妄想の館

なんて素敵にジャパネスク二次小説(鷹男×瑠璃姫)

嵐のような恋物語6

驚いた告白を受けたあたしは物凄く悩んでしまった。

今まで鷹男は小憎らしい嫌な奴で、

あたしのことなんて好意をもっていたそぶりなんて感じられなかったのに、爆弾発言!

どうしようか悩んでしまった。

その上返事はすぐに出してだなんてあんまりよ。

あたしは鷹男への気持ちでいっぱいだった。

でもあたしは初めは吉野の君が好きだったはず。

吉野の君があたしを迎えにきてくれる

そう言ってくれたから、だから待っていたのよ。

吉野の里にいたときからあたしは優しい吉野の君が大好きだった。

なのにあたしが鷹男を選んだら吉野の君を裏切ることになる・・・

でも吉野の君は何年もあたしをほったらかしにしていた。

だから吉野の君が悪いのよ。

でもあたしが鷹男を選んだとしたらどうなるのだろう・・・

もう頭の中がぐちゃぐちゃだった。

未だに吉野の君の事を整理しきれていないのに

鷹男のことを考えるだなんて決められない。

段々腹がたってきたの。

こんな急に大事なことを決められるわけがないじゃない。

あたしはその足で鷹男の邸に出向いてしまったの。

そうして懐かしの邸に忍び込んであたしは庭先に出ようとした時、

端近に2人誰かがいたの。

あたしは見つからないように身を潜めた。

「鷹男さまよろしいのですか。そんなに気持ちをせかされて」

「いいんだ。初めから瑠璃の気持ちは分かっているから。

もともと自分の気持ちを整理したくって瑠璃に告白しただけだからな。

瑠璃の気持ちは昔から決まっていたさ。

吉野がずっと好きだったんだから。

でも瑠璃は俺の想いなんて言わなければ一生気付かなかっただろう。

それも嫌じゃないか。

だから瑠璃に気持ちだけ言ったんだ。」

「では、瑠璃姫の気持ちはいいのですか?」

「瑠璃が俺のことを好きになってくれるわけもない。

そしてあの瑠璃が俺の元にもし、もしだが

きてくれたとしても悲しませることになるだろうな。

昔から自分だけを愛してくれる人がいいとそう言っていたから。

俺はそう言うわけにもいかないし。」

「鷹男さま・・」

何なの。あの鷹男の表情。凄く悲しみに捕らえられたかのような姿。

まるであたしの返事が分かっているかのような姿だった。

あたしは鷹男の昔の頃を思いだしていた。

昔からえらそうな態度がむかついて仕方がなかったけど

それでも吉野の君を、そしてあたしに対しても優しさはあった。

吉野の君がいたから鷹男のことは二の次だったけど、それでも鷹男が気になっていた。

吉野の君がいたから鷹男への気持ちは

無意識に考えないようにしていたのかも知れないけど

でも今鷹男への思いを確認して見ると、考えて見れば答えは簡単だった。

あたしは鷹男が昔から好きだった。

吉野の君にプロポ-ズされて嬉しかった。いつも優しい吉野の君が好きだった。

でも優しいから好きだっただけでそれは、親愛の情だったんだろう。

鷹男が来てから吉野の君を取られたかのような錯覚に落ちいって

鷹男に対抗していたけど結局あたしは鷹男に構われたかったんだわ。

いつも対抗して鷹男に少しでも自分を気にかけてもらえるように。

鷹男が好きだと自覚したおかげであたしは今までの分からなかった気持ちが

どんどん分かってきたの。

吉野で再会した時、胸がドキドキしたわけも、

鷹男に誰か結婚した相手がいることへの胸の痛みも

なんでなのか分かった。

あたしは嫉妬していたんだ。

鷹男が好きだから。

なんだか自分の心がはっきりしたら気持ちもすっきりしてきたの。

あたしは自分の気持ちが分かって嬉しかったのに

鷹男がとんでもないことを言いだしたの

「俺は卑怯者だな」

「鷹男さま、それはどういうことですか?」

「俺は瑠璃に自分の身分を伝えていない。」

「それはどうして・・・」

「俺には自分の身分に釣られて近づいてくる人間があまりにも多かった。

だから何も知らずに俺に接してくれた瑠璃が

もしかしたら俺の身分を知って態度が変ってしまったらと思うと

本当のことがいえなかった。」

「鷹男さま。そのようなわけが・・・」

「でもな秋篠。人間、身分に寄って態度が違う人間が多いのが

当たり前の世の中ではないか」

「それはそうですが、ですが鷹男さまが愛された瑠璃姫が

そのような人種だと思われては瑠璃姫が

可愛そうではありませんか?」

あたしはその話を聞いてもう我慢の限界だった。

あたしは鷹男の身分がどんなものだろうがそれでも態度は変らない自信がある。

それなのにあたしを見くびっている鷹男にあたしはこらえることが出来ず、

鷹男たちの前に姿を現したの。

「鷹男!あんたあたしをみくびってもらっちゃあ困るわ!

あたしはあんたがどんな身分でも構わない。

あんたが農民だろうが商人だろうが誰だろうがそれでも気にしないわ!

あたしがあんたを好きなことに

身分なんて関係がないんだからね!」

「瑠璃!それは本当なのか?」

「当たり前よ。あんたが身分低かろうが高かろうが何でもないわ!」

「だったら俺が東宮でもいいのか?」

東宮だろうが何でも構わないわよ!あたしがあんたを好きなんだから!

・・・???あれ?」

「瑠璃!ありがとう!」

あたしは鷹男に抱きしめられてしまったけど

もっと仰天なことを耳にしたような気が・・・

「ちょっと鷹男、あんた今確か東宮って言わなかった?」

「ああ、言ったさ。俺が今の東宮なんだからな!」

「は????何ですって~~~~~~」

「瑠璃!お前まさか気付かなかったのか?」

「当たり前じゃないの。あんたがまさか、まさか東宮さまだったなんて~~~~」

「だからってお前急に俺の気持ちを受けれないなんて言わないよな」

「え~~あの~~~」

東宮だから止めただなんて絶対に言わないよな」

「~~~~分かっているわよ。

あたしは身分ごときで自分の気持ちを翻すことなんてしないわ!

あたしはあんたが好き!

東宮だからじゃなくて我儘でえらそうな鷹男がすきなんだから~~~!」

「嬉しいよ、瑠璃!俺の気持ちを受け止めてくれてありがとう!」

あたしはさらに鷹男に抱き占められ、凄く嬉しかった。

やっぱりあたしは鷹男が好きだったのよ。

鷹男がまさか東宮さまだとは全く気付かなかったけど

でもあたしは鷹男が好きなんだから

だからあたしは鷹男と一緒にいるわ。

そう新たな決意を決めたのよ。

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