妄想の館

なんて素敵にジャパネスク二次小説(鷹男×瑠璃姫)

嵐のような恋物語20 終

本当なら吉野の君を吉野の里に連れて行くこと自体

もしかしたら追っ手に見つかる危険がある。

だからこの地を訪れることを鷹男はよしとしなかったの。

でも吉野の君は通法寺で炎上した折

遺体で見つかることになっているからそう早くここに追っ手が

現れることはないとそう思ったの。

だってこのまま吉野の君と会うことができなくなること自体寂しいじゃない。

だからあたしは無理を言って想い出の吉野の里に降り立ったの。

さすがに吉野の君が幼き頃から住んでいたお寺には行かずに

内の別荘に吉野の君を連れてきたのよ。

ゆっくり吉野にいることもできないから休まずここに無事にくることができた。

「吉野の君、大丈夫?結構無理をして早めにここについたから疲れたんじゃない?」

「・・・・・瑠璃姫・・・」

「どうしたの?」

「私は生きてよかったのでしょうか?」

「何を言っているの?」

「私の我が儘なせいでこの陰謀が画策されたのです。

そのおかげで何もしていないもの達まで犠牲になってしまった。

私は自分の罪を受け止めるためにあのまま事件を密告して

そのまま命を捧げようとそう思いました。」

「え!吉野の君は陰謀を成功させるためにあたしと高彬を閉じ込めたんじゃあ~」

「瑠璃姫、あなたが兄上に協力するといった時点で

私の賭けは破れてしまったのですよ。」

「どういうことなの?」

「瑠璃姫が私を慕っているのは決して愛してくださったわけじゃありません。

私のことを男として見てはくださらなかった。」

「そんなわけ・・・」

「瑠璃姫、あなたはもう気付いているではありませんか。

兄上が吉野の里に現れた時の瑠璃姫の反応は

幼いながらに愛らしい愛情に満ち溢れていました。

瑠璃姫が気付かないならそれでいいと私はずるい考えだったのです。

しかし段々あなたが急に兄上への気持ちに気づいた時どうなってしまうのか恐かった。

それだったら急に気付くよりは自覚させて兄上を嫌ってくれれば

瑠璃姫の全てを手に入れることができる。

そんな野望を胸に順調に事が過ぎていきました。

まさか瑠璃姫が兄上の動きに疑問を覚えさせるだなんて思いも寄りませんでした。

結局兄上が瑠璃姫を本気じゃないとそう思わせることに成功できたというのに

あなたの行動力を甘く見ていました。

こんな状態であなたを手に入れても仕方がない。

だから入道たちの動きを内緒で兄上に知らせたのですよ。

兄上に心がある瑠璃姫と一緒にいることは辛いですから」

「そんな・・・・まさかそのためにこの大きな陰謀を

吉野の君が裏で動いていたというの?」

「ええ~そうですよ。私はただ自分のためだけに罪を犯そうとも

あなたが欲しかった。

ただそれだけですよ」

「違うな。吉野は本当に馬鹿な奴だ!」

あたしと吉野の君以外いないはずなのに

ここにいるはずがないあの鷹男があたし達の前に現れたの。

「鷹男!あんたこんなところに来て大丈夫なの?

東宮何だからここにいては勘ぐられる可能性もあるわよ」

「そうだが吉野はどうせここをすぐでるだろうから

いつ出会う事ができるか分からない。

だから影武者を置いてきた。父上にも話を付けてきたから」

「兄上、父君が?」

「あ~お前の安否を心配していたぞ!

表立っては何もできないから、だから俺に暗黙の状態で送り出してくれたんだ。」

「そんな・・・・」

「鷹男、あんたさっき吉野の君がいったことを否定したわよね。

一体どういうことなの?」

「吉野は確かに瑠璃が欲しくてこの陰謀を画作した。それは間違えない。

でもこれは偶然からできたことだったんだろう」

「意味が分からないわよ!」

「吉野。お前本当は自分から入道たちに話を持ちかけたのではなく

入道たちから私の失脚を協力するように頼まれたのだろう」

「え?」

「お前は本当は瑠璃を手に入れるのを諦めていたんだろう。」

「それは違いますよ。兄上、私はそこまでお人よしではありません。」

「だったらどうしてお前は早く瑠璃を迎えに行かなかったんだ。

とっくの昔に迎えに行けた筈なのに」

「そんなことはありません。私の地位はまだしっかりしていなかったから」

「吉野、お前は俺が知っていたことに気付いてなかったんだろうが

父上からもう随分前から皇位を返上して源として臣籍に降り、

私を盛り上げるようにいわれていたはず、

身分も大分低くはなるがかなりお前のもとの身分に近い官位を授けると

父上はおっしゃっていた。なのに何故だ」

「それは・・・」

「本当は入道からこの陰謀を聞いた時から

入道たちを裏切るためにわざと協力するつもりだったんだろう。

私のいづれ敵となるであろう入道を失脚させるためにお前は」

「兄上、私をそこまで買いかぶりすぎですよ。何を根拠に」

「初めはお前が私を裏切ったとそう思っていたんだがな。

もっと詳しく調べるうちに気付いたんだ。」

「吉野の君、それは本当なの?嬉しい吉野の君!」

あたしはあまりにも嬉しすぎて思わず吉野の君に抱きついてしまったの。

「瑠璃、吉野から離れるんだ」

「何を慌ててるのよ。さすがは吉野の君だわ。鷹男見たいに心は全然狭くないわよ」

「なんだと!」

「吉野の君を裏切り者だとすぐに決め付けていたくせに」

「それは・・・仕方がないだろう!吉野は瑠璃が好きなんだから。

もしかしたら吉野がお前をさらってしまうと思ったから。」

「そんなことはないわよ。あたしは鷹男の元に行くんだからね」

「瑠璃・・・・」

「鷹男・・・・」

「ふう~勝手に私を無視して二人の世界に入らないでください」

「きゃあ~やだ」

「すまん吉野」

「もういいのです。二人を見ていると本当に懐かしい吉野の里での思い出が

目に浮かびます。3人で過ごした吉野の里での思いでを胸に・・・私は出家します」

「「吉野」の君?」」

「あなた達に命を助けられたのです。のうのうと普通の暮らしには戻れません。

ここには御迷惑なので居れませんが絶対に何十年か経ったら吉野の里で定住します。

その時は御二人で行幸をなさって会いにきてください。

兄上、必ず瑠璃姫を幸せにしてください。

もし泣かせるようなことがあれば必ずさらいにいきますからね」

「任せろ吉野!絶対に瑠璃を幸せにするからお前こそ無事でいるんだぞ!

絶対に戻って来いよ」

「吉野の君絶対にあたしが鷹男を幸せにするから

吉野の君が大切な鷹男を守るから絶対にこの吉野の地に戻ってくるんだよ!」

「あははは!さすがは瑠璃姫、兄上を幸せにしてくださいね。」

あたしたちは笑ってこの場を離れたの。

だからといってこれが別れじゃないんだもの。絶対に吉野の君はこの地に戻ってくる。

そうしたら昔のように3人で過ごしましょう。仲良し3人なんだもの。

3人で幸せになりましょう

ありがとう吉野の君・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

数十年が経っていた。

吉野の里に今上帝や女御様や御子様方が行幸にやってきていた。

懐かしの吉野にはある僧が二人に会いに来ていた。

三人は懐かしの話で盛り上がり皆楽しんで吉野で過ごしたのでした。

にほんブログ村 小説ブログ 二次小説へ
にほんブログ村