く落ち込んだ様子だったの。

そして真剣な眼差しであたしに衝撃の言葉を口にした

「すまん、瑠璃。お前との結婚話は止めにしてくれ。

お前はやっぱり初恋の吉野に嫁ぐべきだったんだ」

「は?なんですって!」

「お前は吉野と幸せになってくれ!瑠璃!」

「ちょっと!どういうことよ鷹男!あんた何を言っているのか分かっているの?

嫌よ!なんとかいいなさいよ!」

「瑠璃、お前とは結婚が出来ない。ただそれだけだから、俺のことは忘れてくれ!」

そういった鷹男はあたしの前から姿を消してしまったの。

あたしはただただ呆然とするしかなかったの。

一体どういうことなの?なんであたしと結婚できないって急にいいだすの?

あんなに鷹男はあたしを求めてくれたのになのにどうしてなの鷹男!

全然分からないわよ鷹男!

理由を話してよ鷹男!

鷹男の馬鹿!

あたしはあまりの衝撃の重さに苦しむしか出来なかった。

涙も流れ鷹男への憤りが絶えず溢れだしてきたの。

理由もなしにあたしが納得するとでも思っているの、鷹男・・・

どれだけ鷹男への想いを口にしても解決することなく数日が経った。

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