妄想の館

なんて素敵にジャパネスク二次小説(鷹男×瑠璃姫)

嵐のような恋物語4

あたしは泣き続けていて鷹男はずっと戸惑ったまま

なんとかあたしを宥めようと必死だったの。

だからあたしは段々そんな鷹男の姿をみて笑えるようになってしまった。

初めは本当の涙だったけど段々涙も止まり、

笑うのを必死でこらえていたんだけど

さっきと様子が違うあたしに気付いた鷹男は怒り出したの。

「こら、瑠璃。さっきまで泣いていたのに今は笑っているじゃないか。

俺はどうしたらいいかと凄く焦ったんだぞ!」

「ふん、焦って当然じゃない。

あんなにあたしをほったらかしにしてたんだからいい気味」

「お前は全然変ってないよ。可愛くない」

「別に鷹男に可愛いと思われたくないもの。」

「そうだったな」

急に元気がなくなった鷹男にさすがのあたしも言いすぎたと思って

少し心配になってしまったの。

「鷹男・・・」

「そうだな。ごめん。瑠璃。お前をほったらかしにしたかったわけじゃないんだ。

ただ京に戻ってからいろいろあってなかなかお前に連絡が出来なかった。悪かった。」

「え、ちょっと・・・」

急に素直に謝るなんて卑怯じゃない。意地を張っているあたしが悪いみたいで

そんなあたしが戸惑っている中、鷹男は普通に話しかけてきたの。

「瑠璃は本当は吉野を待っているんだったよな。」

「え!・・まあそうだけど」

「吉野はここにはこないよ!」

「???どうして」

「あいつまでいなくなったら大事になるからな」

「え?」

「嫌なんでもない。

俺は久しぶりに懐かしい吉野に来たいと思って今日ここについたんだ。」

「へえ~そうなの。

あたしは父さまが何でかわからないけど吉野の里に行けと言ってくれたから

きたんだけどね。鷹男はいつまでここにおれるの?」

「瑠璃しだい・・・」

「は?」

「いや、そんなに長くはいられない。1週間くらいの予定だ。」

「たったの1週間なの」

「ああ、長い事邸を離れることが出来ないからな」

「ねえ~吉野の君は元気?

あんたまさか吉野の君をいじめていたんじゃないでしょうね。」

「ば~か、そんなわけがないだろう。俺達が仲がいい事は瑠璃も知っていただろう」

「それは・・・」

確かに二人は吉野で会ったばかりというのに凄く仲が良かった。

初めはあたしが吉野の君と仲が良かったのに

急に現れた鷹男の存在が邪魔で仕方がなかった。

吉野の君を取られたみたいに感じたから。

でも鷹男と長い事過ごすうちにただの嫌な奴なだけじゃないのは分かってきたわ。

あたしにはいつもいじわるだったけど吉野の君には兄として凄く優しかったし・・・

だからその優しさを少しでもあたしにくれたらなあ~って・・・いえ、違うわ。

鷹男は嫌な奴でいじめ虫だもの、

鷹男のことなんて何も思わないわ。

「瑠璃、吉野がいないから寂しいか?」

「当たり前だわ。あんたじゃなくて吉野の君がきてくれたら良かった。」

そういったと同時に鷹男の表情が凄く傷ついた感じになったから

あたしは慌ててしまった。

「いや、あの、別に鷹男があたしに会いにきてくれて嫌なわけじゃないから」

「分かってるよ。お前が本当は吉野に一番会いたがっていたのは。

でも今いるのは俺だから・・・

だから今だけは昔みたいに少しの間一緒に過ごそうぜ」

「え?・・・まあ鷹男がそこまでいうなら別にいいわよ」

「ははは、やっぱり瑠璃だな」

「何よ。鷹男、あんたは何が言いたいのか分からないわ。」

「いいんだよ。瑠璃はそのままで」

なんだかよく分からないけどあたしは鷹男のいわれるがまま

結局この吉野の里で少しの間一緒に過ごすことにしたの。

思い出の吉野の里で一緒に駆け巡って遊びまくった場所。

ただ昔と違うのはここに、吉野の君がいないこと。

それでも何故かあたしは鷹男がきてくれただけでそれだけで凄く嬉しかったの。

大嫌いだった鷹男なのに、

大好きな吉野の君がいないのになんで嬉しいのか自分の気持ちが

よく分からなかった。

そうして、ここにきて毎日鷹男と過ごした。

でもあの頃のようにお互い小さい子供じゃない。だからかな、凄く戸惑ってしまう。

いままでできなかったことが出来るようになった姿をみると戸惑いを隠せない。

大きな小川だと思っていたのに鷹男は軽く飛び、あたしを支えてくれる。

木登りも同じこと。

幼き頃は背丈も変らなかったのに今では鷹男の方が背丈も高いしそれに・・・

体も大きくなった。

昔はいつも手を繋いで遊んでいたのに

何故か今は手を繋ぐと凄く胸が高まって仕方がない。

あたしの胸の鼓動が鷹男に聞かれてしまうかのような錯覚に陥ってしまう。

鷹男の声も全然違う。高い子供らしい声が

今では素敵な男の色気を持ったような低い声

心にじ~んと響く。

時々、手を引っ張られて鷹男の体に密着するような形になるんだけど、

どきどきが最高に達してしまう。

昔は全然感じなかったのに、なんで今はこんなにどきどきするのかは分からない。

あたしは自分の気持ちが不安定なことに気付いていたけど

理由を深くは考えたくはなかったのよ

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