妄想の館

なんて素敵にジャパネスク二次小説(鷹男×瑠璃姫)

好きなのに~渦巻く嫉妬の嵐6


萩の花の宴が終わりいつもの生活に戻った。

あれから他の女御様からの嫌がらせは殆どなく静かな生活だった。

あたしはあの宴のおかげで他の女御さま達から反感をくらったと危惧していたため

何も起こらないことにホッとしていたの。

まさか、嫌がらせがなかった裏にはあたしを苦しめる大きな原因があろうとは

その時は全く気がつきもしなかったの。

 

 

 

 

最近鷹男は政務が忙しいらしく麗景殿に来ることが少なくなっていた。

ここにこれないと言う文はいつも送られているためあたしはそれを疑いもしなかった。

まさかそれが嘘だとは気がつきもしなかったの。

それが嘘だったっと気が付いたのは内の女房達の会話からだった。

 

 


あたしは麗景殿に閉じこもっているのが飽きていたため庭に降り景色を眺めていたの。

そうして気分がよくなったため部屋に戻ろうと思い入ろうとした途端女房達の声が聞こえ

足を止めてしまったの。

 

 

「最近東宮様はこちらに足を運ばれないのはやはりあの噂が真実だからでしょうか?」

「そうでしょう~元々東宮様が一人の人に縛られるわけがないのですもの」

「しかし、今ではその方が本命だと言う噂が後宮内で持ちきりですわ。」

「最近は麗景殿の女御様だけにしかお渡りがなかったとお聞きしていたから喜んでましたのに」

「このことは女御様には言っては駄目よ。小萩さんも女御様の耳に入らないように必死に隠されて

いるのだから。」

「そうですわね、女御様の耳に入れることなんて出来ませんものね。」

あまりにも衝撃的な言葉が耳に入る。

鷹男が他の女性の元に行っている?

それも本命?

あたしは我慢が出来なくなって部屋に入り詳しい話を聞いたの。

「それは本当のことなの?」

急にあたしが現れたため女房達は物凄く驚いた表情をしていたの。

でもあたしにはそれはどうでもよかった。

本当のことが知りたかったのですもの。

「誤魔化さないで頂戴。あんた達が話していたことは全て聞いてたわ。お願いだから本当のことを

教えて!」

女房達は言いずらそうな表情で教えてくれたの。

「今後宮で噂になっているのはある女性のことなのです。

最近東宮様の寵愛を独り占めなさっている方

がいらっしゃるのです。

その方は昔からの仲だそうなのですが最近は東宮様はその方以外お召しになさることはないのです。」

「ですからその方が本命なのではという噂が後宮内で持ちきりなのですわ。」

「その方って誰なの?」

あたしはその話を聞きながら心が嫉妬で騒いでいるのを感じていたの。

「その方は東宮様の乳母の子で楓さんといわれる方です。」

楓?その名前は一度も聞いた事がなかった。

乳母の子ってことは物凄く古い付き合いがあるという事。

そんな人が鷹男の本命だなんてあたしは物すごい衝撃を抱いた。

ショックで今は何も感じることができない。

鷹男はいつもあたしのことを愛していると、一番だと、信じてくれと

そういっていたけどこの話を聞いたらあたしは心が揺れ動くことしか出来ない。

それでもあたしは鷹男に直接聴いたわけではない。

ただの噂。

だからあたしはこの時はまだ鷹男を信じることができていたの。

その後にその気持ちが崩れ落ちることになるなんて夢にも思わなかったのよ。

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