妄想の館

なんて素敵にジャパネスク二次小説(鷹男×瑠璃姫)

嵐のような恋物語9

吉野の君からやっと連絡が入った。

あたしは本当のことが知りたかったの。

胸はドキドキする。

もし、面と向かってあたしのことなんて好きじゃない、そういわれたらあたしは

どうなってしまうのかしら・・・・・・

ある一室まで案内されてあたしは鷹男を待つことにしたの。

この部屋は何故だか少し暗かった。

燭台は一室にしては数が少なく変りに几帳が多く飾られていた。

まるであたしの姿を隠すかのように感じていたの。

そんな時、足音がこちらに近づいてくるような気がして息を潜めたの。

そうして誰かがあたしに気付かずに入ってきたのよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よろしいのですか?兄上、瑠璃姫に会わなくても」

「会っても仕方がないじゃないか。今さら理由を告げても」

「それはそうですが・・・」

なんと人影の正体は鷹男と吉野の君だったの。

話を聞いて見るかぎり鷹男はあたしがここに来ていること自体知らない様子。

その上、あたしに理由を言わないつもり?

そんなの冗談じゃないわよ。あたしは憤っていたの

「吉野。お前は本当に臣籍に降りるのか?」

「はい、私がこの後宮に居ても後継者争いの種になるしかありませんし、

それにやっと瑠璃姫を迎えに行くことも出来ますから・・・・」

「そうであったな。お前は瑠璃と一緒に暮らすことになるんだな。」

「兄上こそいいのですか?瑠璃姫のことは」

「あ~気にするな。瑠璃を娶って東宮としての地位を確立させたとしても

争いの種になるのは変らないから・・・

瑠璃はお前が臣籍に降りて、

幸せにすることがあいつにとっても良いことだとそう思う。」

あたしはその言葉を聞いて我慢の限界だった。

だってさっき鷹男はあたしと結婚することで

東宮としての地位は確立できるとそういったのよ。

それはあたしのバックの力が欲しいということ

あたしが好きなんじゃないことと同じことなのよ。

あたしはムカついて几帳を蹴り上げて鷹男の前に姿を現してやったわ。

「鷹男、あんたのことをあたしは勘違いしていたわ!

まさかあんたがあたしのことをそんなに心配していてくれただなんてね!

あたしを止めたのは吉野の君が臣籍に降りてくれるから

そうすれば鷹男の東宮としての地位も安泰だもんね。

あたしがいたら今度は後宮で権力争いの種の元になるから。

あたしみたいなやっかいものは吉野の君に任せたほうがいい。そういうのね。

あんたはあたしのことを心配する不利をして

実際は吉野の君にあたしを押し付けたのよ。

あんたなんて最低よ!

あたしのことをって言っておきながらあたしも吉野の君も

この後宮には邪魔な存在なのよね。

そうでしょう!何かあたしが言った事で反論があるなら言って見なさいよ!

どうなの鷹男!」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「黙っているということはあたしが京にいたら邪魔なのね。

あたしが鷹男の傍にいたら迷惑なのね。そうでしょう」

あたしは言いながら悲しくなって仕方がなかった。

途中涙が溢れては流れていく

「瑠璃、お前が俺の傍にいて貰っては迷惑なんだ。

だからお前は吉野の元に行き

出来るなら早めに京を出て行って欲しい・・・すまん瑠璃・・・・」

「何よ、それ!あたしが邪魔なだけじゃなく京でさえ、でて行けというの

吉野の君を後宮から追い出しあまつさえ幼馴染であるこの私でさえ切り捨てるんだ。

へ~あんたはそういうことでもへっちゃらなんだね。

自分の東宮としての地位のためにあんたは肉親でさえ、

そして幼馴染でさえ切り捨てるんだ!もう良いわ!あんたのことなんて忘れてやる!

吉野の君と幸せになってやるわ。あんたは自分の地位に執着していればいいのよ。

身分をとったあんたは大事な人間でさえ捨てることが出来るんだから

遠くからあんたの生き様を見ててあげるわ。

どうせ、身分が一番な人間なんてろくな人生を歩まないわよ・・・

もうあんたなんて知らない!もう顔も見たくないわ!」

あたしは泣きながらこの部屋を出ていったの。

悲しかった気持ちが怒りに変ったおかげで

あたしの心は炎のように燃え滾るような気持ちでいっぱいだったの。

あまりに気持ちが興奮し過ぎてえらくて仕方がなかった。

それからすぐに吉野の君が来てくれて興奮していたあたしを宥めるかのように

抱きしめてくれたの。

あたしの心はそれでも怒りに苦しみ続けていたけどそれでも少しは落ち着いてきたの。

吉野の君が直接三条邸まで送ってくれてあたしは自分の部屋に戻った。

もうこの京にいること出さえ嫌で仕方がなかった。

自分の部屋で鷹男への怒りばかりを思いながら

あれから過ごしていったの。

たびたび吉野の君からの文を貰いながら

あたしは吉野の君と一緒に暮らす準備を仕様と思っていたのよ。

にほんブログ村 小説ブログ 二次小説へ
にほんブログ村