妄想の館

なんて素敵にジャパネスク二次小説(鷹男×瑠璃姫)

藤壺女御物語21

あれから大きな動きはないけど、あたしと梅壺の女御様との仲が

悪いという噂はすぐに後宮内を駆け巡っていった。

あれから毎日の様な嫌味の応酬にあたしでさえだんだん気が滅入っていったの。

あたしのバックには内大臣の父さまもいることだから表立っては何もない。

血筋は向こうのほうが上だけど、財力はうちのほうが上だし

両方兼ね備えたうちはどう見ても格は上よ。

でも今は親王様が御生まれではない分、誰にでも中宮の地位に就く可能性は高い。

でも丞香殿の女御様は病で臥せて見えることがおおいし、桐壺の女御様は

バックが弱いうえ、気弱な方。

そうなるとやっぱり恐れながら次期東宮様を御産みすることを

望まれているのはあたしなのよ。

でもさあ~あたしは悪いけど中宮になりたいわけじゃないし

権力が欲しいわけじゃない。

だから、梅壺の女御様に次期東宮様を御産み頂きたいと思うのがあたしの願いなのよ。

そう思っているのは本当のこと。

でも、鷹男が他の女御様を召すたびにあたしは心が病んでいくのよ。

分かってるのにね。

鷹男は帝なんだもの。

親王様が御生まれにない以上御子様を早くと望まれることが多いことは知ってるわ。

だから、そのためにも梅壺の女御様が入内なさったことも分かっている。

分かっているけどつらいのよ!

あたしと鷹男はお互い想いあっている。

その気持ちは鷹男の毎日のようなお渡りが表現してくれている。

それはありえないことなのに、あたしだけを寵愛してくれる。

今は右大臣につくか、内大臣につくか、はたまた源大納言につくか

貴族たちは揺れ動いているのに。

鷹男はあたしと貴族たちの間で板挟みになっているであろうことに心苦しくなる。

あまりに毎日あたしのもとに通われるから父さまもあたしに釘を刺してきたほど。

「帝を独り占めにするのはよくないですぞ」ってね。

でも私にだって独占欲があるもの。

鷹男だけほしいから女御の地位を返上する。そう言いたいほどよ。

でもあたしは鷹男の手を握った時に誓った。

本物の女御様になるって。

その思いはつらい選択だけれど、鷹男が帝であり続けるには支え続けるしかないのよ。

あたしが梅壺の女御様に逆らわずに

帝と梅壺の女御様に親王様が授かるようにお膳立てすればこの後宮

静かになるのではないの?

あたしさえ、我慢すれば・・・

 

だから・・・

 

 

 

 

 

 

「瑠璃姫どうしたのですか?元気がないご様子ですが。」

「鷹男大丈夫よ、なんでもないわ。」

「しかし、顔色が悪い様子では?」

「大丈夫だからあたしのことは気にしないで。

それよりも鷹男、あたしのところにきてもいいの?梅壺の女御様を召されることが

少ないようだけど貴族連中に何か嫌味でも言われているのではなくて?」

「何をおっしゃるのか。私には瑠璃姫、あなたしかいないのです。

さんざんあなたに伝えたつもりですが、あなたに通じてなかったようですね。」

「ふふっ、やだ、鷹男は本当に口が上手いわ。上手すぎて、上手すぎるからこそ

信・・・じ・・・」

あれ、なんでだろう、声が出ない、あんな嫌味くらい大したことないのに

そう思っていたのにあたしの涙腺が弱くなったみたい。

おかしいな~嫌味が続くと嫌になるものなのかな?

元気だけが取り柄だったのに。

「瑠璃姫どうしたのですか?まさか梅壺の女御がまた何かしたのですか?」

あたしはフルフル首を振り続けて違うと否定したの。

毎日嫌味の応酬は辛いもの、でもそれだけじゃないのよ。

だってあたしがこんなに弱い人間だったとは夢にも思わなかったから。

初めはただの嫌味だと気にもしなかったのに段々自分が鷹男の傍にいることへの

理由が見つからなくなってしまったから。

梅壺の女御様は他の女御様の女房達と組むようになって

嫌味は沢山の女房達から言われるようになった。

前まではそこまで酷くなかったのに、全員が敵のよう。

その上、自分の女房達にまで酷い言われようになり最近では藤壺

しんみりとした空気が漂っているの。

でも、こんなこと鷹男に言えるわけないじゃない。

これくらい、あたしは平気よ。

自分自身の力で乗り越えなくてはあたしへの鷹男の気持ちが消えるかもしれない。

そんなこと我慢できない。

そんな風に鬱々と考えることしかできなくなったあたしに、鷹男は抱きしめてくれる。

「瑠璃姫、いつまで我慢なさるおつもりですか?私を頼ることはできませんか?」

「えっ!鷹男・・・?」

あたしの目から出てくる涙を掬いながらあたしの顔を両手で挟みそういったの。

「自分の力で立ち向かっていくあなたの姿は好きですよ。

でも、あなたが私のために我慢する姿はとても辛いのです。

私はあなたが好きですが以前に比べてもっと好きになりました。」

「あたしは困難なことがあっても自分で立ち向かえると思っていたわ。

それなのに、自分の力では何もできない。

だから、あたしが身を引きさえすれば、梅壺の女御様が御子を授かって

中宮様におなりになる。そうすれば梅壺の女御様も何もしてこないし

貴族も何も言ってこないと思うの。だから・・・」

「瑠璃姫はそれでもよいというのですか?他の女御の元に通っても

あなたは関係ないと、そういうのですか!」

「違う!そんなこと絶対にない!

あたしが一番鷹男のことを愛しているのですもの。

権力欲しさにきた女御とは違うもの。

あたしだけが鷹男を幸せにできると思っているわ。」

「でしたら瑠璃姫、私に協力させてください。」

「・・・・ふふっ、・・・ごめん鷹男。あたしが間違っていたわ。

おかしいわね。なんでこんな風になってしまったのかしら。

あたしは他の女御様とは違う、泣かされたら倍に返す姫よ!

ありがとう鷹男、泣いたらすっきりしたわ。

最近部屋に閉じこもりすぎたのがいけなかったのよ。

そうだわ、梅壺の女御様に今度はこちらから仕掛ける番だわね。

やられたらやり返す!なんでそんなことも思いつかなかったんだろう。

鷹男少しだけ待って、あたし自分でやってみる。

でも今度は我慢しないわ!ダメだったら鷹男に頼るからその時はお願いね!」

鷹男に頼るのは、あたしがどうしても解決できないときにお願いするわ。

梅壺の女御様をぎゃふんといわせるためには

やっぱり情報を仕入れないといけないわよね。

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