妄想の館

なんて素敵にジャパネスク二次小説(鷹男×瑠璃姫)

嵐のような恋物語12

高彬が何を知っているのか探るためにあたしは右大臣家の家人に協力を仰いで

高彬の動きを探った。

さすがに右近の少将といわれる高彬だから、簡単には動きを捉えられない。

それに慎重にしないと

高彬にばれることもあるため時間がかかったの。

それでも心はせかされてもじっくり動かないといけないと思っていたら

やっと高彬が動き始めた。

高彬がお忍びで使う貧素な普通の御車に乗って何処かに出かけたという情報を貰い

あたしはその御車を追うことにしたの。

近づきすぎると見つかってしまうのである程度離れた距離を保ちながら跡をつけたの。

ところが三条、四条をすぎて東に折れたあたりまでは分かったんだけど

そこから見失ってしまったの。

あたしは一旦車から降りてこの周辺を歩くことにしたの。

確かこの当たりは西洞院あたりのはず。

でも家はこの邸一つだけ、

道はまっすぐだしどうみてもこの邸に入ったとしか思いつかない。

あたしは牛飼い童の一郎に門を見張るように伝えてこのお邸の中に入ったの。

このお邸の中に高彬の御車があるなら高彬はこの中にいるわけだし、

このお邸が誰の物なのかは後で調べればいい事だしね。

そう思ったのも束の間、高彬の御車は残念ながら見つからなかったの。

大納言家の姫であるこのあたしが見つかったらかなりやばいため

あたしはすぐにここを去ろうと思ったの。

でも外から見た時は何も感じなかったけど、中はやたら手の込んだ作りをしている。

小さいけど華美を押さえて作った大貴族の別宅な雰囲気。

一体どなたのお邸なんだろう。

そう思いながらこの場を去ろうとしても中は広くて

あたしはついに迷子になってしまったの。

だんだん疲れたあたしは階の下の床下で休憩をしようと入り込んだ途端、

「誰だ!そこにいるのわ!」

わらわら沢山の警備の者が暗闇から現れたの。

今まであたしが見つからなかったのが不思議なくらいな

警備の物々しさにあたしは震えるように吃驚してしまったの。

「入道さまどうかされましたか?」

「うむ、人の気配がしたのだ」

「人の?」

「さあ、誰もわれわれは見かけて居りませんが

そういえば東門の所に車が一両とまっておりましたが

多分このあたりに通う女がいるものの車でしょう。

あんな目立つところに車を置く訳がありませんから」

「それもそうだな。しかし油断はできんぞ!

お前らの何人かはここに残って見張っていろ。

くれぐれも怠るなよ」

物凄く偉そうな声の持ち主がこの場から去ったので人息はついたけどどうしよう~

ここからもうでれないわ。

あたしは仕方がないから床下を通ってこのお邸から立ち去ろうと考えたの。

そうしてゆっくり歩いていたら床上から人の声がして来たの。

あたしは気にせずにそのまま進もうとしたら

とんでもない言葉がでたからあたしは思わず聞き入ってしまったの。

「それにしても良い協力者が現れてよかったですな、

あの方がまさか東宮を裏切られるとは思いもよりませんでした。

東宮が一番信頼されているあの方がまさか私達に情報を渡しているとは

思いもよりませんでしょうな」

「ははは、ほんにそのとおりではあるがあのお方が東宮を裏切って

今は我々に協力をして見えてはいるが

実際はあのお方も我々の敵。

今は東宮が同じ敵だから協力はしてくださるがこの陰謀が成功したら

どうなるかはわからぬ。だからある程度は用心も必要ではあるな。」

「入道さま。それはそうでございますが、

もうすぐ右大臣家の姫がめでたく東宮妃になり、その上大納言家の姫まで娶られては

やっかいなもの。それを阻止してくださったのですからそれはそれで

よろしいかと」

「まあそうではあるが、それにしても何かと邪魔であるな右大臣家

とにかくあの右大臣家には負けてはなるものか!

大臣家に勝つためには何としてでもこの陰謀を成功させて

我らが正良親王さまが無事に東宮に即位されれば

大臣家など取るに足らない存在であるな!

はははははは」

何なの、この会話。物凄くやばいお話じゃない。今鷹男が東宮様なのよ。

それなのに正良親王さまが東宮になるということは鷹男がまず失脚しないと

ダメよ。なのにそんなことを企もうとしているなんて絶対に許せないわ。

あたしは、今までのことを忘れて鷹男に知らせないといけないと

そう思い、とにかく見つからないように床下を歩き外を目指したの。

ところがその先に誰か人がいたことに気付いたの。

でももうそれは遅くてその人影はあたしに気付き刃物を持ち出してきた。

あたしはパニックになってしまいその刃先を見たと同時に気を失ってしまったのよ

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